近年非常に勢いのある台湾映画。新しい才能が続々誕生する中、今一度押さえておきたい台湾のみならず世界の映画人に大きな影響を与え続けている巨匠の傑作を一挙集めた『台湾巨匠傑作選~ホウ・シャオシェン、エドワード・ヤン、アン・リー、ウェイ・ダーションの世界~』が、1月17日(土)より第七藝術劇場、1月31日(土)より京都みなみ会館、2月7日(土)より元町映画館で上映される。
『悲情城市』(89)、『百年恋歌』(05)と台湾の歴史から現代台湾までを描き続けるホウ・シャオシェン監督作品は、今回が劇場初公開となる長編デビュー後に発表したオムニバス映画『坊やの人形』(83)、台湾ニューウェーブの代表としてその名を知らしめした『童年往事 時の流れ』(85)、90年代に発表された日本と合作の2作品『憂鬱な楽園』(96)の3本が上映される。
2007年に惜しまれつつ亡くなったエドワード・ヤン監督作品は、遺作であり、カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した家族ドラマの秀作『ヤンヤン 夏の想い出』(00)を上映。
『ブロークバック・マウンテン』(05)、『ラストコーション』(07)、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(12)と今や“ハリウッドで最も成功を収めたアジア人監督”として意欲的な作品を発表し続けているアン・リー監督作品からは、商業映画デビュー作『推手』(91)、ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作『ウェディング・バンケット』(93)、『推手』『ウェディング・バンケット』に連なる“父親三部作”最終章『恋人たちの食卓』(94)の3本を一挙上映。
そして1月24日より最新プロデュース作『KANO〜1931 海の向こうの甲子園〜』が公開、現在の台湾映画界で一番のヒットメーカーであり、日本と台湾の関係を描き続けているウェイ・ダーション監督作品は、1930年、日本統治下の台湾で起きた原住民族による武装蜂起「霧社事件」を描いた、二部構成の歴史大作『セデック・バレ(第一部/第二部)』(11)の2作品を上映する。
また、新作特別上映としてウェイ・ダーション監督が製作を務めた『セデック・バレ』2部作の製作過程で集められたエピソードや、生存する遺族たちの証言、歴史学者へのインタビュー、セデック族発祥の地と言い伝えられている巨石《プスクニ》を探す旅を捉えた興味深いドキュメンタリー、『セデック・バレの真実』(13)もラインナップ。1本たりとも見逃せない必見特集上映だ。
各劇場上映スケジュールはコチラ