「綾野剛」と一致するもの

Ushijima2-b550.jpg山田孝之(30歳)・菅田将暉(21歳)・山口監督登壇
TOHOシネマズ くずはモール オープン記念!
西日本初のTCXで、一足先に『闇金ウシジマくん Part2』を体感しチャイナ!
(3月26日(水) @TOHOシネマズくずはモール)

Ushijima2-2.jpg『闇金ウシジマくん Part2』
監督・企画・脚本:山口雅俊 脚本:福間正浩
原作:真鍋昌平(小学館「週刊ビックコミックスピリッツ」連載中) 
出演:山田孝之 綾野剛 菅田将暉 中尾明慶 窪田正孝 やべきょうすけ
主題歌:Superfly『Live』(ワーナーミュージック・ジャパン)  
イメージソング:Superfly『万華鏡と蝶』(ワーナーミュージック・ジャパン)
配給:東宝映像事業部=S・D・P/ PG12
5月16日(金)全国ロードショー
公式サイト⇒
http://ymkn-ushijima-movie.com/
(C)2014真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん2」製作委員会   

5月16日(金)より全国ロードショーの「闇金ウシジマくん Part2」。公開に先駆けて、全国で最速の先行上映及び舞台挨拶が、3月12日(水)にOPENしたばかりの、TOHOシネマズくずはモールで開催された。テレビシリーズ、ドラマ・映画とシリーズを通して、本作の顔である闇金「カウカウファイナンス」の社長“ウシジマ”こと丑嶋馨を演じている山田孝之をはじめ、何度も窮地に追い込まれる無職のヤンキー、マサル役で大阪出身の菅田将暉、そして企画・脚本も手がけた山口雅俊監督が登壇した。


最初の挨拶では山田孝之が「キャラクターがたった人が大勢出てきて、エンドロールで色んな人の顔がフラッシュバックするおもしろい作品になってます」とまずはこのPart2をPR。菅田将暉は「大阪出身の人間として、ここに来られたことが嬉しいです」と挨拶し、同じく関西出身である山口監督は「神戸出身者としてここに来られたことを誇りに思います」と挨拶した。

 

Ushijima2-b1.jpgキャスティングの経緯について山口監督は、「山田くんと共演したがる、ウシジマにいじめられたい!という人ばかりに集まってもらった。オーディションは高橋メアリージュン以外していません」。本シリーズに初めて参加した菅田将暉は、「いじめられたい願望のあるドMがいっぱいいる中、前作でいえば林遣都くんの位置づけである、一番いじめられるマサルの役をいただいて光栄。ウシジマという世界観に溺れて行くといった感じだった。」と現場の様子を語った。また、それぞれと共演した印象は?との質問に山田は、「(菅田が)現場ではマサルの感じのままで、自分もウシジマの感じでいたので、本来の菅田くんがどんな方なのかは分からないですね」とストイックな面を垣間見せた。

 

Ushijima2-b2.jpg今作では、<闇金 VS ヤンキー VS 暴走族 VS 女闇金 VS 極道 VS ホスト VS 風俗嬢 VS ストーカー VS 情報屋>と、ウシジマをめぐる八つ巴のこれまでのシリーズでも過去最多のどうしようもなくて愛らしい“クズ”が登場する。そのなかでもいちばんのクズキャラクターこと“ベスト・オブ・クズニースト”を、舞台挨拶をした劇場“くずは”にちなんで決めることに。山田は、ポスターをしげしげ見ながら「バカリズムさんですね。みんな、何とかしよう!ともがいたり抗ったりするのに、バカリズムさんだけは無気力、何もしようとしないから」と答えた。菅田も同じくバカリズムと答えるなか、監督は「中尾明慶と菅田将暉。この2人はクズ!」と答え、「せめて役名で言ってもらっていいですか!」とツッこむ菅田のことばが場内の爆笑を誘った。

 

Ushijima2-b3.jpg劇中の『こいつはアカン』と思うシーンについて、山田は、「門脇麦ちゃんのシーンは、いやぁな苦しい気持ちになってしまう。自分の周りは絶対こんな風にはなってほしくない、と思いますね。逆に、中尾明慶と菅田将暉のシーンは笑いながら見られる。この作品は群像劇として、さまざまな人間の要素がみんな入っているので楽しんでもらいたい。入り込んで観てもらって、グサッと突き刺さる何かを感じてほしいですね。」。
菅田は「アカン!」かった撮影エピソードをあげ、「僕は何回か死にかけるのですが、本当に死ぬまでのシチュエーションにはなってなかった。ただ一度だけ、あるシーンで監督から、『本当に息のできない状態で3呼吸だけ撮らせてほしい』と言われ、息がまったくできない環境での撮影は本当にきつかったですね。」と言うと、監督は「後から医者に(そのシーンを)観てもらって『殺しかけましたね』と言われてしまいました。」と苦笑した。

劇中でおなじみの“かわいいものしりとり”を、登壇者と来場者のみんなとが実際にやってみるという企画も飛び出した舞台挨拶。最後のしめくくりとして、山田は、「大勢の人間の色々な状況を純粋に楽しんでもらいたい。何が響くかはご覧になった皆さんそれぞれが感じることなので。公開よりこんなに早い段階で観ていただき、この作品の強いメッセージを感じて、楽しんでもらいたい。」
菅田は、「マンガからドラマ、映画を観てきた自分ですが、本当におもしろい作品なっているので、広めてもらえると嬉しいです。」
監督は、「今後もDVDの発売など続きます。この大阪で先行上映できて幸せです。ウシジマと格闘する人々がいっぱい出てきます。これを観て、明日学校行くのがいやだなぁ、とか仕事ツライなぁとか、現実の辛さから、明日、もう一回(つらいことでも)取り組んでみようと、そんなポジティブな気持ちになってもらえると嬉しいです。」と、それぞれに、これから映画を観てくれる人へのメッセージを込めた。

shirayukihime-s550.jpg


『白ゆき姫殺人事件』公開初日舞台挨拶

guests_openingceremony_r1_c1.jpgオープニング上映『KANO』舞台挨拶で、3年連続来阪のウェイ・ダーションさんをはじめ、マー・ジーシアン監督、永瀬正敏さん、坂井真紀さん他豪華ゲストが勢揃い!

 3月7日19時から大阪市北区の梅田ブルク7 で、大阪アジアン映画祭オープニング・セレモニーおよびオープニング作品『KANO』の海外初上映が行われた。チケット発売後30分で完売と、ここ数年で一番の注目度の高さを伺わせた今年のオープニング上映。上映に先立ち行われたオープニング・セレモニーでは、上倉庸敬実行委員長の挨拶に続き、今回、特別協賛の台北駐日經濟文化代表處・沈斯淳代表がスピーチを行った。作品ゲストとしては、コンペティション部門のタイ映画『すご〜い快感』の世界初上映にタンワーリン・スカピシット監督、出演者の越中睦士さん、スパナート・チッタリーラーさん、セータポン・ピヤンポーさんが登壇。続いて台湾映画『甘い殺意』のリエン・イーチー監督が登壇し、『KANO』からは、マー・ジーシアン監督、製作総指揮のウェイ・ダーションさん、出演者の永瀬正敏さん、坂井真紀さんをはじめ、作品中で感動を呼ぶ高校野球球児を演じた台湾や日本の若きキャスト、そして映画監督・林海象さんが登壇。ゲストを代表して『すご〜い快感』に実名でタイ映画初出演を果たした越中睦士さんが一言「アジアを盛り上げよう!」と力強く挨拶。会場からは大きな拍手が巻き起こった。

guests_KANO_r1_c1.jpg

引き続き行われたオープニング上映『KANO』の舞台挨拶では、まずはマー・ジーシアン監督「まいど、はじめまして。私はマーです。よろしくお願いします」と流ちょうな日本語で挨拶し、会場を沸かせると、今年で3年連続の来阪となる製作総指揮のウェイ・ダーションさん「大阪に感謝したい。いつも満席で、我々の映画を観に来ていただきありがとうございます」とにこやかに挨拶。主演・近藤兵太郎監督役の永瀬正敏さんはオープニング作品に選ばれたことへの感謝と喜びを述べたあと「僕の誇りがここに立っています。どうぞ最後まで見守ってやってください」と舞台に勢ぞろいした高校野球部員役の12人に惜しみない賛辞を送った。また、客席にいる近藤監督のお孫さん3人がサプライズで紹介されると場内からは盛大な拍手が。次に近藤監督の妻を演じ、しっとりした和服姿で登場の坂井真紀さん「先日台湾で観ましたが、自分が出演しているのに大ファンになりました。早く観ていただきたい」と作品の手応えを語った。その後、永瀬正敏さんに促され選手を代表して投手役のシャオ・ヨウニンさんが突然挨拶に呼び出されるハプニングも。そこは映画で見せた落ち着きのあるマウンドさばき同様に、見事な日本語で自己紹介を行い大きな拍手が沸き起こった。永瀬正敏さんや坂井真紀さんと親交があり、ウェイ・ダーションさんとも旧知の仲という映画監督の林海象さんは『KANO』の日本語部分の脚本リライトを担当。 「本作がヒットしたら、ウェイ・ダーションさんに私の次回作のプロデューサーをしてもらう約束でした。台湾で大ヒットしたので大丈夫ですね」と『KANO』の裏エピソードを冗談まじりに披露。最後に、ウェイ・ダーションさん「3時間5分と長いですが、トイレに行かせないよう飽きさせない工夫を一生懸命しています」と見所の多さをアピールし、豪華ゲストによる舞台挨拶を締めくくった。

上映後は、スタンディングオベーションが続く中、ゲストが再び登場し、感動は最高潮に。まさに観客と映画スタッフ・キャストとが一体となったオープニング上映は、ゲストによるお見送りまで行われ、台湾に続き大阪で大きな『KANO』旋風を巻き起こした。


また、同日16時からJR大阪駅・大阪ステーションシティ5F「時空(とき)の広場」で、大阪とアジアの映像文化交流を図るレッドカーペットイベント「アジアン スター フェスティバル」が大阪観光局主催で開催され、上記ゲストのほか『KANO』栄誉顧問の王貞治さんなど多数のゲストが登壇し、多くの観客で賑わった。

 第9 回大阪アジアン映画祭は3 月16 日まで梅田ブルク7(梅田)、ABC ホール(福島)、テイジンホール(堺筋本町)、シネ・リーブル梅田(梅田)、シネ・ヌーヴォ(九条)、大阪ステーションシティシネマ(梅田)、プラネット・スタジオ・プラスワン(中崎町)で13の国と地域から世界初上映8 本を含む全43作を上映する。クロージング作品は呉美保監督最新作、綾野剛さん主演の『そこのみにて光輝く』。佐藤泰志さん原作の映画化プロジェクト第2 弾で大阪出身の池脇千鶴さんの熱演も見どころだ。
また、<台湾:電影ルネッサンス2014>と題して1960 年代の台湾語映画『温泉郷のギター』や、台湾最新注目映画を特集上映する。<Special Focus on Hong Kong 2014>では、次代の香港映画界を担う新たな才能を紹介するほか、今年1月に106 歳で亡くなった香港映画黄金期を築いたショウ・ブラザーズ創始者、ランラン・ショウの追悼特集を開催。また、東日本大震災からちょうど3 年が経つ3 月11日には、震災・復興やクリーンエネルギーを考える作品の上映やトークセッションを盛り込んだ<東日本大震災から3年「メモリアル3.11」>を開催する。
常設のコンペティション部門ではアジア映画の若き息吹を感じる全11 作品が並ぶ。
さらに、インディ・フォーラム部門では、第10回CO2助成作品2 作を世界初上映する。
チケットはチケットぴあでの前売り終了後は、各劇場にて順次販売。


詳細は大阪アジアン映画祭ホームページ参照。

http://www.oaff.jp/2014/ja/index.html

sirayuki-550.jpg

そこにみにて光輝く.jpg

 3月7日(金)~3月16日(日)梅田ブルク7、ABCホール、シネ・ヌーヴォをはじめとした会場で開催される第9回大阪アジアン映画祭のクロージング作品に、綾野剛主演、呉美保監督作品『そこのみにて光輝く』が決定した。原作は、映画にもなった「海炭市叙景」で知られる佐藤泰志の最高傑作。4月からの全国公開に先立ち、3月16日(日)、大阪・ABCホールでワールドプレミア上映(世界初上映)される。
 「そこのみにて光輝く」は、何度も芥川賞候補に挙げられながらも賞に恵まれず、今の日本を予期したような作品群を遺し、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志が1989年に発表した唯一の長編小説。短い函館の夏を舞台に、生きる目的を見失った男と愛を諦めた女との出会い、そして底辺で生きる家族を慈しむような眼差しで描き、第2回三島由紀夫賞の候補となり、最高傑作との呼び声も高い。映画化のメガホンをとったのは、『オカンの嫁入り』で新藤兼人賞を受賞し高い評価を得てきた呉美保監督。主演を綾野剛、ヒロインを池脇千鶴、その弟を菅田将暉が演じている。

 尚、大阪アジアン映画祭では特典にオープニング&クロージング上映チケットもついてくる大阪アジアン映画祭サポーターを募集中だ(一般サポーター 10,000円/一口、応募締切1月末日)。他にも来日ゲストを迎えてのウェルカム・パーティご招待や、映画祭公式カタログ進呈、映画祭記念品進呈(1点)など特典がいっぱい。詳細、お申し込みはコチラ
 


『そこのみにて光輝く』
2014年/日本/120分/R15+ 

監督:呉美保 原作:佐藤泰志(河出書房新社刊)
出演:綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也、火野正平、伊佐山ひろ子、田村泰二郎
配給:東京テアトル+函館シネマアイリス(北海道地区)
©2014佐藤泰志/「そこのみにて光輝く」製作委員会 
公式HP:http://hikarikagayaku.jp/
4月19日より、〈東京〉テアトル新宿、〈大阪〉テアトル梅田ほか全国ロードショー

<ストーリー>
ある出来事が原因で仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごしていた佐藤達夫(綾野)は、ある日パチンコ屋で使い捨てライターをあげたことをきっかけに、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児(菅田)と知り合う。拓児に誘われるままについていくと、そこは取り残されたように存在している一軒のバラックだった。そこで達夫は拓児の姉・千夏(池脇)と出会う。互いに心惹かれ、ふたりは距離を縮めていくが……。

 

『夏の終り』 “特製てぬぐい” プレゼント

natuowari-p.jpgクロックワークス提供

・募集人員: 3名様

・締切:2013年9月20日(金)

★公式サイト⇒  http://natsu-owari.com/ 

 

2013年8月31日(土) ~テアトル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネ・リーブル神戸  ほか全国ロードショー


 

 瀬戸内寂聴原作

ひとりの女とふたりの男の、センセーショナルな愛の物語

 

映画『夏の終り』の公開を記念し、本作の中で満島ひかりが演じる、型染め染色で生計を立てている主人公にちなみ、、劇中でも使用された型デザインを使用した“特製てぬぐい”をご用意いたしました。

本作は、発表以来これまでに100万部を超えるロング・セラーとなっている瀬戸内寂聴の代表作で、自身の体験をもとに書いた小説「夏の終り」を、出版50周年となる節目の年に映画化した作品です。熊切和嘉監督が男女の三角関係を描いたラブストーリーに初めて挑み、重厚で静寂な中に溢れ出るような登場人物たちの情熱を見事に描き出しました。

 

【STORY】

年上の男との包み込むような穏やかな愛の生活———

年下の男との激しい愛欲———

natuowari-1.jpgどちらも私を満たし、そして心を乱す妻子ある年上の作家・慎吾と、長年一緒に暮らしている知子。慎吾は妻のいる家と知子の家を週にきっちり半々、行ったりきたりしている。妻と別れて欲しいと考えたこともなく、知子はこの平穏な生活に、自分が満足していると思っていた。しかしある日、木下涼太が訪ねてきて、知子の生活は微妙に狂い始める。涼太は、昔、知子が結婚していた頃、どうしようもなく恋に落ち、夫と子供を捨て駆け落ちをした男だった。知子は慎吾との生活を続けながら、涼太と再び関係を持ってしまう。そして涼太の知子を求める情熱はやがて、知子が心の底に仕舞い込み、自分自身も気づいていなかった本当の気持ちを揺さぶり起こしていく。

出演:満島ひかり 綾野剛 / 小林薫
監督:熊切和嘉 脚本:宇治田隆史
原作:瀬戸内寂聴「夏の終り」(新潮文庫刊)
(2012年/日本/アメリカンビスタ/114分)
配給:クロックワークス  ©2012 年映画『夏の終り』製作委員会

2013年8月31日(土) ~テアトル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネ・リーブル神戸  ほか全国ロードショー

 

 

lemon-s1.jpg『たとえば檸檬』片嶋一貴監督インタビュー
(2012年 日本 2時間18分)
監督:片嶋一貴
出演:韓英恵、有森也実、綾野剛、古田新太、室井滋、内田春菊、伊原剛志他
2013年2月23日(土)~第七芸術劇場、3月2日(土)~京都みなみ会館、3月9日(土)~元町映画館、他全国順次公開
公式サイト⇒http://www.dogsugar.co.jp/lemon
(C) 2012 DOGSUGAR

~境界性人格障害を鮮烈な演技で表現、見たこともない痛切な母娘物語~

lemon-1.jpgこんなに痛切な母娘物語は観たことがない。男を作って出ていくくせに、過干渉で全てを奪っていく母親(室井滋)から逃げたくて仕方がなかった20歳のカオリ(韓英恵)。引きこもりの娘を抱え、大手企業の秘書を務める一方、万引き常習犯でセックス依存症の40歳の香織(有森也実)。万引きで捕まったとき、現場にいた刑事の河内(伊原剛志)から境界性人格障害を指摘された香織と、野心家の石山(綾野剛)に彫金の才能を見いだされながらも、母親の邪魔が入り、精神が混濁していくカオリが思わぬ形で交錯していく。前作『アジアの純真』で鮮烈な印象を与えた片嶋一貴監督が、バブル時代と現代の2つの時間軸で、二人のカオリ/香織他、登場人物を対比させて描く衝撃の母娘物語『たとえば檸檬』。関西公開を前にキャンペーンで来阪した片嶋監督に、本作の狙いや撮影の舞台裏についてお話を伺った。


―――前作『アジアの純真』とは一転して、個人にフォーカスしたストーリーですが、構想のきっかけは?
脚本の吉川次郎さんとは前々作の『小森生活向上クラブ』(古田新太主演)で一緒に仕事をしたのですが、前作『アジアの純真』を撮った後に、「また一緒にやろうぜ」といった話になったんです。『アジアの純真』のときは政治的な要素が強かったので、海外の映画祭に行って政治的なスタンスや、世界をどう見るかといったことを色々語ってきたのですが、そういう広い見方というよりはむしろ、人間関係の最小単位である親子関係、それも母娘の関係をきっちり描くことによって、世界につながっていくのではないか。そういったきっかけで本作に着手し始めました。

―――母と娘の話ですが、実は母娘ではないと分かったときの衝撃は大きかったです。このような構造をどうやって組み立てていったのですか?
吉川さんも僕も男兄弟なので、母娘の関係性なんて夢にも考えたことがなかった世界ですが、それがおもしろいのではないかと話し合いました。僕が企画の時に投げかけたのは、まずタイトルは『たとえば檸檬』でいくということ。檸檬のようなものは一つの象徴なので、話が作りやすくなります。もう一つは母と娘の配役についてです。韓英恵は『アジアの純真』の主役ですし、有森さんは『小森生活向上クラブ』に出演いただいたり、一緒に呑んだりすることもありましたので、この二人を主役に据えました。そして時間が交錯するものを作ろうということで、最初は母と娘の話を考えていたわけです。

けれど、実は(母と娘とは)違うというのがおもしろいのではないかと思い始めました。そのとき吉川さんが、自分の友達の境界線人格障害の人の話を聞かせてくれたのです。調べてみると、境界線人格障害というのは幼少期の母の抑圧的な行動などから生じやすいと分かって、今回の物語の核に据えられるのではないかと考えました。有森さん演じる香織が万引きした後寿司屋へ行ったり、愛人と会ったり、刑事に暴言を吐くとか、あれは皆モデルになった人の実話を元にしています。

―――有森さんは『東京ラブストーリー』のイメージがまだ残っているので、本当にびっくりしました。本当に凄味のある演技です。
 lemon-2.jpg30代の頃の有森さんを知らない方が多いですね。20代だった『東京ラブストーリー』からいきなり飛んで『たとえば檸檬』を見たら、それは驚きますよね。16歳ぐらいからこの世界で活動されていますから、時代の傷跡みたいな形で有森さんを捉える世代もいるわけです。『東京ラブストーリー』もバブル期でしたし。

 

―――本作でも現在と並行してバブル期を描いています。最初は気づかなかったのですが、一度気づくとバブルの傷跡が意図的に映し出されていますね。
それぞれの時代の人物が最後になって結びつく構造になっています。例えば昔は「愛じゃない、尊敬だ」と言っていた奴が、今では「愛ですよ、愛」と言い続けていたり。

―――普段、母が娘を虐待したというニュースを耳にすると、母親への批判的感情が沸き上がってしまいますが、伊原さん演じる河内の「表現の仕方が普通とは違うんだ」という言葉に、愛情表現がいびつなだけという新しい認識をさせられました。
みんな壊れた人たちばかりなんですよ。みんな何かに依存しているという意味では、「この物語はあなたの物語ですよ」という展開で、非常に重層的な色々なキャラクターがでてくる形にしたかったのです。 

―――母娘の血からは逃れられないいう、血縁の絆の深さも現れています。 
最後に檸檬のレリーフがでてきたとき、自殺はやめようと思うのですが、その後香織が何十年か生きたとしても幸せにはなれそうにないんです。救いってどこにあるのだろうと考えたとき、やはりそれは自分で探していくしかないということなのかもしれません。

―――母娘を実際に描いてみて、苦労した部分はありますか?
 lemon-3.jpg二つの時代の物語を作って、合体させるわけですが、こちらの世界でやっていることを、もう一つの世界でもやっていように意識的に見せたり、時代が違うことを地続きのように見せることで、サスペンスを作りだし物語を構成するという試みを、きっちり本にしてからは現場に臨みました。現場は役者さんが体当たりの演技をみなさん見せてくれました。有森さんはこれでもかというぐらい(役を)作ってきて下さるので、こちらもだんだんサディスティックになって、さらにもっとと(笑)

この撮影中に震災があったんですよ。3月の頭から撮影して、有森さんと伊原さんの最後のラブシーンを撮っているときにグラッときたんです。やはり震災があると、お金のある作品の現場は次々と撮影を延期されたのですが、こういうローバジェットの作品は一度止めたら終わりで、一度スタッフを解散したら二度と映画はできません。ガソリンはないし、停電にはなるし、晴れた日にやっていたら計画停電のアナウンスは入るし、本当にこれで出来るのかなと思いました。被災者の方のことを考えましたが、そのとき自分たちに出来ることは「この映画を最後までがんばること」だと、皆必死になりましたね。

―――全てを奪う母の存在が強烈で、その後のカオリの人生にトラウマのような影響を与えてしまいますね。
今まで被害者と思っていたカオリが、急に加害者になってしまうシーンがあります。それは非常にやりきれないことであって、ああいうことが20年後の境界性人格障害につながるのでしょうね。 

―――自ら起こした事件がきっかけで、香織を見守るようになる刑事、河内もかなり辛い設定でした。 
自首することも、自殺することもできず20年間経ってしまう訳ですが、二度と会うこともないと思った香織に会うことによって、ますます心の傷が深まってしまう。伊原さんが最後になぜ死ぬのかという質問を受けることもあるのですが、それは死ぬしかないだろうと。もしあそこで香織と幸せになってしまったら、この映画は違う映画になってしまいます。

―――最初からタイトルにと決めていた「檸檬」ですが、冷蔵庫の腐りかけの檸檬など、いろいろな檸檬が登場します。本作の「檸檬」はどんなイメージで使ったのですか?
この映画の中でいろいろな檸檬がでてくるということは、いろいろな象徴になっています。若い頃の檸檬というのは、自分たちの周りの困難を乗り越えようとする気持ちであったり、腐ってくると自堕落の象徴となったりします。英語のスラングで檸檬は「壊れもの」という意味があり、欠陥品という意味で使われるのですが、まさに欠陥品ばかりのキャラクターがでてきますから。 

―――殺したいと思っても、やはり母親は好きだという非常に複雑な心境を描ききっていますね。 
lemon-4.jpg母親も辛いんですよね。今は母性愛神話が崩壊していると言われています。母は子どもを愛さなければいけないというしがらみがありますが、愛せない人や不器用な人もいるはずです。でも、社会がそれを許さないので、子どもを愛せない人は辛いのです。社会に規律があった時代ではなくなっている今、弱い人はどんどん依存せざるをえなくなっています。

 

―――若松監督の助監督のご経験もおありですが、若松監督から影響を受けたことは? 
若松監督は本当に面白い方で、いい加減なところもたくさんありましたが、やはり自分のお金でちゃんと映画を作って、最後に自分の力で公開までもっていくということをやってきた監督なので、映画を作る覚悟を切に学びました。演出とかそういうレベルの話ではないですね。

―――これからはどんな作品を手がけていきたいですか?
本作がきっかけで、『完全なる飼育』シリーズをやってみないかと声をかけていただきました。シリーズ一本目は新藤兼人脚本、和田勉監督と一番有名なのですが、その後若松監督も撮っていて、好き勝手なことをやっているんです(笑)シリーズもののエンターテイメント作品に声をかけてもらったのは初めてだったので、うれしいです。今までは自分の企画として自力でこぎつけたところがありましたから。観ている側をエンターテイメントとして引っ張れる映画を作っていきたいですね。一方で、インディペンデント系のものをやっていける二本立てで考えられれば幸せです。

―――最後にこの作品で一番の見せ場は?
本当に役者の方々が体当たりの演技をしていて、役者の才気と意欲で成り立っている映画だと思います。それを観てほしいですね。


万引き、セックス依存症、アルコール依存症と、様々な症状に陥る人間や、バブルの栄光をひきずった人間など、人間動物園さながらのきわどいキャラクターが勢揃いの本作を観ていると、人間は何かに依存しなければ壊れてしまう生き物なのかという想いが胸をよぎる。本作で描かれる、様々なトラウマから依存バランスが保てず壊れてしまった人たちは時に観るのが辛くなるが、そこを剥き出しにするのが片嶋流なのだろう。インタビュー中でも話題にのぼった有森也実や、二作連続主演となる韓英恵の鬼気迫る演技は言うまでもなく、今、一番旬の俳優、綾野剛がライブシーンも披露しながら、バブル時代の寵児となる石山をナルシスト度満点で演じ、新しい一面を垣間見ることができる。母親の愛に気付かずに育った女が、死の間際に見たものは何か、ぜひ劇場で確かめてほしい。(江口由美)

yokomichi-1.jpg

yokomichi-550.jpg

『横道世之介』高良健吾、吉高由里子 舞台挨拶

(2013年1月29日大阪ステーションシティシネマにて)

ゲスト:高良健吾、吉高由里子

(2013年 日本 2時間40分)
監督・脚本:沖田修一  脚本:前田司郎
原作:吉田修一著『横道世之介』毎日新聞社 文春文庫刊
出演:高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、伊藤歩 、綾野剛、井浦新、余貴美子、きたろう

2013年2月23日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、T・ジョイ京都、神戸国際松竹、109シネマズHAT神戸他全国ロードショー

公式サイト⇒ http://yonosuke-movie.com/

©2013『横道世之介』製作委員会


yokomichi-1.jpg 横道世之介という一度聞いたら忘れられないような名前の青年が織りなす愛と友情の軌跡。世之介と出会ったすべての人々の心に輝石をもたらす感動作を作り上げたのは、『南極料理人』『キツツキと雨』の沖田修一監督。掴みどころのない不思議な青年世之介を演じたのは、『おにいちゃんのハナビ』『軽蔑』の高良健吾。世之介の彼女となる実業家の娘・祥子を演じるのは、『婚前特急』『僕等がいた(前後篇)』の吉高由里子。二人は、5年前の『蛇にピアス』で初共演、今回2度目の共演となる。息が合ってるのか合ってないのか、対称的な舞台挨拶で会場の観客を魅了した。


【最初のご挨拶】

高良:今日はお越し下さいましてありがとうございます。
吉高:大阪の皆さんこんばんは~、大阪以外からも来て頂いた方もおられると思いますが、本当にありがとうございます。2時間40分長いですが、見終わった後、自分の身の回りのちょっとしたことが好きになったりすると思いますが、どうぞ最後までごゆっくりお楽しみ下さい。

yokomichi-s1.jpg――― 「横道世之介」の原作を読んだ監督が、この主人公は高良健吾君っぽいね~と言われたらしいですが?
高良:監督とは5年前の『南極料理人』で初めてお会いしたのですが、そう仰って頂いて大変光栄ですし、監督がそう仰るのなら、多分その通りだと思います。この台本読んだ時に、世之介は目の前の人や出来事、風景などにちゃんと反応しているな、狭い範囲で生きていても世之介なりの関わり方をしているなと感じました。また、普通の青年と言われますが、僕から見れば理想的な生き方をしている青年だと思いました。

――― 共感しながら役を演じていたのですか?
高良:半径の狭いところで芝居を終わらせたかったし、答えを見せたくなかった。観客の皆様には、世之介流の生き方を自由に感じて頂ければいいかなと思いました。笑って下さいという芝居はしていないのですが、自然体の中で面白く感じて頂ければいいかなと思います。

yokomichi-s2.jpg――― そのヒロインを演じられた吉高さんは、祥子さんの役について監督からは?
吉高:沖田監督からは特別な指示はなかったです。ただ、テストの時に、「今のはアリ、ナシ」とか言われましたが、本番では自由に演じてました。

――― 映画の中では笑えるシーンも多かったようですが?
吉高:本番中、可笑しくて、ホントに笑っていました。

――― 1987年から始まって2003年までを描いています。その間、世之介はいろんな人と出会っていきますが、その度にテンションも変わっていったりしたのですか?
高良:繋がりとかは考えなくて、自分が学生の時でも、毎日テンション違ったし、行動範囲も狭かったので、目の前にいる人に対しても普通に接していました。相手が同じ人でもテンションは違いました。登場する人たちもそれそれぞれ変わったことをしていることが多く、それが面白いですよね。

――― 多彩なキャスティングできっとお楽しみ頂けると思いますが、吉高さんはこの映画をご覧になって感じたことは?
吉高:関係者と一緒に試写室で初めて見たのですが、予想していないところで笑っていたのに驚きました。何でもないようなところで笑われて、何だか不思議な感じでした。公開されたら、映画館に確かめに行きたいような気がしています。自分が出ている映画でもう一回見たいと思うことはあまりなかったのですが、2月23日公開されたら、お金払って見に行きたいと思います(笑)。

――― 是非、ここ大阪ステーションシティシネマにもお越し下さい。
吉高:予想していたより大きい劇場だったので、ニヤニヤ、ヘラヘラしています(笑)。

yokomichi-s3.jpg――― 5年前『蛇にピアス』で共演されてますが、お互い変わったなと思うところはありますか?
高良:出会った時から変わった人だな~と思いました。今でも吉高さんは吉高さんだと。でも、お互い成長しているところもあるし、前はネガティブなことを話していましたが、視野が広くなったなあと感じました。
吉高:現場にいる高良さんを見るのは2度目ですが、現場を楽しもうと自ら動いている点は前と全然違うなと思いました。変わらない点は、自分の意見をちゃんと持っているし、相手と変に擦り合わせようとしないところが信頼できるところです。あとは、5年前より4~5㎏太いよね? と(笑)。

――― えっ、どういうこと?
高良:この撮影の前にヘビーな『罪と罰』という作品に出演して痩せちゃったので、世之介では太腿をパンパンにしたくてパクパク食べてたら、吉高さんも同じようにパクパク食べてました。なんで吉高さんまで食べるんだろう?って(笑)。
 yokomichi-s4.jpg
吉高:高良君が美味しそうに食べているのを見たら嬉しくなって、いつも間にか同じように食べてました。出来上がった時の自分を見たらびっくり!こんなに丸かったっけ?… は~い(笑)
――― 健康的で、映画に元気をもたらしてくれてるようでいいじゃないですか?
吉高:この役に合っていたようで、結果オーライ!って感じです(笑)。

――― 映画の中で16年後というのがありましたので、お二人の16年後はどうなっているでしょうか?
高良:41歳です。あまり先のことは考えられないです。25歳までは想像できていたのですが、その先は分からないです。
吉高:40歳ですね・・・カッサカサになってなきゃいいんですが…(笑)
――― お肌がですか?
吉高:お肌も全部です。潤っていればいいかなと。ちょっとした変化に気付けるような大人になっていればいいかなと思いま。
――― 16年後、映画の舞台挨拶などでお会いできたら嬉しいですね。
吉高:何してるんでしょうね~干されないよう気を付けます(笑)。

yokomichi-s5.jpg――― 最後のメッセージを。
吉高:25歳になったら、もっとしっかりした舞台挨拶ができるように頑張りたいと思います。取材などで何度もこの映画について語りながら、益々この映画が好きになってきました。皆さんも見終わった後、今生きている時間をもっと好きになると思います。長い時間ですが、よろしくお付き合いください。
高良:今日は本当にありがとうございました。この映画をご覧になったら、普段の日常が特別なものに感じたり、キラキラしたものに見えたりすると思います。登場人物と見ている景色は違えども、みなさんが通ってきた時の感情と重なり、懐かしく思って下さるのではないかと。この映画は説明しながら作っていないので、見終わった後も続いていきます。みなさんで自由に育てていって下さればいいなと思います。ツイッターなどで広めてくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。


 物静かに語る高良健吾に対し、天然というか、キュートな語り口で観客の笑いをよんでいた吉高由里子。計算してできるキャラクターではない。そんな吉高由里子が映画の中で使う「ざあます」言葉が余計に可笑しみを生み、世之介の行く末の切なさを際立たせる。誰もの記憶に残る純朴な世之介の笑顔は、きっとあなたの心にも温もりをもたらすと思います。横道世之介くんに会いに行ってあげてください。

(河田 真喜子)

London12-1.jpgロンドン映画祭で日本を代表する2大女性監督、蜷川実花&西川美和が初対面!映画「ヘルタースケルター」公式上映レポート

現在開催中の第56回ロンドン映画祭に『ヘルタースケルター』を正式出品した蜷川実花監督(39)が、10月12日(金)の公式上映に合わせて渡英、舞台挨拶と来場者とのQ&Aを行った。
 さらに、同映画祭に同じく最新作『夢売るふたり』を正式出品し、渡英した西川美和監督(38)と初対面も実現。女性監督で、名前も実花と美和、イニシャルもMNと共通点の多い二人だが、会うのはロンドンの地が初めて。スケジュールの都合上、長い時間を共にすることは叶わなかったものの、日本を代表して参加した映画祭で、お互いの健闘を讃え合った。

蜷川監督はロンドン映画祭に初参加ながら、『ヘルタースケルター』上映のチケットは即完売という人気の高さが話題。舞台挨拶では大きな拍手と歓声で盛り上がった。

西川監督もロンドン映画祭に初参加。『夢売るふたり』のチケット即完売し、上映に先立ち行われた舞台挨拶では、かつて是枝裕和監督の下で助監督をしていた頃に観光でロンドンにいた際、是枝監督の『誰も知らない』(04)が同映画祭で上映され、師匠の作品が映画祭で上映されるのを指をくわえてみていたというエピソードを告白。今回、自身の監督作がロンドン映画祭で上映された事に喜びを爆発させた。


【蜷川実花監督『へルタースケルター』舞台挨拶/Q&Aレポート】
  
London12-2.jpgこの日の上映は金曜日の午後という時間帯だったが、チケットはすぐに完売という人気の高さが話題になっていた『ヘルタースケルター』。紫のシルク・ドレスで壇上に立った蜷川実花監督に大きな拍手と歓声があがった。
司会者が「ニーナに質問してみましょう」と言った途端、場内からは穏やかな笑い声顔が起こった。「ごめんなさい。ミカだったわ」と司会者はすぐに訂正。ニーナとは監督の実父である蜷川幸雄氏の英国でのニックネームだったからだ。はにかみながら笑顔を浮かべる監督に再び場内が盛り上がった。主役のりりこを演じた沢尻エリカが日本ではスキャンダラスな女優としてマスコミで取り上げられていたことは英国でも知れ渡っている。それほど手強い女優から出演をオーケーするまでに至った経緯は観客も含め、多くの人達にとって興味津々の話題だったようだ。
「ご本人もこの役への想い入れがあったので、説得したというより『絶対大胆にやった方がかっこいいから、信じてください』と正直に言いました。出演が決まった時から彼女には覚悟ができていて、ともに戦士として戦った感じです」

【西川美和監督『夢売るふたり』舞台挨拶/Q&Aレポート】

London12-3.jpgカンヌ映画祭の監督週間に出品された『ゆれる』が国際的に高い評価を受けて以来、映画ファン達から熱い視線を向けられ続けている西川美和監督。あっという間に完売となったチケットをなんとか入手しようとチケット売り場で待ち続ける人達の姿も見かけるほどの注目度。
この日にロンドン入りしたばかりの監督は観客に混じって、作品をじっくり鑑賞。「ロンドン映画祭に参加するのは初めて」と普段はクールな監督もこの日は嬉しそうだった。
「夫婦の物語がスタート地点。夫婦とは究極の相棒。結婚生活には楽あれば苦あり。小舟に乗って波を超えていく。漕ぎ出していく方向が、間違えば犯罪の方向へ。二人の本質が明確に見えてくるはず」この映画には普通の映画には登場しないような女性達が描かれていて、英国人女性達は共感したようだ。
「日本でも女性の生き方の選択肢が広がっている。夫を支えながら生きている古風な女性もいれば、男性の分野だった仕事にも女性が進出している。世界中で急速に選択肢が広か?り、生き方が多様化しているので社会の受け皿が整っていない。自分も含め、30 ~40代の女性達は手にいれた自由をどうしていいかわからないで当惑している。そこを今回スクリーンにしっかりと焼き付けてみたかった」西川監督の熱烈なファンと思われる中年男性から冒頭の火事のシーンでなぜロンチックなギター音楽を流したのかという質問対し「ミスマッチな音楽はかつて見た悪夢のようにしたかったから。逃げたいのに足が重たくて動かないという悪夢の中の身体感覚を出したかったから」と見事な答えが返ってきて、観客をうならせた。西川美和ファンは英国ではなぜか中年の男性が多い。


蜷川実花・監督×岡崎京子・原作×沢尻エリカ・主演
世界を挑発する極彩色エンタテインメント!
ヘルタースケルター
12月21日(金)DVD&Blu-rayリリース

■キャスト
沢尻エリカ
大森南朋 寺島しのぶ 綾野剛 水原希子 新井浩文
鈴木杏(友情出演)/寺島進/哀川翔
窪塚洋介(友情出演)  原田美枝子 桃井かおり
■スタッフ
監督:蜷川実花
原作:岡崎京子「ヘルタースケルター」祥伝社フィールコミックス
脚本:金子ありさ
音楽:上野耕路テーマソング浜崎あゆみ「evolution」(avex trax)
エンディングテーマAA= 「The Klock」(SPEEDSTAR RECORDS)
撮影:相馬大輔 美術:小泉博康 ENZO  照明:佐藤浩太 録音:阿部茂
編集:森下博昭、スタイリスト:長瀬哲朗 篠塚奈美 、ヘアメイク:冨沢ノボル 赤間直幸、プロップスタイリスト:さくら
【商品レンタル情報】
発売元:アスミック
販売元:TCエンタテインメント©2012映画『ヘルタースケルター』製作委員会©岡崎京子/祥伝社.
<DVD>
2012年/日本/カラー/本編:127分/音声:日本語ドルビー・デジタル5.1ch/字幕:なし/16:9 ビスタサイズスクイーズ収録/
片面2層
※仕様は変更になる場合がございます。
<Blu-ray>
2012年/日本/カラー/本編:127分/音声:日本語DTS-HD MasterAudio5.1ch/字幕:なし/HDワイドスクリーン(1.85:1)1920×1080p/MPEG-4 AVC/2層
★レンタル特典映像:予告編集※仕様は変更になる場合がございます。
セル発売元:株式会社ハピネット

作品レビューはコチラ


『夢売るふたり』全国大ヒット上映中!

 東京の片隅で小料理屋を営んでいた夫婦は、火事ですべてを失ってしまう。夢を諦めきれないふたりは金が必要。
再出発のため、彼らが始めたのは、妻が計画し、夫が女を騙す結婚詐欺!
しかし、嘘の繰り返しはやがて、女たちとの間に、夫婦の間に、さざ波を立て始める…
騙すのか?騙されるのか?愛してるのか?愛してないのか? 男と女の心と性を揺さぶる、衝撃のラブストーリー!

原案・脚本・監督:西川美和
出演:松たか子 阿部サダヲ   田中麗奈 鈴木砂羽 安藤玉恵 江原由夏 / 木村多江 やべ きょうすけ 大堀こういち 倉科カナ/伊勢谷友介/古舘寛治 小林勝也/香川照之/笑福亭鶴瓶
製作:「夢売るふたり」製作委員会/企画・製作プロダクション:オフィス・シロウズ/配給:アスミック・エース
公式サイト⇒yumeuru.asmik-ace.co.jp

作品レビューはコチラ

  1 2 3 4