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安藤サクラ、『白河夜船』世界初上映で、井浦新との共演に「最初はどうしようと思った」@第10回大阪アジアン映画祭

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3月6日19時から大阪市北区の梅田ブルク7で、大阪アジアン映画祭(OAFF)オープニングセレモニーおよびオープニング作品『白河夜船』の世界初上映が行われ、上映前に若木信吾監督、主演の安藤サクラ、共演の井浦新が登壇して、一般の観客に初お披露目となる感想や、出演の動機を語った。
 
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『白河夜船』は、よしもとばななが89年に発表した代表作。カメラマンで映画監督の若木信吾が完全映画化し、不倫愛による戸惑いから眠りの闇に堕ちていく主人公、寺子の心の揺れや闇、希望を鮮やかに描写した意欲作だ。寺子を演じる安藤サクラの様々な表情や仕草を若木監督自らが撮影。寝て起きるという寺子の日常を、安藤サクラが全身で表現し、『0.5ミリ』で絞った身体がスクリーンで美しく揺れ動く。井浦新は事故のため植物人間状態となってしまった妻の看病をする寺子の不倫相手役を、深い哀しみを滲ませながら、抑えた演技で魅せ、静かな存在感を放っている。
 

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大阪アジアン映画祭のオープニング作品に選ばれ、梅田ブルク7で一番大きなシアターでの舞台挨拶に若木監督は「緊張しています」と告白しながら、「大阪でワールドプレミアできてうれしい」と挨拶すると、安藤サクラは「皆さんがこの映画を観て、この映画がどうなるのかと、すごくそわそわしている。ほんとのほんとに、今日が初お披露目で、『白河夜船』について話すのも今日が初めて」と興奮気味に挨拶。井浦新は「昨年9月に撮影してこんなに早くに見ていただけることはなかなかない。少ない日数とキャストで、OAFFの一番バッターになれたことが本当にうれしい。みなさんの大切な映画になれば」と感激の表情を見せた。
 
オープニングセレモニー前に道頓堀で開催されたリバーカーペットイベントの話題では、安藤が、実はクルーズ中に井浦もはしゃいで写真を撮っていたことを披露。井浦も既にSNSにアップしたとその事実を認め、会場が笑いに包まれる一幕も。
 

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井浦から「原作を大切にしたかったそうですね」と話題を振られた若木監督は、「何度も読み直し、モノローグが多い『白河夜船』を映画にするチャレンジをしたかった。英語で翻訳されているものも読み、ようやく腑に落ちた」と映画化した動機を披露。一方、出演の動機を聞かれた安藤は、一生懸命考えながら「監督がいつもすごく素敵な写真を撮っていて、それが映画になったらとても素敵なのではないかと思い、すごくその世界に入ってみたかった」と語ると、若木監督は「本のセリフには忠実だが、それ以上のところがどう見えるかが楽しみ、とても素敵な感じに映っている」と自信を見せた。
 
一方、ヤン・ヨンヒ監督『かぞくのくに』では安藤の兄役を演じた井浦を起用した理由については、「『かぞくのくに』を見て、この関係性をどう次の関係性に昇華できるかと考えた。井浦さんが出演した是枝監督作『DISTANCE』(01)ではスチールで参加し、その頃から随分成長されている井浦さんと組んでみたかった」。若木監督の写真家としての仕事をマメに見ていたという井浦は「その写真が動き出したらどんな世界を作っていくのか興味があり、飛び込んだ。でも安藤サクラがいるから、困ったなと思った」と明かすと、すかさず安藤から「私も、どうしようと思っていた」とのツッコミが。安藤との仕事は緊張を維持した中での安心感があるとしながら、「『かぞくのくに』の次はどんなステージで出会えるかと思ったら、若木組だった。いい現場になっていくと最初から思っていた」と揺るぎない信頼感で結ばれていることが伺えた。
 

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最後に、「見どころは全部。この映画を観終わったあと、夢の中で大事な人と会いたいなと思った。写真家の若木さんがキャメラを回したのでその映像美や安藤サクラが素晴らしい」(井浦)
「みなさま、本当に今日はありがとうございます。帰ってからよく眠ってください」(安藤)
「映像からほんの少しでも揺れ動く気持ちを感じられるところがあれば。美しい二人を見てほしい」(若木監督)と締めくくり、『白河夜船』世界初上映が行われた。『白河夜船』は4月25日よりテアトル新宿、5月シネ・リーブル梅田他全国順次公開。(江口由美)
 
『白河夜船』公式サイト⇒http://shirakawayofune.com/
 

 
第10回大阪アジアン映画祭は、15日(日)まで開催中。
チケットはチケットぴあでの前売終了後は、各劇場にて順次販売。詳細は大阪アジアン映画祭ホームページ参照。
お問い合わせ:大阪アジアン映画祭運営事務局
TEL 06-6374-1236 http://www.oaff.jp/