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オープニング・セレモニー&オーサカ Asia スター★アワード表彰式で香港スター、カラ・ワイさんが登壇!@第12回大阪アジアン映画祭

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 3月3日19時から大阪市北区の梅田ブルク7で、大阪アジアン映画祭(OAFF)オープニング・セレモニーが開催され、オーサカ Asia スター★アワード表彰式、『ミセスK』オープニング上映が行われた。
 

 上映に先立ち行われたオープニング・セレモニーでは、オープニング上映作品『ミセスK』の監督で、審査委員も務めるホー・ユーハン監督、『ミセスK』主演で、今年オーサカ Asia スター★アワードを受賞されるカラ・ワイさん、特集企画「アジアの失職、求職、労働現場」から『世界の残酷』サンジェイ・クマール・ペルマル監督、特集企画「ニューアクション! サウスイースト」から『パティンテロ』ミーク・ヴェルガラ監督、インディ・フォーラム部門『恋とさよならとハワイ』出演の綾乃彩さん、亀田梨紗さん、篠原彩さん、そして同部門の『バーミー』田中隼監督が登壇。

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『ミセスK』ホー・ユーハン監督は「大阪の皆さんこんばんは。寒いですが、革ジャンパーを披露できてうれしい。『ミセスK』を楽しんでいただきたいが、審査委員という大役をいただき、重責に悩んでいます。評価をしなければいけない映画の関係者の皆さんに、先にお詫びを申しあげておきます」
『世界の残酷』サンジェイ・クマール・ペルマル監督は「長年来たいと思っていた日本。初来日が叶いうれしい。私の作品を楽しんでいただきたい」
『パティンテロ』ミーク・ヴェルガラ監督は「ご招待をいただき、大変光栄に思っています。大好きな日本映画の故郷に来て、皆さんに私の映画を観てもらえることを、とてもうれしく思います」
 
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『恋とさよならとハワイ』ゲストを代表して綾乃彩さんからは「『恋とさよならとハワイ』がこの素晴らしい大阪アジアン映画祭で上映されることを、とても嬉しく思います。別れたにも関わらず同棲するカップルの話で、主人公がもがき苦しみながら、自分自身と向き合い答えを出す様を、コミカルかつチャーミングに描いた作品です。世界初上映なので、ぜひご覧ください」
『バーミー』田中隼監督は「大阪は何度も訪れたことがありますが、大阪アジアン映画祭のエキゾチックなエネルギーのせいか、来たことのない街に来ているようで興奮しています。人と会うことはどういうことなのかという呪いの作品、ぜひ観ていただけたらうれしく思います」と挨拶した。
 

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 引き続き行われたオーサカ Asia スター★アワード表彰式では、受賞者のカラ・ワイさんに、大阪アジアン映画祭実行委員長上倉庸敬から記念のクリスタル盾と花束が贈呈された。上倉実行委員長は受賞の理由としてカラ・ワイさんのキャリアだけでなく、最新作の『ミセスK』では、マレーシアのニューウェイブを代表するホー・ユーハン監督と共に、女性アクションという確立したジャンルにアジアの新風を吹き込み、その生き方や仕事ぶりが後進の俳優たちの大きな刺激になったと述べ、滞在時間がわずか20時間と多忙の中、アワード受賞のため来日したカラ・ワイさんに感謝の言葉を述べた。
 
 
 
 
 
 
 
 

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 真っ白のパンツスーツが眩く、年を重ねた美しさと鍛えられた肉体で観客を魅了した元祖アクション女優のカラ・ワイさんは、「初めて観た映画はブルース・リーの『怒りの鉄拳』で、彼のように大スターになりたい。そして何かを突き詰めるためには、諦めてはいけないと学んだ。16歳でチャン・チェ監督に見出され、アクション映画に10年間で120作品ほど出演。『ミセスK』は、私の最後のアクション映画として観てほしい。アクションは終わりだが、これからも社会的ないい映画を作りたいと思っている」と挨拶。会場に集まったファンの前で認知症を題材とした最新作『Happiness』について、作品の背景に自身の体験が重なることや、社会的意義のある作品であることを語り、「ぜひ皆さんで盛り上げて」とアクション作品以外での代表作となった新作への想いを表現。会場から大きな拍手が送られた。
 
 
 オープニング作品『ミセスK』の日本初上映後は、再びカラ・ワイさんがホー・ユーハン監督とともに登壇。映画評論家の宇田川幸洋氏の司会による授賞を記念したトークイベントでは、カラ・ワイさんが女優を目指した幼少期のエピソードを語った。更に、「あまり言っていないのですが」と自身がうつ病であったことを明かし、女優の仕事がなくなった時にユーハン監督の『心の魔』に出演、評価されたことがその後のキャリアにつながり「ユーハン監督は私の恩人」と最後に付け加え、盛りだくさんの大阪アジアン映画祭オープニングを締めくくった。
 
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(写真:河田真喜子)

第12回大阪アジアン映画祭は3月12日まで梅田ブルク7(梅田)、シネ・リーブル梅田(梅田)、ABCホール(福島)、阪急うめだホール(梅田)、国立国際美術館(中之島)で過去最多の計58本を上映。
チケットはチケットぴあでの前売券販売終了後は、各劇場にて順次販売。詳細は大阪アジアン映画祭ホームページにて。
一般お問い合わせ:大阪アジアン映画祭運営事務局 TEL 06-6373-1211 http://www.oaff.jp/