「パリ」と一致するもの

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 ↑ UKプレミアイベント時、実物の「ウェリントン公爵」と一緒に写るヘレン・ミレン)

 

アカデミー賞®受賞製作チーム『ジュディ 虹の彼方に』『クィーン』
×
ロジャー・ミッシェル監督『ノッティングヒルの恋人』

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一家の大黒柱として家計を支える、献身的な妻を熱演

ヘレン・ミレン インタビュー映像到着!!

「彼女を通して現実的な人間の声も聞いてほしい」  


「世界屈指の美の殿堂」と称えられるロンドン・ナショナル・ギャラリー史上唯一にして最大の盗難事件の真相を描いた驚きの実話、映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』。このたび、本作に出演するヘレン・ミレンのインタビュー映像が到着した。

★ヘレン・ミレンのインタビューはこちら
 



goyadoro-pos.jpg1961年、ロンドン・ナショナル・ギャラリーからゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)。テレビに社会との繋がりを求めていた時代に、孤独な高齢者の生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が…。


『クィーン』の英国君主エリザベス女王、『RED/レッド』シリーズでは元凄腕の殺し屋、『ワイルド・スピード』シリーズではカーアクションもこなし、御年76歳にして年齢を感じさせない活躍を見せるヘレン・ミレンだが、これまでの華麗でクールなイメージから一転、本作では夫ケンプトンに代わって家計を支える献身的な妻ドロシー役を演じている。


今回届いたインタビュー映像では、映画が実話であることに触れ、本作の魅力を「くすりと笑ってもらえるわ。この映画に流れるユーモアは優しくて、思いやりの行動からにじみ出ているものだからよ。物語にも登場人物にもハマってしまうと思うわ」とアピール。


goyadoro-500-1.jpgのサムネイル画像自身の役どころについては、「ドロシーはバントン家の経済を支える大黒柱なの。夢を追い続ける夫のせいで彼女の人生は苦労が多い」「現実的で地に足をつけて生きている」と説明。続けて「誰もが夢を持つし悪いことじゃないわ。でもお金がなければ電気代も払えず日々のパンも買えないでしょ。映画の冒頭では家族の経済は瀕死の状態。逼迫しているの。彼女を通して現実的な人間の声も聞いてほしいわ」と訴えた。


goyadoro-500-7.jpgケンプトンが訴える年金生活者の受信料無料化にも言及。「BBCは有料で、しかもテレビは貴重だった。私もテレビのない家に育ったわ。一部の家庭でしか見られなかった」と当時を振り返り、「興味深いのは昨日もニュースになっていたことね。今でも受信料の問題が取り上げられているの。ケンプトンが主張していたのとまったく同じだったわ。老齢者には無料にすべきだって今だに議論されてるのよ」と本作が現代にも繋がる話であることを強調した。


goyadoro-500-2.jpg主演のジム・ブロードベントとの共演については、「私たちは老いた夫婦役だけど、長年連れ添った雰囲気が観客に伝わらないと元も子もないわ。夫婦の関係がごく自然に見えないとね。ジムが相手役だからすんなり入れたわ。全く苦労せずにね」と語り、「『インクハート』という作品で共演したくらいだったけれど、この作品で知り合え共演できたのは嬉しいわ」と再会を喜んだ。


ロジャー・ミッシェル監督の長編遺作となる本作。ミッシェル監督作への出演は初めてだというミレンは「面白いことに気づいたんだけど、彼が描くのを得意とする人物はとても彼自身に似ているの。紳士的で優しくてユーモアがあるし、すばらしい人生哲学を持っているところなどね。現場での彼のやり方を見てそれが分かったわ」と明かし、「とにかくとても穏やかで楽しい現場で、よく笑ったしすばらしい雰囲気だったわ。ストレスは皆無だった。彼の持つ人柄が登場人物と重なって見事に融合していたと思う」と撮影を振り返った。
 


【PROFILE】ヘレン・ミレン   1945年7月26日、イギリス・ロンドン生まれ。

ナショナル・ユース・シアターで舞台女優としてキャリアをスタート、その後ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに所属し多くの作品で主演を務める。1969年にマイケル・パウエル監督の『としごろ』で映画デビューを果たす。『長く熱い週末』(80)で注目を集め、『キャル』(84)、『英国万歳!』(94)で2度カンヌ国際映画祭の女優賞に輝く。また、91~06年に渡って放送されたテレビシリーズ「第一容疑者」のジェーン・テニスン役でも知られ、英国アカデミー賞主演女優賞に輝くなど高い評価を得た。エリザベス2世を演じた『クィーン』(06)では、アカデミー賞やゴールデングローブ賞はじめ数々の賞で主演女優賞を受賞。近年も『黄金のアデーレ 名画の帰還』(15)や『ワイルド・スピード』シリーズなどジャンルを問わず幅広い作品に出演している。03年に大英帝国勲章を受勲し、デイムの称号を授与された。


【STORY】

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世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは−!?


監督:ロジャー・ミッシェル『ノッティングヒルの恋人』『ウィークエンドはパリで』
出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グード
後援:ブリティッシュ・カウンシル 配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2020年/イギリス/英語/95分/シネマスコープ/5.1ch/原題:THE DUKE /日本語字幕:松浦美奈
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020

公式HP:happinet-phantom.com/goya-movie/

公式Twitter:@goya_movie

作品紹介はこちら⇒

2022年2月25日(金)~TOHOシネマズ シャンテほか全国公開


(オフィシャル・レポートより)

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アカデミー賞®受賞製作チーム『ジュディ 虹の彼方に』『クィーン』

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ロジャー・ミッシェル監督『ノッティングヒルの恋人』

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ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、

フィン・ホワイトヘッド、マシュー・グードら英国俳優が集結

 

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『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督長編遺作で、オスカー俳優ジム・ブロードベント×ヘレン・ミレン共演の映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』(2月25日(金)全国公開)。本作で描かれる「ウェリントン公爵」盗難事件の舞台となる<ロンドン・ナショナル・ギャラリー>でのプレミアイベントが開催されました。


世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃え、197年の歴史を誇る〈ロンドン・ナショナル・ギャラリー〉。本作は、1961年、この“世界屈指の美の殿堂”で起きたフランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件に基づいた驚きの実話で、名画で世界を救おうとした男が人々に優しく寄り添う姿を描いた爽やかな感動作となっている。


イベントには、主演のジム・ブロードベント、ヘレン・ミレンをはじめ、フィン・ホワイトヘッド、アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グードら主要キャストが集結。御年76歳のヘレン・ミレンは、深紅のドレスに身を包み、年齢を全く感じさせない美しさを見せつけた。


goyadoro-premia-500-1.jpgレッドカーペットでは、夫婦役を演じたブロードベントとミレンが劇中のシーンを真似て、ダンスを披露。また、展示室に飾られる「ウェリントン公爵」の前でポーズをとる様子も。英国が誇る名優が揃う、華やかなイベントの幕開けとなった。


goyadoro-550.jpgのサムネイル画像惜しくも昨年9月に逝去したロジャー・ミッシェル監督の長編遺作となった本作。過去に『ウィークエンドはパリで』でもミッシェル監督とタッグを組んでいるブロードベントは、「彼はすばらしい監督だった。最も好きな監督とも言える。彼の作品には2本出演して、今後も繰り返し組めることを願っていたんだけどね」とコメント。「彼なしでは実現しなかった作品だ。彼は現場で常にハッピーで、不安やストレスも抱えていなかったし、とても計画的な人間だった。さらに思いやりがあり、クリエイティブで、ユーモアのセンスにも富んでいた。彼はキャスティングに長けていて、人選が完璧だから、リハーサルで苦労することがなかったんだ。今回は脚本が特に優れていたから、僕たちは脚本を信じて、それに従うだけだった。ロジャーはこの作品をとても大切に扱っていたし、誇りに思っていたはずだ」とミッシェル監督の手腕を称えた。


goyadoro-500-1.jpg『クィーン』での英国女王から一転、本作ではエプロン姿の家政婦に扮したミレンは、記者の「これまで演じてきたタイプの役ではないのでは?」という質問に対して、「全然そうとは思わない。役者はあらゆる人物を演じるものだからよ。ドロシーという人間を私は理解できた気がする」と一蹴。本作の魅力について、「とにかく脚本に惚れたの。これがすばらしい作品だということは、ページ全体から伝わってきた。登場人物もみんな魅力的だし、心温まるストーリーだしね。私はこの出来事を知らなかったけど、実話に基づいているということは、この作品にとって重要な要素だと思う」と語った。


goyadoro-500-10.jpg現在24歳、『ダンケルク』での主役大抜擢以降、益々の活躍が期待されるホワイトヘッドは、英国が誇る名優ブロードベントとミレンとの共演について「この上ない経験だった。演じている時はもちろん、一緒にいるだけでも刺激になるんだ。2人とも心優しくて、誰に対しても親切だし、特に若手俳優である僕には寛大だった。僕は2人から何かを学び取ろうと、常に必死だったよ」と振り返った。また、「この作品は社会全体が一体となり、互いに支え合い、助け合う重要さを伝えている。それは今の世の中にとって大切なメッセージだと思う」と本作への思いを語っている。
 


【STORY】

世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは−!?


監督:ロジャー・ミッシェル『ノッティングヒルの恋人』『ウィークエンドはパリで』
出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グード
後援:ブリティッシュ・カウンシル 配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2020年/イギリス/英語/95分/シネマスコープ/5.1ch/原題:THE DUKE /日本語字幕:松浦美奈
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020

公式HP:happinet-phantom.com/goya-movie/

公式Twitter:@goya_movie

作品紹介はこちら⇒

2022年2月25日(金)~TOHOシネマズ シャンテほか全国公開


(オフィシャル・レポートより)

 
 

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アカデミー賞®受賞製作チーム『ジュディ 虹の彼方に』『クィーン』
×
ロジャー・ミッシェル監督『ノッティングヒルの恋人』


オスカー俳優 ジム・ブロードベント『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
×
ヘレン・ミレン『クィーン』


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これがヘレン・ミレン?! 英国女王から、エプロン姿の家政婦に!

「40歳以上で最もおしゃれなイギリス人セレブ」ランキング1位の

御年76歳のオスカー女優の変貌ぶりが話題に!

 

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名優ジム・ブロードベントとヘレン・ミレン共演、ロジャー・ミッシェル監督長編遺作となる映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』が2月25日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開致します。この度、掃除婦姿のヘレン・ミレンの追加場面写真と、ヘレン本人と、ミッシェル監督のコメントも解禁されました


『ハリー・ポッター』シリーズや『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』の名優ジム・ブロードベントと、『クィーン』でオスカーを受賞したヘレン・ミレン共演の映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』。この度、かつて演じた英国女王から一転、家政婦に扮したヘレン・ミレンの場面写真が解禁となる。


本作は、1961年、ロンドン・ナショナル・ギャラリーで起きたゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件を基にした衝撃の実話。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)。TVに社会との繋がりを求めていた時代、孤独な高齢者のために盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。


goyadoro-helen-500-2.JPGこれまで『クィーン』では英国君主エリザベス女王、『RED/レッド』シリーズでは元凄腕の殺し屋、『グッドライアー』では最恐の悪女を演じ、『ワイルド・スピード』シリーズではカーアクションもこなし、Damart社が実施した英国人が選ぶ「40歳以上で最もおしゃれなイギリス人セレブ」ランキングは堂々の1位を飾る、御年76歳にして年齢を感じさせない活躍を見せるヘレン・ミレン。そんな彼女が本作で演じたのは、ケンプトンの長年連れ添った妻・ドロシー役。職を転々とするケンプトンに代わって、家政婦として働く一家の大黒柱的存在だ。今回解禁となった場面写真では、エプロン姿で掃除機をかけ、スポンジで暖炉を磨き、雇い人のドレスの着替えを手伝う、これまでヘレンのイメージを覆す姿が収められている。


goyadoro-helen-500-1.JPGヘレンは、脚本と自身の役どころについて「愛情あふれる脚本に魅せられました。私は60年代という時代も大好きなんです。私が演じたドロシーという女性は地に足が付いた人。夫のケンプトンは夢想家だけど、いろいろな意味でとても献身的で勇気がある人だと思います」と明かし、続けて「ケンプトンだけでなく、ドロシーの態度も見習うべきですよね。夢を見るのはとてもいいことだけど、月々の支払いは待ってくれないから(笑)。だから、現実的な生活をしている人たちの声も聞くべきなんです」と語っている。


goyadoro-dorosy-240.JPGケンプトンに関する情報はたくさんあったが、脚本とドロシーの1枚の写真(※右写真参照)だけで役作りをしなければならなかったヘレンは、その写真を見て、キャラクターになりきるためには肉体的な改造が必要だと感じたという。昨年9月に逝去したロジャー・ミッシェル監督の長編遺作となる本作だが、生前の監督は「ヘレンがドロシーになりきる準備をしていたことにとても驚きました。彼女は、まったく何の気負いも衒(てら)いもなく自分を変えていったんです。観客は彼女がやったことに驚くはずです」とヘレンの変貌ぶりを称えている。


一方、ヘレンは監督について、「この映画の物語には、彼の優しさ、素晴らしいユーモアのセンスそのものが反映されていると思います。物語と彼自身が真に融合していたんです」と回想している。


映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』は2月25日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開。
 


【STORY】

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世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは−!?
 

監督:ロジャー・ミッシェル(『ノッティングヒルの恋人』『ウィークエンドはパリで』)
出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グード
後援:ブリティッシュ・カウンシル 
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2020年/イギリス/英語/95分/シネマスコープ/5.1ch/原題:THE DUKE /日本語字幕:松浦美奈
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020

公式HP:happinet-phantom.com/goya-movie/ 
公式Twitter:
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2022年2月25日(金)~TOHOシネマズ シャンテほか全国公開


(オフィシャル・レポートより)

 

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アカデミー賞®受賞製作チーム『ジュディ 虹の彼方に』『クィーン』
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ロジャー・ミッシェル監督『ノッティングヒルの恋人』


オスカー俳優 ジム・ブロードベント『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
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ヘレン・ミレン『クィーン』


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知られざる名画盗難事件の背景を、徹底解剖!

 

ロジャー・ミッシェル監督長編遺作となる映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』(2月25日(金)全国公開)。この度、本作の公開に先立ち、2月1 日(火)都内で先行上映を実施し、上映後に評論家・山田五郎さんと、ウェブ版「美術手帖」編集長の橋爪勇介さんが登壇しトークイベントを開催致しました。


◆日程:2022年2月1日(火)

◆会場:ユーロライブ(東京都渋谷区円山町1-5)

◆登壇:山田五郎(評論家)、橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)



オスカー俳優ジム・ブロードベントとヘレン・ミレン共演の映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』公開記念イベントが2⽉1⽇(火)都内で開催され、評論家・山田五郎さんと、ウェブ版「美術手帖」編集長の橋爪勇介さんが登壇した。


goyadoro-pos.jpg本作は、ロンドン・ナショナル・ギャラリー史上唯一にして最大の事件、1961年に起きたフランシスコ・デ・ゴヤの肖像画<ウェリントン公爵>盗難事件の知られざる真相を描いた衝撃の実話。犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。TVに社会との繋がりを求めていた時代、孤独な高齢者のために盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。橋爪さんから映画の感想を聞かれた山田さんは「本作の面白いポイントは台詞。夫婦のやりとりも面白いけど、特に裁判のシーンのセリフ回しは、イギリスらしくユーモアにあふれている」と語り、本作で主人公を陰ながら支える妻役のヘレン・ミレンのことも「実にイギリスらしい女優。エリザベス女王から、スパイ役、本作ではニューカッスルという田舎の労働者の奥さん役まで演じられる。役柄が幅広く、大好きな女優さんです」と語った。


まず、映画に登場するロンドン・ナショナル・ギャラリーについては「ヨーロッパの美術館は王室コレクションがベースとなった美術館が多いが、ここは個人コレクションから始っているのが珍しくて異色。銀行家であるジョン・ジュリアス・アンガースタインの個人コレクションがベースになっていて、その後国が買い上げて市民のために運営していっているので、非常に開かれた美術館であること。イギリスはヨーロッパ全体においてターナーが登場するまで、絵画の分野で美術後進国と言えるので、ナショナル・ギャラリーが美術史を教えようとしている教育的配慮があり、西洋美術史を俯瞰するようなコレクションになっている」と語った。


goyadoro-ivent-500-1.JPG自身の留学時代、パスポートを盗まれ再発行のために1カ月ほど思いがけずロンドンに滞在することになった思い出を語り、「大きすぎない、ちょうどいいコンパクトさで見やすく回りやすい美術館で、自分が一番勉強になった美術館だった。毎日のように大英博物館とナショナル・ギャラリーに通った。当時は地下にあった、今までナショナル・ギャラリーが買ってしまった偽物を展示している贋作の部屋が、本当に勉強になった。そういった絵を展示している美術館は、懐が深いというか、すごいと思った」と語った。


goyadoro-500-8.jpgまた、イギリスの英雄である絵画〈ウェリントン公爵〉のアメリカへの流失を防ごうとする映画のいくつかのシーンについては、「海外では自国の貴重な絵画が流出することに対して世論が高まり、その絵画を国として買い戻そうとした例がいくつかあるが、日本では驚くほどそれがない。さらっと流失して、里帰りして戻ってくることもある」と語った。


「『ウェリントン公爵』の表情については、無表情だ、冷たい顔をしている、と評されることがあって、ゴヤはウェリントン公爵に反感をもっていたのではないかと言われるが、そんなことはない。彼は数多くの戦勝を上げて公爵までスピード出世した軍人であり、ナポレオン率いるフランスからスペインを救った英雄なので、ゴヤは宮廷画家としてきちんと描いた。ゴヤは本当に絵が上手い人で、実際にウェリントンさんは戦争続きで本当に疲れた顔をしていたんだと思う(笑)。トーマス・ローレンスというイギリスの宮廷画家が描いたウェリントンも疲れているから、本来この顔なんだよ(笑)」と山田さんが語り、会場を沸かせていた。


goyadoro-500-7.jpg最後に、「60年代のロンドンが忠実に表現された、時代を感じる映画だと思う。おそらく当時の映像も使用されているんじゃないかな。主人公は労働者だけど、戯曲を書いたり本を読んだり、昔の労働者階級は教養があったんだなと思った。かつての日本も同じだったと思う。この事件が起こった1961年は、ガガーリンが月に行った、ケネディが大統領になった、日本ではトリスを飲んでハワイに行こう、と言っていた時代だった」と懐かしく語った。
 


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【STORY】

世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは−!?
 

監督:ロジャー・ミッシェル(『ノッティングヒルの恋人』『ウィークエンドはパリで』)
出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グード
後援:ブリティッシュ・カウンシル 
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2020年/イギリス/英語/95分/シネマスコープ/5.1ch/原題:THE DUKE /日本語字幕:松浦美奈
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020

公式HP:happinet-phantom.com/goya-movie/ 
公式Twitter:
@goya_movie

作品紹介はこちら⇒

2022年2月25日(金)~TOHOシネマズ シャンテほか全国公開


(オフィシャル・レポートより)

 

 
 
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イタリア初の長編映画『インフェルノ』、記念碑的作品の製作&復元舞台裏を明かす。
@第13回京都ヒストリカ国際映画祭
動画コメント:カルメン・アッカプートさん (チネテカ・ディ・ボローニャ財団) 
 
 
1月22日から開催中の第13回京都ヒストリカ国際映画祭。2日目となる1月23日は、今回新たに加わったボローニャ復元映画祭連携企画で、ダンテ没後700年にちなみ、2007年に復元、2021年に同映画祭で再び紹介された無声映画『インフェルノ』(1911)が、楽士、鳥飼りょうさんのピアノ伴奏付きで上映された。
※1月24日(月)~1月30日(日)までオンライン上映配信中。
 
 黒いアップライトピアノが置かれた京都文化博物館3Fフィルムシアターでは、本企画の立ち上げから交渉、実現まで尽力されたイタリア文化会館-大阪の山本慶子さんによるご挨拶の後、鳥飼さんの情緒豊かな演奏と共に、イタリアを代表する詩人、ダンテ・アリギエーリの「神曲」第1篇地獄篇を原作にした、地獄のイメージが折り重なる本作が110年前の作品とは思えないほどの鮮やかさでスクリーンに映し出される。私利私欲に蝕まれると、どんな恐ろしい獣の餌食になってしまうのか。映画誕生黎明期において、当時の最先端だった特撮技術や、山岳ロケ、そして幻想的なモンタージュを駆使し、当時の知識人や高階級の人々を虜にした圧巻の65分を多くの観客と共に味わい、京都ヒストリカ国際映画祭の新たな歴史の1ページが刻まれる1日となった。
 
 上映後は、『インフェルノ』の復元にあたったチネテカ・ディ・ボローニャ財団カルメン・アッカプードさんによる動画コメントが上映され、『インフェルノ』製作の舞台裏や、当時格下と見なされていた映画が文化としての地位を確立し、知識人に支持され、海外にまで広げる戦略、そして2年がかりの復元作業について細部まで詳しく説明してくださった。その内容をかいつまんでご紹介したい。
 
 
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■知的な観客層を獲得するための挑戦的な企画

 イタリア無声映画史上最重要作の一つである『インフェルノ』は、当時300mが通常だったフィルムの長さが一気に1000mを上回り、イタリア初の長編となった。長さだけでなく、かけた製作費、宣伝費も破格で、イタリアで初の映画賞を受賞した作品としても歴史に名を残しているという。
 
 もう一つ忘れてはいけなのが、演劇や文学と同様に、イタリア映画で初の著作権認定を受けた点だとアッカプードさん。当時、まだ生まれたての映画産業は、歴史のある演劇や知識人の集まる文化サロンと比べて、低俗な見世物とみなされていたが、徐々に映画が産業として確立され、1905年にミラノ在住の投資家グループが設立したサッフィ・フィルム社は、記録映画の技術者として有名なルーカ・コメーリオと提携し、知的な観客層を獲得する作品の製作を模索していったという。そのような文脈の中で挑戦的な企画として浮上したのが、ダンテ・アリギエーリの『神曲』最初の詩篇[『地獄篇』;インフェルノ]の映画化だった。監督には、ダンテ作品を専門とする文学者、アドルフォ・パドヴァン、
ダンテ研究の第一人者、フランチェスコ・ベルトリーニ、そして監督経験のあるジュゼッペ・デ・リグオーロの3人が招集され、映画の特殊効果の専門家に加え、芸術家や舞台美術家、さらに作品をより充実させるためのアドバイザーまで参加。書籍として出版された『神曲』の挿絵を描いたギュスターヴ・ドレの作品が、地獄篇を視覚的に物語るモデルとして採用されたという。
 
 
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■世界で大ヒットを果たしたことで、復元用の素材が残っていた

 撮影開始後、野外撮影で膨大なコストがかかり、1909年夏の終わり、地獄篇の冒頭が出来上がった時点で、サッフィ社幹部はミラノ初開催の映画祭に「ダンテの詩篇に関する試論」(仮題)で出品。未完成ながら大賞を受賞したことで、『インフェルノ』は大きな注目を浴び、完成版への期待度が高まったという。最終的に経営が圧迫したサッフィ社は倒産、新たな資本が入り、ミラノフィルム社が映画を引き継ぎ、1911年3月1日、ナポリのメルカダンテ劇場において『インフェルノ』は初上映された。当時から世界中でイタリア文化の振興に影響力のあったダンテ・アリギエーリ協会による助成の力も大きかったと語るアッカプードさん。以降 各地の協会支部がイタリアの主要都市での上映実現に尽力し、海外配給も実現。映画と共に、ダンテ文学の世界普及、さらにイタリア文化の振興役ともなった。数多くの上映用フィルムが複数の再編集を経て、様々な時代に作られていた『インフェルノ』は、フィルム復元に向けての素材調査の結果、14本ものフィルムが世界各地で残っており、「世界の無声映画の約80%が失われているので探すのはとても困難、こんなに残っているのは稀です」とアッカプードさんは力を込めた。
 

■2年がかりの復元作業、「物語としての完成度と見た目の美しさ」を目指して

 14本の素材のうち9本は不燃性の白黒フィルムに焼き付けられた複製物、残りの5本は可燃性フィルム(ナイトレート)で着色されたポジフィルムで、その中の1本が製作当時のものと特定されたという。
 
 復元にあたって大事な「物語としての完成度と見た目の美しさ」にのっとり、1911年の上映版(イタリア版)を製作者の望んだ通りの正しい順番のバージョンとして採用。美学的視点からは、作品の編集に使える最も画質の良い素材を探すのが復元者の仕事で、復元における最終的な色彩の決定も行うのだ。
 
 緻密に比べる作業を続ける一方で、トレントのダンテ像が最終カットに使われていたバージョンを見つけた時は、ほかのフィルムでは見つからなくても当時のパンフレットを調べ、物語の最後にダンテ像があったことを推測。また、題字やインタータイトルなどの
文字の復元では『インフェルノ』の直後にミラノフィルム社が製作した作品『オデッセイ』のタイトル装飾と照合し、正しいバージョンを推測する作業を行っていたとアッカプードさんは説明。欠損した箇所も調査研究により仮説を立て作業にあたるというアッカプードさん。「私たちに教える全ての材料を突き詰めて研究することで、復元者の疑問に対する答えは必ず見つかるのです」
 
 
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■ボローニャ復元映画祭と“未来のシネフィルを育てる”

 国際フィルムアーカイブ連盟FIAFに参加し、アーカイブでの保存という根本的な活動の
さらに先を見据え、保存する貴重な映画遺産を誰もが利用したり、鑑賞できるための復元を専門のラボ、リンマージネ・リトロヴァータで行うのが、チネテカ・ディ・ボローニャ財団の取り組みの中心になっている。今やパリ、香港にも新拠点が作られており、世界の映画祭でのクラッシック部門での上映だけでなく、イタリアの地元、ボローニャで毎年夏に開催される「ボローニャ復元映画祭」では、多くが35mmフィルムで500本ものクラッシック作品が上映され、期間中のべ10万人の観客が参加するという。中でも中心部にあるマッジョーレ広場の野外上映は市民に広く開放されており、まさに『ニュー・シネマ・パラダイス』さながらだ。また、小学生向けの上映付きセミナーの講師をチネテカ・ディ・ボローニャの技術者が担当することで新世代のシネフィルの育成も行なっている。また、チネテカ・ディ・ボローニャが復元した旧作や名作のプログラムを作り、イタリア国内約70スクリーンで月に1本ずつ再上映をするという試みも興味深い。
 
「60年代にボローニャ市の小さな映画担当部署として組織されたチネテカは、長年に渡り
映画文化の普及と広報、そして復元活動を通じて着実に成長を続けた結果、今では映画を評価するための基準として世界中が参考にするに至っています」
行政が映画文化の普及や復元活動を支援し、地道に人材育成を続けた結果、世界からもその取り組みが注目され信頼が置かれている様子が伝わってくる、とても貴重なトークだった。
©️Cineteca di Bologna
(江口由美)
 
第13回京都ヒストリカ国際映画祭はコチラ http://www.historica-kyoto.com/
 

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『フラ・フラダンス』オリジナルマフラータオル プレゼント!
             (マイクロファイバー製)

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◆提供:アニプレックス

◆プレゼント数:2 名様

◆締め切り:2021年12月 5日(日

公式HP: https://hula-fulladance.com/

2021年12月3日(金)~全国ロードショー


 

ステージから笑顔を届ける仕事を選んだ、

新人ダンサーたちが織り成す青春エンタテイン メント、

この冬、開演——


furafuradance-pos.jpg福島県いわき市にある「東北のハワイ」ことスパリゾートハワイアンズのダンシングチーム、 通称〔フラガール〕。フラガールを仕事に選んだ新入社員・夏凪日羽(なつなぎ・ひわ)と同期の仲間たち、そして彼女たちを取り巻く人々との絆を描くオリジナル長編アニメーション映画『フラ・フラダ ンス』。新社会人としての期待や不安、そして友情と成長が新人ダンサーたちの瑞々しく真っすぐな姿で紡がれる、笑って泣けて元気になるエンタテインメント作品がこの冬、公開されます。


主人公・夏凪日羽役にはドラマ、声優、歌手と、若くして幅広い活動で注目を集め続ける福原遥。日羽の同期となる新人フラダンサーたちには女優の美山加恋、富田望生、声優の前田 佳織里、陶山恵実里が演じ、彼女たちを支える癒し系マネージャー役には話題の映画・ドラ マ・舞台への出演が続き、俳優としてますます存在感を増している山田裕貴、そして憧れの 先輩社員役に俳優・ミュージシャンとして国内にとどまらず海外でも幅広い活躍をし続け る、本作が声優初挑戦のディーン・フジオカといった実力派の面々が彩ります。 
 


<STORY>
福島県いわき市に暮らす高校生・夏凪日羽。卒業後の進路に悩む日羽は、かつて姉・真理が勤めていた「東北のハワイ」こと「スパリゾ ートハワイアンズ」のポスターを見て衝動的に、新人ダンサー=フラガールの採用試験に応募する。未経験ながらも採用された日羽は、鎌倉環奈、滝川蘭子、オハナ・カアイフエ、白沢しおん たち同期と共にフラガールへの道を歩み始めるが、個性豊かすぎる5人の足並みはそろわず、初ステージで、ある大失敗をしてしまう。 「今までで、一番ざんねんな新人たち」と呼ばれ、落ち込む彼女たちだったが、恋、ダイエ ット、そしてフラ…と、いいことも辛いことも分かちあいながら、フラフラしながらも絆を深めていく———。


【出演】福原遥 美山加恋 富田望生 前田佳織里 陶山恵実里 山田裕貴/ディーン・フジオカ
【総監督】水島精二 【監督】綿田慎也 【脚本】吉田玲子
【キャラクターデザイン】やぐちひろこ
【音楽】大島ミチル 【制作】BN Pictures
【主題歌】「サンフラワー」フィロソフィーのダンス(ソニー・ミュージックレーベルズ)
【配給】アニプレックス
【公式 HP】https://hula-fulladance.com/

2021年12月3日(金)~全国ロードショー


(オフィシャル・リリースより)

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『昭和の映画絵看板 看板絵師たちのアートワーク』

(発行:トゥーヴァージンズ、定価:本体2,700円+税)――(詳細はこちら

 

このタイトルを目にしただけでゾクっときました。映画愛好家、それも年配者にとっては「殺し文句」かもしれませんね。「映画絵看板」「看板絵師」の文字が理屈抜きに心の琴線に触れるからです。


興味津々、ページを繰るや、映画館の正面に飾られた手描きの宣伝看板がつぎつぎに現れ、あっという間に忘我状態に陥りました。それもぼくの生まれ育った大阪の、しかもなじみ深いミナミの映画館がほとんどで、気がつくと、懐かしの時代へとタイムスリップ状態に。


ekanban-shane-500.jpg千日前のスバル座、東宝敷島、常盤座、千日前グランド、千日前セントラル、道頓堀の浪花座、松竹座、大阪東映劇場、髙島屋前の南街劇場……。ほかに梅田のOS劇場、市岡セントラル、今里東宝なども。


戦後の1947年(昭和22年)から1987年(同62年)までの写真が300枚、掲載されています。映画全盛期の昭和30年代はさすがに熱き息吹を感じさせますね。まさに映画が「娯楽の王者」でした。それにしても、消失した映画館のなんと多いこと!


ぼくはゴジラと同い年(1954年生まれ)なので、映画館でリアルタイムで観た記憶として頭に残っているのは1960年以降です。以下の映画館で、つぎのような作品を観たのを覚えています。それがちゃんと写真で確認できるのですから、たまりませんね。


ekanban-500-3.jpg古いところでは、浪花座で喜劇映画『番頭はんと丁稚どん』(1960年)、東宝敷島で怪獣映画『モスラ』(1961年)と『キングコング対ゴジラ』(1962年)、ディズニーアニメ『101匹わんちゃん大行進』(1962年)、スバル座で子ども向けのミュージカル『ドリトル先生不思議な旅』(1967年)……。小学校2年のときに観た『キングコング対ゴジラ』のでっかい絵看板には驚かされました!
 


ekanban-500-1.jpg思春期になると、中学3年のときに愛の切なさを教えてくれたアラン・ドロン主演のフランス映画『個人教授』(1969年)、ラストで吹っ飛んだアメリカ・ニューシネマの名作『イージー・ライダー』(1970年)、映画に没頭していた大学時代の忘れられない一作『愛の嵐』(1975年)……。これらはみなスバル座です。


邦画は自宅からほど近い末吉橋にあった中央シネマ、洋画は上六(上本町六丁目)の映画館が定番でしたが、たまに少し遠出して映画を観るとなると、決まってミナミ。それも洋画はきまって千日前のスバル座か道頓堀の松竹座でした。


ekanban-500-4.jpgこれらは貴重な記録ですね! 心底、そう思いました。映画が娯楽として、文化として庶民に定着していたその証しがここにきちんと残されています。ひとり大阪だけのものではなく、ひろく日本における映画文化と世相の記録なんです。


監修の岡田秀則さんが言うてはりますが、映画館があまりにも身近な存在だったので、絵看板も日常の光景に埋没していたんですね。だから当時は記録として留めておこうという意識がなかったのでしょう。それだけに本書の意義はきわめて深いと思います。なにせ一種のアーカイブですからね。


この本を企画しはったのが貴田奈津子さん(パリ在住)という方。お爺さん(不二夫)の代からミナミ・道具屋筋近くの「不二工芸」で映画絵看板を制作していました。看板が完成すると、映画館の前で写真に収めてはったんですね。


ekanban-500-2.jpgのサムネイル画像その数、1000枚! それもすべてネガ。「このまま放置するのはもったいない」と貴田さんはそれらをスキャンし、選りすぐりの300枚が本書に掲載されたわけです。


貴田さんとは2019年2月にご縁ができました。大阪市立中央図書館で開催された大阪市史編纂所セミナーのぼくの講演会『映画のはじまり、みな大阪』に来てくれはりまして、そのとき、ちょこっと絵看板のこと、写真のことを耳にしました。


それがこんな素敵な本になるとは、ホンマにうれしいです。


絵看板の数々に見とれながらゾクゾクしたのは、貴田さんのお父さん(明良)ら元映画看板絵師たちの対談です。看板の作り方や苦労話はさることながら、それ以外の話がめちゃめちゃオモロイ! 


ekanban-500-6.jpg「アラン・ドロン、オードリー・ヘプバーン、エリザベス・テーラーは描きやすい。嫌いやったんは、山本富士子、高峰三枝子、岸恵子、田中絹代。日本人は特徴がないから、難しい」

「お客さんは99%、看板を見て入るんや」

「うまい下手より、まずは似てること!」

「看板絵の魅力はオリジナリティ。看板を見て、だれが描いたのかすぐわかる個性が好きです」

やっぱり、「好きの力」の為せる業なのでしょうね。


職人と芸術家――。その双方を備えていないと、人に訴える絵看板を生み出せないのやなぁと思った次第。


本書は、お堅く言えば、「日本の映画文化に一条の光明を注いだ一冊」。柔らかく言えば、「映画ファンの心をとろけさせる一冊」。よくぞ本にまとめてくれはりました!

 

武部 好伸(エッセイスト)
 


《掲載写真の説明》上から

●『シェーン』(1953)スバル座 

●『キングコング対ゴジラ』(1962)東宝敷島劇場/敷島シネマ

●『イージー・ライダー』(1970)スバル座

●『東京オリンピック』(1965)東宝敷島劇場/敷島シネマ

●『アンナ・カレーニナ』(1968)スバル座

●『ジャンケン娘』(1955)新世界東⽅敷島

 


貴田さんは、本書に未掲載の写真をふくめた映画絵看板のアーカイブ化と閲覧可能なWebサイトの制作をめざし、クラウドファンディングを始めはりました。⇒ 詳しくはこちらへ

 

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