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『KANO』歓喜のスタンディングオベーションも!第9回大阪アジアン映画祭、開幕!

guests_openingceremony_r1_c1.jpgオープニング上映『KANO』舞台挨拶で、3年連続来阪のウェイ・ダーションさんをはじめ、マー・ジーシアン監督、永瀬正敏さん、坂井真紀さん他豪華ゲストが勢揃い!

 3月7日19時から大阪市北区の梅田ブルク7 で、大阪アジアン映画祭オープニング・セレモニーおよびオープニング作品『KANO』の海外初上映が行われた。チケット発売後30分で完売と、ここ数年で一番の注目度の高さを伺わせた今年のオープニング上映。上映に先立ち行われたオープニング・セレモニーでは、上倉庸敬実行委員長の挨拶に続き、今回、特別協賛の台北駐日經濟文化代表處・沈斯淳代表がスピーチを行った。作品ゲストとしては、コンペティション部門のタイ映画『すご〜い快感』の世界初上映にタンワーリン・スカピシット監督、出演者の越中睦士さん、スパナート・チッタリーラーさん、セータポン・ピヤンポーさんが登壇。続いて台湾映画『甘い殺意』のリエン・イーチー監督が登壇し、『KANO』からは、マー・ジーシアン監督、製作総指揮のウェイ・ダーションさん、出演者の永瀬正敏さん、坂井真紀さんをはじめ、作品中で感動を呼ぶ高校野球球児を演じた台湾や日本の若きキャスト、そして映画監督・林海象さんが登壇。ゲストを代表して『すご〜い快感』に実名でタイ映画初出演を果たした越中睦士さんが一言「アジアを盛り上げよう!」と力強く挨拶。会場からは大きな拍手が巻き起こった。

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引き続き行われたオープニング上映『KANO』の舞台挨拶では、まずはマー・ジーシアン監督「まいど、はじめまして。私はマーです。よろしくお願いします」と流ちょうな日本語で挨拶し、会場を沸かせると、今年で3年連続の来阪となる製作総指揮のウェイ・ダーションさん「大阪に感謝したい。いつも満席で、我々の映画を観に来ていただきありがとうございます」とにこやかに挨拶。主演・近藤兵太郎監督役の永瀬正敏さんはオープニング作品に選ばれたことへの感謝と喜びを述べたあと「僕の誇りがここに立っています。どうぞ最後まで見守ってやってください」と舞台に勢ぞろいした高校野球部員役の12人に惜しみない賛辞を送った。また、客席にいる近藤監督のお孫さん3人がサプライズで紹介されると場内からは盛大な拍手が。次に近藤監督の妻を演じ、しっとりした和服姿で登場の坂井真紀さん「先日台湾で観ましたが、自分が出演しているのに大ファンになりました。早く観ていただきたい」と作品の手応えを語った。その後、永瀬正敏さんに促され選手を代表して投手役のシャオ・ヨウニンさんが突然挨拶に呼び出されるハプニングも。そこは映画で見せた落ち着きのあるマウンドさばき同様に、見事な日本語で自己紹介を行い大きな拍手が沸き起こった。永瀬正敏さんや坂井真紀さんと親交があり、ウェイ・ダーションさんとも旧知の仲という映画監督の林海象さんは『KANO』の日本語部分の脚本リライトを担当。 「本作がヒットしたら、ウェイ・ダーションさんに私の次回作のプロデューサーをしてもらう約束でした。台湾で大ヒットしたので大丈夫ですね」と『KANO』の裏エピソードを冗談まじりに披露。最後に、ウェイ・ダーションさん「3時間5分と長いですが、トイレに行かせないよう飽きさせない工夫を一生懸命しています」と見所の多さをアピールし、豪華ゲストによる舞台挨拶を締めくくった。

上映後は、スタンディングオベーションが続く中、ゲストが再び登場し、感動は最高潮に。まさに観客と映画スタッフ・キャストとが一体となったオープニング上映は、ゲストによるお見送りまで行われ、台湾に続き大阪で大きな『KANO』旋風を巻き起こした。


また、同日16時からJR大阪駅・大阪ステーションシティ5F「時空(とき)の広場」で、大阪とアジアの映像文化交流を図るレッドカーペットイベント「アジアン スター フェスティバル」が大阪観光局主催で開催され、上記ゲストのほか『KANO』栄誉顧問の王貞治さんなど多数のゲストが登壇し、多くの観客で賑わった。

 第9 回大阪アジアン映画祭は3 月16 日まで梅田ブルク7(梅田)、ABC ホール(福島)、テイジンホール(堺筋本町)、シネ・リーブル梅田(梅田)、シネ・ヌーヴォ(九条)、大阪ステーションシティシネマ(梅田)、プラネット・スタジオ・プラスワン(中崎町)で13の国と地域から世界初上映8 本を含む全43作を上映する。クロージング作品は呉美保監督最新作、綾野剛さん主演の『そこのみにて光輝く』。佐藤泰志さん原作の映画化プロジェクト第2 弾で大阪出身の池脇千鶴さんの熱演も見どころだ。
また、<台湾:電影ルネッサンス2014>と題して1960 年代の台湾語映画『温泉郷のギター』や、台湾最新注目映画を特集上映する。<Special Focus on Hong Kong 2014>では、次代の香港映画界を担う新たな才能を紹介するほか、今年1月に106 歳で亡くなった香港映画黄金期を築いたショウ・ブラザーズ創始者、ランラン・ショウの追悼特集を開催。また、東日本大震災からちょうど3 年が経つ3 月11日には、震災・復興やクリーンエネルギーを考える作品の上映やトークセッションを盛り込んだ<東日本大震災から3年「メモリアル3.11」>を開催する。
常設のコンペティション部門ではアジア映画の若き息吹を感じる全11 作品が並ぶ。
さらに、インディ・フォーラム部門では、第10回CO2助成作品2 作を世界初上映する。
チケットはチケットぴあでの前売り終了後は、各劇場にて順次販売。


詳細は大阪アジアン映画祭ホームページ参照。

http://www.oaff.jp/2014/ja/index.html