あの“宇宙人ジョーンズ”!? いえいえハリウッドの大スター、
トミー・リー・ジョーンズが《京都ヒストリカ国際映画祭》にやって来た!
【第8回京都ヒストリカ国際映画祭】
11月6日(日)14:00~『ホームズマン』 の上映後、監督・主演のトミー・リー・ジョーンズ(70歳)のトークセッションが行われた。上映前にも予定外の挨拶を行い観客を驚かせたが、「本日の上映が本来の上映方式のデジタルDLPではなくブルーレイ上映となってしまって申し訳ない」とお詫びの挨拶となった。
『ホームズマン』について
19世紀半ばのネブラスカ準州(現在のネブラスカ州とダコタやワイオミング、モンタナを含む広域)、中西部開拓盛んな時代、荒涼とした土地で過酷な環境にさらされた女性たちに焦点を当てた、異色西部劇。神経を病んだ3人の主婦を開拓民の起点であったアイオワ州へ、信心深く几帳面で善良なメアリー(ヒラリー・スワンク)と流れ者の男“ジョージ・ブリックス”(トミー・リー・ジョーンズ)の二人で送り届けるロードムービー。3人の主婦を受け入れるアイオワの女性を演じたメリル・ストリープや牧師役のジョン・リスゴー、無慈悲なホテル経営者役のジェイムズ・スペイダーなどが脇を固め、厳しいながらも美しさの際立つ映像も印象的な作品。
【トークの概要】
テーマについて、「西部とか東部とか、女性とか男性とかは関係なく、今まであまり描かれる事がなかった19世紀半ばのアメリカ人がどのようにして生きていたか、そのためにどのような代償が払われてきたかを描きたかった。本作は女性の視点だが、広い意味で人間そのものを捉えている。」知られざる西部開拓史の一面を見たようでとても興味深い物語で、ペリー艦隊が浦賀に現れた頃のアメリカ中世部の歴史を改めて調べたい衝動にかられた。
ヒラリー・スワンクが演じたメアリーについて、「女性は家庭的な良妻賢母であるべきと考えられていた時代、独りで荒野を耕す女性は珍しい。そんな強い彼女を追い詰める程の厳しい状況を表現。」メアリーは信心深く、家も土地も家畜も貯金もあり、料理上手で音楽を好むしっかり者の女性。だが、特別に美人で魅力がある訳ではないので、この上なく不細工な男に「退屈でうるさそう」と言われて結婚を断られたり、流れ者のジョージからも邪険にされたりする。女性として尊重されなくて歯がゆさをつのらせるヒラリー・スワンクの表情がいい。
陰影の効いた美しい映像については、「ニューメキシコでのロケはとにかく天候が一番重要だった。大きく変わりやすい天候に振り回されながら、照度計とにらめっこの撮影は本当に大変だった。そのため苦楽を共にしたクルーとはより親しくなったよ」と。また、トミー・リー・ジョーンズが演じた流れ者の男のラストシーンについて、「メアリーもお金も失い、再び自由に生きられる西部へ行くしかなかったんだ。筏の上で踊っていた音楽は、当時のフォークソングです」と、当時の音楽を再現し、筏の上でバンジョーを弾いていたのは自分の息子だと紹介した。また、冒頭メアリーに教会への道を教えるシーンには娘が出演していたことも明かした。
映画祭は、月曜日は京都文化博物館の休館日のためお休み。11/8(火)~11(金)までは“ニンジャ”をテーマにした新旧作品を上映。11/11(金)には、無声映画『豪傑児雷也』が弁士付きで上映され、その後市川雷蔵主演の『忍びの者』の上映。11/12(土)・13(日)には再び新作映画を上映。『ホームズマン』も12(土)にも上映されます。お楽しみはこれからです♪
★京都ヒストリカ国際映画祭の公式サイト⇒ http://www.historica-kyoto.com/
★映画祭のおすすめ新作について⇒ こちら
(河田 真喜子)