今年で第27回を迎えるフランス映画祭2019 横浜が、昨年に引き続き横浜で開幕した。ユニフランス70周年、横浜・リヨン姉妹都市提携60周年の記念すべき年、6月20日に横浜みなとみらいホールで行われたオープニングセレモニーでは、梅雨の晴空の下、レッドカーペットも開催され、横浜のファンたちが豪華ゲストとの交流を楽しんだ。
『シンク・オア・スイムイチかバチか俺たちの夢』中谷美紀を囲んで左からユーゴ・セリニャック(プロデューサー) 、ジル・ルルーシュ監督
レッドカーペットでは、フランス映画が大好きというフェスティバル・ミューズ、中谷美紀が、トリコロールカラーの帯締めが印象的な和服姿で登場、「人々の人生を緻密に、大切に描いているのがフランス映画。音楽もいいですね」とその魅力を語ると、フランス映画を観ることができる映画館が減ってしまったことを嘆いているとしながら、「こんなに充実したフランス映画だけの映画祭があります。旅に出かけるような気持ちで楽しんでいただけたら」とフランス映画祭の楽しみ方を語った。オープニング作品『シンク・オア・スイムイチかバチか俺たちの夢』のジル・ルルーシュ監督、『アマンダと僕』のミカエル・アース監督、主演のウァンサン・ラコスト、『ウルフズ・コール』のアントナン・ボードリー監督、主演のフランソワ・シヴィルなど豪華来日ゲストに加え、林文子横浜市長、ローラン・ピック駐日フランス大使も来場し、駆けつけた観客の歓声に応えた。
『アマンダと僕』中谷美紀を囲んで、左からヴァンサン・ラコスト(俳優)、ミカエル・アース監督、ピエール・ギュイヤール(プロデューサー)
オープニングセレモニーでは、林横浜市長が「私も若い頃はフランス映画に育てられました。短編を入れて日本初公開の16作品を楽しんでください。これからも横浜市は皆様のご協力を得て、フランス映画祭を続けていきたいと思いますので、ぜひご支援ください」と挨拶。レッドカーペットに続いて登壇したフェスティバルミューズの中谷美紀は、「私にとってフランス映画は青春の象徴でした。10代のわけもない苛立ちや溢れる探究心を満たしてくれたのがフランス映画でした。私たちの日常は決して確かなものではなく、明日何が起こるかわからない不確かなものです。世界中では戦争や飢餓、紛争などが人々を苦しめています。私自身も来年お仕事があるかわかりませんし、もしかしたら横浜で映画館のもぎり嬢をしているかもしれません。そのような不確かな日常の中に、フランス映画が一縷の望みとして、みなさんの日常を照らす光であることを祈っております。今日はありがとうございました」としとやかに挨拶した。ローラン・ピック駐日フランス大使も「この映画祭はパートナーシップの歴史でもあります。文化交流こそが日本とフランスの強いつながりを保証するものです。特に日本、横浜で貢献を続けたい」と感謝の言葉を述べた。
現在日本に向かっているという団長のクロード・ルルーシュ監督に代わり、サプライズでカンヌ国際映画祭で名誉パルムドールを受賞したフランスの名俳優、アラン・ドロンからの動画メッセージが流され、登壇者も全員釘付けに。最後に、フェスティバル・ミューズの中谷美紀が、「フランス映画祭、開催です!」、と高らかに映画祭の開幕を宣言した。その後映画音楽、ジャズで多大な功績を残したミシェル・ルグランを偲び、慶應義塾大学ライトミュージックソサイエティにより3曲が演奏され、オープニング作品『シンク・オア・スイムイチかバチか俺たちの夢』上映前のひとときを名曲の音色で楽しんだ。
フランス映画祭2019 横浜は、6月23日(日)までみなとみらい地区(横浜みなとみらいホール、イオンシネマみなとみらい)にて開催中。
■主催:ユニフランス