「パリ」と一致するもの

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rome-love-550-1.jpg『ローマでアモーレ』

GIjo-d550.jpg『G.I.ジョー  バック2リベンジ』ジョン・M・チュウ監督インタビュー

~家族で見た楽しい夢をもう一度…~

(原題:G.I. Joe: Retaliation)
(2013年 アメリカ 1時間51分)

監督:ジョン・M・チュウ
出演:ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホン、チャニング・テイタム、レイ・パーク、エイドリアンヌ・パリッキ、D.J.コトローナ

2013年6月7日(金)TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば にて先行上映、6月8日(土)~全国ロードショー

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★大阪城イベントレポートはこちら

★公式サイト⇒ http://www.gi-j.jp/

(C)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved. Hasbro and its logo, G.I. JOE and all related characters are Trademarks of Hasbro and used with permission. All Rights Reserved.



GIjo-4.jpg  話題のメガ・ヒット映画『G.I.ジョー  バック2リベンジ』のジョン・M・チュウ監督(33)が5月31日、大阪市内で来阪キャンペーンを行い、大ヒットへの手応えをうかがわせた。  映画は世界60カ国のインターナショナル週末ランキングで2週連続1位、1億4520万ドル(143億円)をたたきだし、全世界興収3億ドルの前作超えも確実視される。“新生G.I.ジョー”にはブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソンのほか韓国のスーパースター、イ・ビョンホンが出演、東西大スターの壮絶アクション対決が前評判を集めている。
 



―――『G.I.ジョー』続編のオファーを受けた時は?
ジョン・M・チュウ監督:とても興奮した。断れないし恐怖も感じた。だけど、自分に失うものはない、と開き直った。

―――映画より先にマンガやおもちゃが出ているが?
チュウ監督:私も子供の頃からそういうものが好きだった。この映画はカウボーイや忍者などがごっちゃに混ざったものにしたかった。

GIjo-2.jpg―――G.I.ジョーは主に男性に人気がある?
チュウ監督:日本ではイ・ビョンホンが出ているので女性ファンが圧倒的に多い。悪役キャラなのに彼の顔がハートマークになっていた(笑)。スーパーヒーローものだけど、デートでも家族でもいける、みんなが楽しめる映画だと思う。

―――監督は『ステップ・アップ』などのダンス映画を撮っているが、この映画で役に立ったか?
チュウ監督:イエスでもありノーでもある。ダンス映画は音楽や動きなどいろんな要素を入れなければならず、今回も乗り物をはじめいろんなものを映画に入れている。その点では役に立った。だが、アクションはダンスとは別物。今作ではたくさん才能あるスターが出てくれて助かった。

GIjo-1.jpg―――ブルース・ウィリスはどうだったか?
チュウ監督:はじめはビビったけど、素晴らしい人。天才的な才能の持ち主だった。私が首をかしげるような場面でも、見てみたら素晴らしかった。

―――ヒマラヤで大変な撮影をした?
チュウ監督:興奮以上に凄すぎた。あの中で10分間、まったくセリフのないシーンがある。ヒマラヤだけでなく、バンクーバーでも撮ったし、セットでグリーン・スクリーンでも撮った。すべて合わせてうまくいくか、心配だったが“このシーンはイベントになる”。観客が体感したことのないアトラクションになる、と思った。

―――日本映画は見たことがあるか?
チュウ監督:(南カリフォルニア)大学時代に、授業としてクロサワ(黒澤明監督作品)は見た。だけど、最近はこの映画で手一杯で見る時間がない。

GIjo-3.jpg―――過去のハリウッド映画では日本人、アジア人は『ラスト・サムライ』を除いてほとんどが悪役だった。この映画のイ・ビョンホンはもっと重要な役?
チュウ監督:彼の役、ストームシャドーは悪役ではなく、もっと複雑なキャラクター。過去や怒りといった彼の内面を深く掘り下げている。私もアジア系の監督の一人ですが、それ(役柄)は強要するものではない。だが、アジア人への先入観は克服出来るものだと思う。ストームシャドーは日本で訓練を受けているが、忍者ではない。師匠が黒人だし、いろんな要素が混ざっている。言わば、架空の世界の人物だ。この(役柄の)問題は始まったばかりだと思う。

―――これほどの大作を作ったら、もう小さな映画には戻れない?
チュウ監督:大きい映画も小さなものも、物語を作るということでは同じ。ただ、この映画のように、遊べるものが多い方が楽しいのは確か。この続編の話もある。小さな映画にも興味はある。

GIjo-d1.jpg―――監督のライバルは?  また目標としている人は?
チュウ監督:スティーブン・スピルバーグ監督かな。映画はおとぎ話で、それを魔法で観客に信じさせることが出来る。ほかにディズニーも好きだし、スティーブ・ジョブズもマイケル・ジャクソンも素晴らしい。映画監督はストーリー・テラーとして、物語をちゃんと伝えるのが仕事。だからライバルという考え方はしていない。好きで作っているのだから。私にとって映画製作は旅、日記のようなものと思っている。いろんなことを経験して、それを映画に反映させていく。私がどれだけ成長したかをこれからの作品で見てほしい。だから行く先は遠いし、ゴールも特定していない。もっともっと葛藤して中身を充実させたい。語り手としてまだまだ完璧じゃない。次の作品でこのような機会(取材)があればこの話をしてほしい。

―――ゴールを特定していないとしたら、スタート、映画監督になるきっかけは何か?
チュウ監督:子供のころ、家族で映画を見た。大作を見て、新しい世界の体験をした。3日間ぐらい、悩みなど忘れてしまった。映画は人々を幸せに出来る。自分の映画に関連したおもちゃが出来たらうれしい。それでどこかの少年が影響されるのが私のゴールのひとつかもしれない。

(安永 五郎

 

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イ・ビョンホンが大阪ジョーを制圧!!『G.I.ジョーバック2リベンジ』大阪城スペシャルイベント

大阪城天守閣とファン1000人が青色に染まる!

「世界一熱い大阪のファンのみなさん、おおきに!!」

世界最強の刺客イ・ビョンホンが大阪ジョーを制圧!!

 

【大阪城イベント】

2013年5月29日(水)18:30~20:00 大阪城天守閣にて
登壇者:イ・ビョンホン、ジョン・M・チュウ監督、月亭八光(つきていはちみつ)

<取材来場>スチール30台、ムービー20台、記者・マスコミ関係合計100名/集まったファンの人数1000人(応募総数12000通)


 

  『G.I.ジョーバック2リベンジ』が、6月7日(金)よりついに全国で先行公開致します!

GIjo-o1.jpg公開に先駆け、前作に続き悪の組織〝コブラ〟の冷酷な暗殺者・ストームシャドーを演じるイ・ビョンホン(42歳)と監督を務めたジョン・M・チュウ(33歳)が、本作を引っ提げ日本にジョー陸!! 27日月曜日に東京都内で行われたジャパンプレミアに続き、全国4大都市(東京を含む、名古屋、大阪、福岡)を巡る大規模キャンペーンの一環として、ついに大阪にもジョー陸!悪の組織〝コブラ〟のイメージカラーでもあるブルーカーペットをひいてのセレモニー、特設ステージでは忍者が入り乱れてのアクション演出など、ハリウッド超大作に相応しいプレミアイベントが、大阪のシンボル大阪城天守閣前で行われました。

 この日、お昼過ぎに名古屋での舞台挨拶で大村愛知県知事との共演を果たしたイ・ビョンホンとジョン・M・チュウ監督は、イベント後すぐに直線距離で約130kmの移動をして大阪入り。大阪城の天守閣前では史上初めてハリウッド映画のイベント実施という事もあり、応募総数12000通の中から選ばれたファン1000名が集まり、関西ならではの熱気が会場を包んだ。
 

GIjo-o3.jpg ブルーカーペット上に登場したイ・ビョンホンは、都内で行われたジャパンプレミアとは打って変わってベージュのジャケットにタイトなデニムというラフなスタイルで登場し、早朝から待ちわびたファンからは大きな歓喜の声が。サインや写真撮影に丁寧に応じるイ・ビョンホン、ジョン・M・チュウ監督のファンサービス、さらにド派手な忍者演出に会場のボルテージは急上昇。そんな熱気を帯びた会場の特設ステージで舞台挨拶がスタートし、集まった大阪のファンへの印象を聞かれるとイ・ビョンホンと監督は「日本で最も情熱的なファンのいるところ」と答え、熱狂的なファンの熱い歓迎に感動した様子。

大阪城天守閣と、ファン1000人が"青一色"に!!

GIjo-o8.jpg そしてフォトセッション時には謎の“コブラ”スイッチが登場。会場に集まったファンが一斉に青色のペンライトを振り、「ジー!アイ!ジョー!」の掛け声と共にイ・ビョンホンがスイッチを入れると、大阪城がなんとコブラカラーの青色にライトアップされ、<大阪城が大阪ジョー>になった。壮大なその姿にはイ・ビョンホン、ジョン・M・チュウ監督共に驚きの表情を浮かべた。
 

GIjo-o2.jpg さらに先ほどド派手なアクションを披露したスネークアイズがステージに登場。しかし何か違和感が…歩き方もたどたどしく、背も小さい気が?おもむろにそのマスクを外すと、なんと前作からの大ファンで、関西を中心に活躍する月亭八光が。「イ・ビョンホンさん、こんばんは。握手させてもらってもいいですかぁ。」と突然イ・ビョンホンへ近づき、いよいよイ・ビョンホンと握手を行おうかと言うときには会場から大爆笑と悲鳴が起こった。

 大阪らしい演出が飛び出した今回のイベントでは「休むまもなくアクションが続き、スカっと出来る事間違いなし。この夏、大阪のように最も熱い作品です。」と魅力を熱く語って締めくくり、大きな拍手の中で幕を閉じた。


 

GIjo-o4.jpg――― 大阪の街や大阪のお客さんの印象は?
イ・ビョンホン:大阪、おおきに!(日本語で) 何度来ても情熱的な大阪のファンにあえてうれしいです。良い意味でクレイジーな大阪のみなさんが大好きです。
監督:イ・ビョンホンから世界で一番熱いファンのいるところと聞いていたので、そのファンの前にこうして来れて最高だよ。

――― お二人のお気に入りのシーンはどこでしょうか?
イ・ビョンホン:クールで謎めいたストームシャドーのキャラクターが解き明かされます。彼の内に潜む怒りや苦悩などバックストーリーが描かれているから、そこが一番のおすすめだよ。ぜひ楽しんでほしいよ。
監督:ヒマラヤの山腹で忍者が飛び交うシーンだね。しかも3Dだから迫力がすごいんだ。イ・ビョンホンの腹筋が触れるくらい飛び出すからお楽しみに!

――― 日本の皆様へのメッセージをお聞かせください。
イ・ビョンホン:G.I.ジョー バック2リベンジはアクション超大作です。怒濤のアクションに休む暇もありません。そして、熱い夏を吹き飛ばすような爆発や破壊なども随所にちりばめられています。大阪のファンのように熱い作品です。ぜひ劇場で会いましょう。

2013年6月7日(金)より、TOHOシネマズ梅田他にて先行公開!(一部の劇場を除く)

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【作品情報】

G.I.ジョーバック2リベンジ

(原題:G.I. Joe: Retaliation)
(2013年 アメリカ 1時間51分)

監督:ジョン・M・チュウ
出演:ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホン、チャニング・テイタム、レイ・パーク、エイドリアンヌ・パリッキ、D.J.コトローナ

2013年6月7日(金)TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば にて先行上映、6月8日(土)~全国ロードショー

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★公式サイト⇒ http://www.gi-j.jp/

(C)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved. Hasbro and its logo, G.I. JOE and all related characters are Trademarks of Hasbro and used with permission. All Rights Reserved.

    


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(撮影:河田 真喜子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GIjo-b550.jpgイ・ビョンホン、日本のインテリアに興味津々!『G.I.ジョー  バック2リベンジ』舞台挨拶

~イ・ビョンホン、ファンの熱烈声援にエネルギー充電!~

(2013年5月29日(水)TOHOシネマズ梅田にて)

ゲスト:イ・ビョンホン(42)、ジョン・M・チュウ監督(33)

 

(原題:G.I. Joe: Retaliation)
(2013年 アメリカ 1時間51分)

監督:ジョン・M・チュウ
出演:ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホン、チャニング・テイタム、レイ・パーク、エイドリアンヌ・パリッキ、D.J.コトローナ

2013年6月7日(金)TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば にて先行上映、6月8日(土)~全国ロードショー

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GIjo-b1.jpg 例年より早い梅雨入りとなった日本列島に、爽やかな風を吹き込む『G.I.ジョー  バック2リベンジ』出演のイ・ビョンホン(42)とジョン・M・チュウ監督(33)の来日キャンペーン。東京、名古屋に続き、大阪でのイベントに登場。夕方、「大阪城、GIジョー」とダジャレに乗じた大阪城でのイベントの後、梅田の映画館での舞台挨拶が行われた。ゲストのお二人は勿論、取材陣もファンの皆さんも大阪城から梅田へ大移動。10分遅れの登壇となったが、会場のお客様は熱狂的に大歓迎♪  さすが、イ・ビョンホンの人気は桁外れだ。


 

GIjo-b4.jpg――― 最初のご挨拶
監督:皆さんお越し下さいましてありがとうございます。大阪の皆さんに映画を見て頂けてとても興奮しております。皆さん大きな声を出して喜んでおられますが、お水を沢山飲んで下さいね。とても面白い作品ですので、どうぞお楽しみ下さい。
ビョンホン: 「おおきに、大阪の皆さん!」大阪の皆さんにお会いするのは約2年ぶりくらいですね。やはり大阪の皆さんは今でも情熱的ですね(笑)。ちょっとだけ気持ちが沈んで疲れていたのですが、皆さんにお会いしてまたエネルギーが充電できたような気がします。本当に熱い声援をありがとうございます。
 

GIjo-b2.jpg――― 「おおきに」という日本語はどなたから習いましたか?
ビョンホン:以前、大阪のファンの皆様とお会いする機会があったのですが、その時にスタッフから教えてもらいました。

――― 嬉しいですね~。さて、この映画のお気に入りのシーンは?
ビョンホン:私が忍者の役で出ているから言う訳ではありませんが、本当に圧巻のシーンですので紹介したいと思います。それは、ヒマラヤ山脈を背景に多くの忍者が岩壁でロープを使って戦うシーンです。是非3Dで見られるのをお勧めいたします。この映画の原作は数十年間多くのファンに愛されてきた漫画なんですが、多くのキャラクターが登場して、それぞれ戦い方が違うんです。そのアクションを比べながらご覧になると、より楽しめると思います。
 

GIjo-b3.jpg――― スティーブン・ソマーズ監督からバトンを引き継いでプレッシャーもあったと思いますが、特に気を遣った点やこだわった点は?
監督:この仕事を頂いた時、母が喜んでくれるかと思い伝えた処、母はただただイ・ビョンホンさんに会えることに興奮していました(笑)。今回本当に楽しい経験をさせて頂いたのですが、クレイジーな凄い作品になっています。またイ・ビョンホンさんからも多くのことを学びました。彼の素晴らしい演技によるストームシャドーをお楽しみ下さい。
 

 

GIjo-bb1.jpg――― 日本の印象は?東京とか京都とか大阪とか観光する時間はありますか?
ビョンホン:なかなかプライベートな時間は持てませんが、それでもいいレストランやバーなどへ行く事ができました。私は元々インテリアに興味がありまして、日本に来ると綺麗なインテリアを見る事ができるので、どこに行っても、まずインテリアに注目して一所懸命見てしまいます。

――― 大阪で食べた中でお気に入りの物とか、行ってみたい所とかは?
ビョンホン:大阪では美味しい物を食べに行く時間がないので、いつもお好み焼きやたこ焼を食べています。時間があればお好み焼きやたこ焼き以外の美味しい物を食べに行きたいと思います。

――― ファンの皆さんも教えてあげて下さいね。(客席から、「串カツ!」の声があがる。)
ビョンホン: 「串カツ」?(笑)

――― 新世界とイ・ビョンホンさんは似合いますかね?(客席から微妙な反応…) さて、監督から「ここは見逃さないでほしい!」という処がありましたら教えて下さい。
監督:戦車で格闘するシーンや、ブルース・ウィリスさんやドウェイン・ジョンソンさん、イ・ビョンホンさんなどが登場するシーンなどです。特に、皆さんにはイ・ビョンホンさんの鍛え上げた素晴らしい肉体を見て欲しいですね。今回は3Dなので、6(シックス)パックが3倍の18パックになるのではと思われます(笑)。さらに、3Dですから、アクションに対し、除けながら見て下さいね(笑)。

――― 冒頭のシーンから、イ・ビョンホンさんが真っ白な衣装をパッと脱ぐシーンがありますのでお楽しみに。
(観客:興奮気味に「え~!!!」)

……(イ・ビョンホンと監督がバックパネルにサインを書く。)……

GIjo-bb3.jpg――― イ・ビョンホンさんから最後のご挨拶を。
ビョンホン:今日はお忙しい中お越し下さいまして、本当にありがとうございました。短い時間でしかご挨拶できずに残念です。でも、こうして来て頂いた以上は映画をご覧頂きたいです。今度いつ大阪に来られるか分かりませんが、出来るだけ早く大阪に来る時間を作りたいと思います。この映画は壮大なアクションでエキサイトできる映画ですので、どうか周りの男性の方にもオススメ頂きたいと思います。どうか楽しんでご覧下さい。ありがとうございました。
 


 

GIjo-bb2.jpg 大阪城での1時間半に及んだイベントに続いて梅田の映画館での舞台挨拶。確かに、大阪城でのイベント後半では少々お疲れ気味のイ・ビョンホンさん。映画館でのファンの熱狂的な「ビョンホンシー!!!」コールにエネルギーをもらったようで、いつものキラースマイルが戻っていた。ビョンホンファンの絶叫に近い歓声に、チュウ監督もびっくりして興奮気味。帰り際、ファンから差し出されたビョンホンうちわを監督が手に取り、「どうしてボクに?」と不思議そうな表情で会場を後にしていた。

(河田 真喜子

Itaria2013-500.jpg『イタリア映画祭2013』13作品一挙紹介

『イタリア映画祭2013』開会式と作品紹介

開会式-550-2.jpg(左から、ジュゼッペ・バッティストン(俳優)、カルロッタ・クリスティアーニ(編集)、ジュゼッペ・ピッチョーニ監督、フェルザン・オズペテク監督、エドアルド・ガッブリエッリーニ監督、イヴァーノ・デ・マッテオ監督、ダニエーレ・チプリ監督)

①『イタリア映画祭2013』東京

会期:4月27日(土)~29日(月・祝)
    5月3日(金・祝)~ 6日(月・休)
会場:有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1 マリオン11階)

②『イタリア映画祭2013』大阪

会期:5月11日(土)~12日(日)   
会場:ABCホール(大阪市福島区福島1‐1‐30)

★ 座談会の模様は⇒ こちら

★『赤鉛筆、青鉛筆』ジュゼッペ・ピッチョーニ監督トークは⇒ こちら

★『それは息子だった』ダニエーレ・チプリ監督トークは⇒ こちら

公式サイト⇒ http://www.asahi.com/italia/2013/
 


 

 今年で13回目を迎える「イタリア映画祭」。4月27日午後6時から開会式が行われ、上映作の監督5人と編集者1人、出演者1人が登壇した。今年は東京で13本、大阪では7本上映される。移民問題を扱った作品が多かった昨年に比べ、今年は経済格差による犯罪や家族問題を扱った作品が目立った。中でも、『素晴らしき存在』『それは息子だった』『赤鉛筆、青鉛筆』『家の主たち』『司令官とコウノトリ』など、イタリアならではの様々なテーマを個性豊かにとらえた作品は目を引いた。それは、作品毎にカメレオンのごとく変化する巧みな俳優たちと、狂気や希望、悲哀、情愛など、鋭い洞察力で人間を深く見つめた作り手の表現力によるところが大きい。

以下は、鑑賞した13作品を少しご紹介したい。ゲストによるトークショーの模様は、順次紹介予定。


【作品情報】

『素晴らしき存在』フェルザン・オズペテク監督(大阪では、5/11(土)12:30~)
  2012/105/Magnifica presenza (Ferzan Ozpetek)

『それは息子だった』 ダニエーレ・チプリ監督(大阪では、5/12(日)13:40~)
  2012/90/
È stato il figlio (Daniele Ciprì)

『司令官とコウノトリ』シルヴィオ・ソルディーニ監督
  2012/108/Il comandante e la cicogna (Silvio Soldini)

『家の主たち』エドアルド・ガッブリエッリーニ監督
  2012/90/Padroni di casa (Edoardo Gabbriellini)

『日常のはざま』 レオナルド・ディ・コスタンツォ監督
  2012/90/L
intervallo (Leonardo Di Costanzo)

『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督
 (大阪では、5/11
(土)17:50~)
  2012/129/Romanzo di una strage (Marco Tullio Giordana)
『綱渡り』イヴァーノ・デ・マッテオ監督
  2012年/100分/Gli equilibristi (Ivano De Matteo)

⑧ 『天国は満席』カルロ・ヴェルドーネ監督/2012年(大阪では、5/12(日)18:20~)
  119分/Posti in piedi in paradiso (Carlo Verdone)
『赤鉛筆、青鉛筆』ジュゼッペ・ピッチョーニ監督(大阪では、5/12(日)11:00~)
  2012年/98分/Il rosso e il blu (Giuseppe Piccioni)

⑩ 『家への帰り道で』エミリアーノ・コラピ監督
  2011年/83分/Sulla strada di casa (Emiliano Corapi)

『ふたりの特別な一日』フランチェスカ・コメンチーニ監督
 (大阪では、5/11(土)15:20~)
  2012年/89分/Un giorno speciale (Francesca Comencini)

⑫ 『来る日も来る日も』パオロ・ヴィルズィ監督(大阪では、5/12(日)15:55~)
  2012年/102分/Tutti i santi giorni (Paolo Virzì)
⑬ 『リアリティー』マッテオ・ガッローネ監督
  2012年/115分Reality (Matteo Garrone) 特別上映作品

 

 


 


~イタリアにトリップしてナマな現実に触れる~ 
 

 多様なジャンルの映画13本が上映された。うち12本が2012年製作で,残り1本が2011年製作だ。総じて,イタリアの経済危機を反映し,生活に苦しむ人々の姿が様々な角度から捉えられていた。悲惨さを強調するのではなく,希望を見出そうとする姿勢がある。イタリアは,ルネサンスの国であり,オペラ発祥の地であると痛感させられる。人々の心情を表現する方法に長けているからだ。ドラマ構築と映像表現の妙を堪能できる映画祭だった。

 

subarasiki-1.jpg① 8人の幽霊たちがピエトロにとって『素晴らしき存在』となる。虚実入り混じる人生を可視化しデフォルメしたような映画だ。人々は限られた時間の中で精一杯の演技をする。真実を隠すためであったり真実を追求するためであったり,目的は様々だ。1943年に演じられなかった舞台が時を超えて2012年に実現する。それを客席で見ているピエトロの表情は悲喜こもごもの人生を映す鏡のようだ。そのとき流れるエンディング曲と共に心に残る。

musuko-1.jpg② 役立たずと言われた息子が20歳ころの体験を語る。『それは息子だった』はコメディのような悲劇だ。カリカチュアされた人物がコミカルでありグロテスクでもある。閉塞感の漂う世界で,死が唐突に訪れる。父親が娘を失うシーンのモンタージュが時代を超えて迫ってくる。息子を失った祖母が憑かれたように発する言葉が矢のように突き刺さる。それは家を守るための悲壮な決断だった。逃れられない悲喜劇を描くオペラを観た感覚が残る。

sireikan-1.jpg③ 過去から現在を俯瞰して嘆きながら,そんな現在もまだ捨てたものではないと希望を感じさせる。『司令官とコウノトリ』は様々な人間模様が巧みに配置された魅力的なコメディだ。出自,民族,宗教その他の属性を超えて人々は手を携えていける。その媒介役がコウノトリのアゴスティーナだ。彼女は軽々と国境を超える。5年前に死んだ妻の幽霊が夫を支えるように現れるのも微笑ましい。リズミカルで起伏に富んだ編集の妙に乗せられる。

ienusi-1.jpg かつて見たことのない花火が強烈な印象を残す。『家の主たち』のラストで花火が砕け散る。優美に舞い散る儚さや幻想的で幽玄な世界からは程遠い。その発端を特定するのは難しい。ローマから来た2人の兄弟が小さな町の人々の心に微妙な影響を及ぼしたことは確かだ。静かな水面に石が落ちて波紋が広がる。恐怖,不安,憎悪,誤解等が連鎖し絡み合っていく。保護種のオオカミを撃った一発の銃声が何発もの花火の爆発音に増幅される。

nichijou-1.jpg⑤ サルヴァトーレ17歳は見張らされ,ヴェロニカ15歳は見張られる。この2人がナポリの廃墟となった建物で『日常のはざま』の短い時間を共有する。実際に精神病院だった建物で撮影されたという。人々の苦しみを宿しているような独特の雰囲気が漂う。少女は一度外へ出るが再び塀の内側へ戻って涙ぐむ。希望を見出せない社会とそこから逃れられない自分。シェフになる夢を持つ青年は日常へと戻っていく。2人はこの日を決して忘れない。

fonta-1.jpg⑥ 1969年12月12日16時47分,ミラノのフォンターナ広場で爆弾テロが発生した。その捜査を担当した刑事カラブローゾを軸として事件の真相に迫る。『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』は,靄が掛かったような当時の社会情勢を映したかなり重い社会派映画だ。彼は内務省のダマートと「爆発は2つ,犯人は2人」という仮説を語り合う。背景には当時の冷戦構造が見えてくる。だが,刑事の非業の死に象徴されるように真相は闇に葬られる。

tunawatari-1.jpg 平穏な人生を送っていると思っていても実は綱渡り』をしているのかも知れない。ジュリオは,妻と子2人との家族生活のバランスを崩し,どんどん落下していく。いくら頑張っても事態は好転せず,プライドも保てなくなっていく。カメラは,彼の外見の変化と同時に,変貌していく内面を追い続ける。その中で,父を慕う16歳の娘カミッラの存在が活きている。ジュリオの哀れさと痛みを際立たせるが,最後には救いを感じさせてくれる。

tengoku-1.jpg 天国の席を確保したいが『天国は満席』で立見席しかないかも。それでも今生きていること自体が幸せだ。かつて羽振りの良かった中年男3人がルームシェアして,妻子への仕送りに追われ,ポケットは空っぽの生活を送る。典型的なイタリア式コメディだ。イヤフォンで聴診しようとする女医も絡んで抱腹絶倒。17歳の娘の妊娠が契機となって,割としっとりと着地する。最後に舞台もローマからパリへ。収まるところに収まるのが運命だ。

enpitu-1.jpg 一口でペンと言っても色や形は様々で,使う人も違っている。原題が“赤と青”の『赤鉛筆,青鉛筆』では,生徒の一人サフィラの「私のペンを返して」という台詞が印象に残る。学校という限られた時間と場所でも,生徒と教師が互いの人生に影響を与え合うには十分だ。補助教員はアンジェラを信用できなかった自分を苛み,校長はブルニョーリに母性を喚起され,老教師はエレナに精気を吹き込まれる。3組とも変わったのは教師の方だ。

ieheno-1.jpg アルベルトが妻子らの待つ『家への帰り道で』抜き差しならない状況に陥る。スクリーンには追い詰められた不安と焦燥が満ちている。穏やかで安らぎのある家庭のイメージと握り締めた忘れな草のエピソードが彼の誠実さを物語る。要領良く立ち回れず,自ら破局を招いた。彼と同じ立場のセルジョの選択に希望が見えるが,息子の前で強がって見せる姿が哀しい。踏み潰す価値もないと吐き捨てるように言われても,我が道を進むしかない。

futarino-240.jpg 女優を目指すジーナが母の縁故で代議士に会いに行く。途中,ハイヤー運転手マルコと『ふたりの特別な一日』を過ごすことになる。浮かない表情の彼女はハイヒールをズックに履き替えて元気を取り戻す。ローマの中心部を疾走しながら,万引した高級ドレスを放り上げる。だが,スカーレットのように「明日は明日の風が吹く」と強くは生きられない。ヘンデルのオペラ「リカルド」の“私を泣かせて下さい”が絶妙のタイミングで流れる。

kuruhimo-1.jpg 同棲中の2人は知り合って6年になる。グイドは夜勤を続け,アントニアは昼間働いている。対照的な2人だが,すれ違うことなく『来る日も来る日も』愛情に包まれていた。体外受精を試みる過程がコミカルに描かれた後,突然アントニアが姿を消す。懸命に彼女を探すグイドを見ていると,無性に2人の馴れ初めを知りたくなった。その後には洒落たエンディングが用意されている。これから始めるのだと力強く宣言するようで素晴らしい。

riarity-1.jpg 幻想に溺れて『リアリティー』を失っていくルチャーノの姿がリアルに描かれる。ナポリをメルヘンチックな馬車が走るオープニングで,ファンタジックな中に不安を呼び起こすような音楽も効果的だ。TV番組に出て大金を掴む夢に取り憑かれる。妻と子3人の生活を何とか支えてきた人生で初めてのチャンスを逃すまいと,狂気の中に突き進む。幻覚を見ているような眼差しが不気味で,自分だけの世界に静かに横たわる姿に胸を突かれる。

(河田 充規)

公式サイト⇒ http://www.asahi.com/italia/2013/

 

 

belami-550.jpg『ベラミ 愛を弄ぶ男』

H&D-550.jpg『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』

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『ベルヴィル・トーキョー』エリーズ・ジラール監督インタビュー

(原題:BELLEVILLE TOKTO)
(2011年 フランス 1時間15分)
監督:エリーズ・ジラール\
出演:ヴァレリー・ドンセッリ、ジェレミー・エルカイム

★東京:渋谷シアター・イメージフォーラム⇒2013年3月30日~5月10日
『フレンチ・フィーメイル・ニューウェイブ』上映スケジュール⇒http://mermaidfilms.co.jp/ffnw/schedule.html

★大阪:梅田ガーデンシネマ⇒2013年4月20日田ガーデンシネマサイト⇒ http://www.kadokawa-gardencinema.jp/umeda/
『フレンチ・フィーメイル・ニューウェイブ』公式サイト⇒ http://mermaidfilms.co.jp/ffnw/

★5月16日(土)~京都みなみ会館にて公開

(C)Paolo Woods


 

~男の嘘を見抜く時、女は空っぽの心と決別する~

 

bel-2.jpg 妊娠を機に心が離れてしまった夫と別れを決意するまでの妻の心の軌跡を描いた『ベルヴィル・トーキョー』。冒頭、「他に好きな女がいる」と言い放った夫ジュリアンを駅のホームで悲痛な表情で見つめる妻マリー。夫婦という親密な時を過ごした2人の関係が破綻した瞬間である。その後男は心を入れ替え、「僕も父親になりたい」と言って女の元に戻るが、次第に大きくなるお腹と共に募る夫への不信感。愛が失せたと実感する瞬間、瞬間を細やかに捉えた映像は、グレイッシュな冬の光がマリーの孤独を際立たせるように美しく映えて秀逸。

 主演は、昨年公開の『私たちの宣戦布告』で、自らの体験を基に、子供の難病に向き合った夫婦をスタイリッシュでパワフルに描いたヴァレリー・ドンセッリとジェレミー・エルカイム。元夫婦ということで、これ以上はないキャスティングである。監督は、“シネフィル”を尊重するエリーズ・ジラール監督。本作が長編デビュー作となる。


 

 bel-s1.jpgお花見にはまだ遠い春の嵐が吹き荒れる3月半ば、キャンペーンのため来日したエリーズ・ジラール監督は、初来日ということもあって京都観光の前に来阪し、インタビューに応えてくれた。折り紙で鶴を折ってくれる11歳の息子がいるという。主演のヴァレリー・ドンセッリとジェレミー・エルカイムの息子と同じ歳だ。監督自身が妊娠している時もシングルだったそうだが、この映画の主人公マリーとは違って、「愛の決別」という切羽詰まった状況ではなかったという。それにしても、妻の元から逃げるように心が離れてしまう夫の様子が、マリーの目を通して実感できる、ある意味怖い映画である。


 

――― 劇中『イノセント』が使われているが、ルキノ・ヴィスコンティは好き?
大好き! 彼のエレガントな世界観で描かれる人間ドラマが好きです。

――― 『イノセント』には子供を殺すシーンがあったが、夫ジュリアンが意図的に選んだのか?
それほどはっきりと意図したものではないが、彼は子供は要らないという気持ちであることを表現したかったのです。

bel-4.jpg――― マリーがジュリアンとの決別を決意するまでを描いているが、マリーの心の変化をポイントポイントで表現したシーンが素晴らしかった。特にバス停のシーンとか、ベルヴィルで彼を発見するシーンとか。これらは経験から?
それらのシーンは、映画が持っている大きな特質だと思って下さい。何を描くか、その意図が濃密に集約しているのが映画のシーン作りだからです。だらだらと流れる日常を集約すると、こうしたシーンが生まれたのです。映画が成功するかどうかは、場面にメリハリを付けることが大事です。転換シーン毎に濃密なシーンを表現することが映画の基本だと考えています。

――― 監督と女優としての視点の違いは?母親としての仕事のやり方に違いは?
監督としても女優としてもビジョンの違いはそうは無いように思います。自分が母親になって何が変わったかというと、まず時間効率を考えるようになりました。子育てはとても時間がかかるので、以前より物事をダイナミックに効率良く動くことを考えるようになりました。

――― ヴァレリーさんも子供のスケジュールに合わせて仕事をするようになったと仰ってましたが?
私自身も子供の時間割に合わせて自分の仕事を調整するようになりました。以前は、シナリオを書くにしてもインスピレーションが浮かんだらいつでも書くというようなライフスタイルでしたが、今では子供が8時半に学校へ行くので、8時45分からシナリオを書く、という時間割を決めています。その分エネルギッシュになってきて、子供に時間をとられる分、どこかで時間調節しなければならないので、効率的になってきました。

bel-3.jpg――― 映画館の事務所で、マリーがふて腐れて悪態ついているシーンがとても面白かったが、あのシーンは笑いを狙っていたのか?またその理由は?
あのシーンは笑ってもらおうと考えいてました。悲劇的なシリアスドラマであっても「笑い」という味付けがあってもいいと思います。電話が鳴っても誰も出ない。あのぶっきら棒な態度がいい。従順な人より、そうでない人の方が好きなんですよ(笑)。

――― 曇り空などの光の具合がとても美しいと思ったが…デジタル化についてどう思う?
撮影監督がレナート・ベルタという世界でもベストテンに入るような人で、最も信頼できるキャメラマンです。初めてデジタルを取り入れた人でもありますが、彼が撮るデジタル映像は素晴らしく、私自身はデジタルは大嫌いですが、彼の映像は大好きなんです。フランスではもうフィルム上映できる映画館がないので、仕方なくデジタルを使用しています。デジタル映像は完璧すぎて、画像としての魅力に欠けます。フィルム映像はデジタルとは比較にならない程素晴らしいと思っています。

bel-s2.jpg――― 衣裳・カラーについて?
最初は衣裳係に依頼して揃えてもらったのですが、実際には現場で私が選んでいました。主人公マリーにはあまり目立つような恰好は合わないと思ったので、衣装だけが浮いて目立つようなことはしたくなかったのです。そこで、主人公マリーの心情とヴァレリーとの統一感を出すために、ヴァレリーと私のワードローブの中から選んで着たものもあります。エレガントでちょっとファッショナブルな感覚が出せたらいいなと思ってそうしました。


 

 桜色のスカーフをプレゼントしたら、早速首に巻いて、ニコニコしてインタビューに応えてくれたエリーズ・ジラール監督。そのキュートなイメージとは違って、表面的なスタイルより、「何を描くか」という本質を踏まえた、厳しい映像作りをしている。無駄なものを削ぎ落としたような人物像は、心情を端的に捉えて分かりやすい。シンプルな造形の中にも、彼女ならではのこだわりの映像美学が見て取れる作品となっている。パリはカルチェラタンにある名画座系映画館で働いていた経験もあり、とにかく世界中の映画をよく見ている映画ツウでもある。

(河田 真喜子)

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