11月3日(土)の閉幕に先立ち、11月2日(金)六本木EXシアターにて第31回東京国際映画祭アウォードセレモニーが開催され、コンペティション部門、アジアの未来部門、日本映画スプラッシュ部門の審査結果および観客賞が発表された。
今年の東京グランプリに輝いたのは、最優秀脚本賞Presented by WOWOWとのW受賞となったフランス映画『アマンダ』。パリ暮らしの青年が、ある日公園で起きたテロで姉をなくし、残された姪っ子、アマンダの保護者になる道を選ぶか否かで葛藤する姿、母のいない日々を親戚に預けられながら懸命に生きようとするアマンダの姿を描いたヒューマンドラマだ。(来年初夏公開予定)
審査員特別賞は、家族を養うためにある決断をした地主の父親が、次々に自分の大事なものを失う悲劇を、19世紀のデンマークの農地を舞台にリアリティ溢れるタッチで描いた骨太のデンマーク『氷の季節』が、最優秀男優賞(イェスパー・クリステンセン)とのW受賞となった。
最優秀監督賞は、最優秀女優賞(ピーナ・トゥルコ)とW受賞となったイタリア映画『堕ちた希望』のエドアルド・デ・アンジェリス監督が受賞を果たした。
最優秀芸術貢献賞には、レイフ・ファインズ監督の『ホワイト・クロウ(原題)』(来年公開予定)が堂々の受賞。そして、注目の観客賞には、稲垣吾郎主演の阪本順治監督最新作『半世界』が選ばれた。
その他、受賞結果は以下の通り。
<コンペティション部門>
【東京グランプリ】『アマンダ(原題)』(ミカエル・アース監督)
【審査員特別賞】『氷の季節』(マイケル・ノアー監督)
【最優秀監督賞】エドアルド・デ・アンジェリス監督(『堕ちた希望』)
【最優秀男優賞】イェスパー・クリステンセン(『氷の季節』)
【最優秀女優賞】ピーナ・トゥルコ(『堕ちた希望』)
【最優秀脚本賞】『アマンダ(原題)』(脚本:ミカエル・アース、モード・アメリーヌ)
【最優秀芸術貢献賞】『ホワイト・クロウ(原題)』(レイフ・ファインズ監督)
【観客賞】『半世界』(阪本順治監督)
<日本映画スプラッシュ部門>
【作品賞】
『鈴木家の嘘』(野尻克己監督)
【監督賞】
武正晴(『銃』)、田中征爾(『メランコリック』)
<アジアの未来部門>
【作品賞】『はじめての別れ』(リナ・ワン監督)
【国際交流基金アジアセンター特別賞】ホアン・ホアン監督(『武術の孤児』)
【東京ジェムストーン賞】木竜麻生(『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』)、リエン・ビン・ファット(『ソン・ランの響き』)、カレル・トレンブレイ(『蛍はいなくなった』)、村上虹郎(『銃』)