映画祭シネルフレ独自取材による映画祭レポートをお届けします。

2014年2月アーカイブ

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 3月7日より開催される第9回大阪アジアン映画祭コンペティション部門国際審査委員に昨年の東京国際映画祭で最優秀女優賞を受賞、フィリピンを代表する女優のユージン・ドミンゴさん(特別招待部門作品『インスタント・マミー』主演)、『九月に降る風』『星空』(OAFF2012)のトム・リン監督、ドキュメンタリー『老人』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で優秀賞を受賞するなど、国際的に評価されているヤン・リーナー監督(特別招待作品部門『春夢』監督)の三名が選ばれた。
 今年のコンペティション部門では、フィリピンや韓国をはじめ、世界初上映映画を含む全11本が上映され、その中からグランプリ(最優秀作品賞)、来るべき才能賞が授与される。今年は初長編作にして非常に完成度の高い、若き才能あふれる作品が勢揃いしており、賞の行方や国際審査委員の審査にも大いに注目したい。

【コンペティション部門】(11本)
『2014』(インドネシア)
『アニタのラスト・チャチャ』(フィリピン)
『越境』(香港)
『ある複雑なお話』(香港)
『ローラーコースター』(韓国)
『すご~い快感』(タイ)
『もしもあの時』(フィリピン)
『KIL』(マレーシア)
『シフト』(フィリピン)
『サンシャイン・ラブ』(韓国)
『甘い殺意』(台湾)

【コンペティション部門 国際審査委員プロフィール】
ユージン・ドミンゴ(Eugene DOMINGO)フィリピン/女優
フィリピンの映画・舞台女優、コメディエンヌ、司会者。1990年代からキャリアを重
ね、これまで60 本以上の作品に出演してきた。『浄化槽の貴婦人』(11 年、OAFF2012)で数々の女優賞を獲得。『アイ・ドゥ・ビドゥビドゥ』(12 年)OAFF2013 のコンペティション部門で上映。『ある理髪師の物語』(13 年)で第26回東京国際映画祭・最優秀女優賞を受賞。『インスタント・マミー』(13 年)は本映画祭の特別招待作品部門で今回上映。現在、フィリピン映画界で最も活躍している女優の一人である。

トム・リン(Tom Shu-yu LIN/林書宇) 台湾/映画監督
1976 年、台湾生まれ。アメリカと台湾の両国で育ち、カリフォルニア芸術大学で美術の修士号を取得。ツァイ・ミンリャン監督の『西瓜』(05 年)やゼロ・チョウ監督の『TATTOOー刺青ー』(07 年)などに助監督として参加。05 年に『海岸巡視兵』(第2回アジア海洋映画祭in 幕張)を脚本・監督。監督2 作目の『九月に降る風』(08 年)は日本でも劇場公開され、人気作となる。『星空』(11 年)がOAFF2012 の特別招待作品部門で上映され、好評を博した。

ヤン・リーナー(YANG Lina/楊荔鈉) 中国/映画監督
1972年、中国に生まれる。95年に中国人民解放軍芸術学院を卒業。バレエなどに出演し踊る傍ら、演劇や映画にも俳優として参加。ジャ・ジャンクー監督作品『プラットホーム』(00 年)などに出演している。97 年から、インディペンデント・ドキュメンタリー作家として活動し始め、近所に住む孤独な老人の日常を追ったドキュメンタリー『老人』(99 年) を初監督、山形国際ドキュメンタリー映画祭で優秀賞を受賞するなど、国際的に評価されている。本映画祭で今回上映する『春夢』(12 年)は長編フィクション初監督作品となる。