3月8日(金)より、梅田ブルク7をはじめ大阪市内の5会場にて開催してきた「第8回大阪アジアン映画祭」が3月17日(日)にクロージングを迎え、リー・ユー監督最新作『二重露光』上映前に、クロージングセレモニーが行われた。
夜中の12時から早朝3時まで国際審査員の高橋陽一郎監督、ツァン・ツイシャン監督、ゾーイ・チェン金馬奨ディレクターが熱い議論を交わした結果、例年の賞に加え、審査員の総意で「スペシャル・メンション」が授与されることになった。受賞結果と審査員コメントをご紹介したい。
★グランプリ(最優秀作品賞)
『親愛』 (Beloved)
中国/監督:リー・シンマン (Li Xinman)(李欣蔓)
<審査員コメント>これは大都会で働くシングルマザーが中国の現在社会の中、キャリアと家庭の間で悩みながらも生きていく様子を描いたものです。そこに日中の歴史に関わる個人的なトラウマも絡ませて、独特の視点で描いています。それと同時に血縁関係を越えた家族愛を優しく、そして強いメッセージとして伝えた形が印象的だったということで選びました。
<受賞者コメント>新人監督である私の処女作を大阪の皆さんと一番最初に楽しめてうれしかった。どの映画にもその宿命があり、この映画も企画から完成まで4年を費やしました。本当に苦労したけれど、その苦労は無駄ではなかったです。もっと努力してより良い映画を作っていきたい。本当にありがとうございます。忘れられない夜になりました。
★スペシャル・メンション
仲代達矢(Tatsuya Nakadai)
『日本の悲劇』(Japan’s Tragedy)主演俳優/日本
<審査員コメント>仲代さんはこの作品で死ぬことを決意する父親役をされました。非常に冒険心と知性の溢れる圧倒的な存在感をもって演じられ、それが大変素晴らしかったです。
★ABC賞
『ポーとミーのチャチャ』(Cha Cha for Twins)(宝米恰恰)
台湾/監督:ヤン・イーチェン(Yang Yi-Chien)(楊貽茜)、ジム・ワン(Jim Wang)(王傅宗)
<受賞者コメント>思いがけず受賞できてうれしい。4日間素晴らしい滞在を作って下さった皆さんに感謝します」(ヤン・イーチェン監督)
(日本語で)よかった!ありがとう大阪!ありがとうOsaka Asian Film Festival!(ジェイムス・シュー・チアハオ プロデューサー)
★来るべき才能賞
ホアン・ペイジア(Huang Peijia)
『ポーとミーのチャチャ』(Cha Cha for Twins)(宝米恰恰)主演女優/台湾
★観客賞
『恋の紫煙2』(Love in the Buff)(春嬌與志明)
香港・中国/監督:パン・ホーチョン(Pang Ho-Cheung) (彭浩翔)