日頃なかなか劇場で上映される機会のない中篇作品を集めて一挙上映するキノ・キネマ企画「中篇映画祭2014」が、8月30日(土)から3週間、シネ・ヌーヴォXで開催される。
劇場初公開作では、『モバイルハウスのつくりかた』が大きな反響を呼んだ本田孝義監督の最新作『山陽西小学校ロック教室』(13)。本田監督の母校で、同校出身の〈パンパンの塔〉森内ベースさん指導のもと、小学生が短期間にギターを習い、作詞作曲までして発表するプロジェクトを追うドキュメンタリーだ。また、神戸在住の田中幸夫監督の瀬戸内の小島に近未来の日本の縮図を描く『日本の忘れ物〜塩飽諸島本島物語』(09)も上映される。
野心的な住宅ドキュメンタリー『さようならUR』の早川由美子監督作品から、引き続き住宅問題や住民の交流に焦点を当てたドキュメンタリーが2本上映される。家のない女性たちに家賃月1万円で部屋を提供してきた乙女ハウスの顛末を綴った『乙女ハウス』(13)、東京・善福寺に暮らす人々の百年の歴史を、歌や踊り、お話を交えて映し出す地域映画『踊る善福寺』(14)。同じく女性監督のドキュメンタリー作品として、エンドウノリコ監督『おひとりさまを生きる1+2』(14)も上映、いろいろな暮らし方をしている多年代のおひとりさま女性の姿を切り取っている。
それ以外にも『ソウル・フラワー・トレイン』西尾孔志監督の『おちょんちゃんの愛と冒険と革命』(05)、『にくめ、ハレルヤ!』板倉善之監督の『邪魔するな』(12)、『100万回生きたねこ』小谷忠典監督の『LINE』(08)、広島に住む韓国人と韓国に住む被爆者が語るイトウソノミ監督の『土の記憶』(08)がラインナップ。また、日本写真映像専門学校選として『送り手のいない手紙』(12)、『雅子』(13)も上映予定だ。
また海外の中篇作品も、特別上映される。エドモンド・ヨウ短篇集と題して『残香』(12)、『避けられる事』(10)、『冬の断片』(11)が上映される他、5月に大阪で開催されたマカオ映画祭で好評を博した中篇、『最後の幸福』(14)※『邪魔するな』と併映、『箪笥の中の女』(12)、『城の外』(14)も上映。ドキュメンタリーからフィクションまで、個性豊かな中篇映画をぜひ堪能してほしい。
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