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記者会見の最近の記事

masaokun-s1.jpg『LOVEまさお君が行く!』

ゲスト:香取慎吾、広末涼子、まさお(犬)

(2012 日本 1時間45分)
監督:大谷健太郎
出演:香取慎吾、広末涼子、光石研、成海璃子、木下隆行、寺島進他


2012年6月23日~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都他全国一斉公開
公式サイト⇒
http://www.love-masao.com/


 テレビ東京の動物バラエティー番組で犬が売れない芸人と旅をする「まさお君が行く!ポチたまペットの旅」。その実話エピソードを元にした感動物語が、香取慎吾主演でスクリーンに登場する。 売れない芸人松本君と食いしん坊なラブラドール・レトリーバーのまさお君が繰り広げる旅と友情、松本君を支えてきた恋人里美との恋の行方、そしてまさお君との永遠の別れ。お茶の間に愛されながら、惜しまれつつこの世を去ったまさお君との思い出や感動がいっぱいの本作公開に先駆け、大阪帝国ホテルにて記者会見が行われ、香取慎吾とまさお君、そして広末涼子が登壇した。
 途中でまさお君が興奮して吠え続ける場面もあったが、映画の松本君さながらの香取慎吾がまさお君とコミュニケーションを取りながら、落ち着かせる姿も微笑ましい会見となった。

masaokun-1.jpg━━━香取さんはまさお君と絡みのあるシーンがほとんどだが、どうやってコミュニケーションを深めていったのか。
香取:もともと犬は大好きで、一番飼いたかった犬種が偶然ラブラドールだったので、撮影でもこういう形で一緒にいれてよかったです。あまりいい感じではないコミュニケーション状態ではじまる話だったので、最初はほとんどコミュニケーションをとらずに、本番でリードをもらって、終わったら離れてといった状態でした。順撮りに近い形で撮影できたので、後半だいぶんいい感じになったときに仲良くなる撮影ができました。

━━━まさお君との撮影で、苦労したエピソードは?
香取:(まさおは)お芝居ができる子ではないですね。訓練された犬だときちんと背筋を伸ばしてピシッとしてるんですが、見ていてちょっと違うなと思ったら、偶然預けられていたこの子だったんです。この姿に監督が「これだ!」と思って飼い主さんに連絡を取って、「映画の主役なんですが、いいですか。」と。僕からしたらとんだ迷惑で(笑)、悪い意味ではないですが、何も分からない子でしたから。でも難しいだろうなと思うところで、本当におとなしくしていたりして、「まさお君はもしかしたら天才なんじゃないか。」と思ったりもしました。


masaokun-s2.jpg ━━━松本君とまさおの友情だけでなく、松本君と里美の恋愛の行方もハラハラさせられるが、広末さんからみた見所は?
広末:松本君とまさお君だけなら仲良しドタバタ劇のロードムービーになるところですが30代を迎えて結婚を意識したり、松本君が売れない芸人で実家から呼び戻されたりと、里美の存在はすごく現実とリンクするリアリティーを生む役でした。最初から松本君との別れを予感していたり、脚本だけ読むとシリアスになりそうでしたが、きっと二人で過ごした10年間は楽しかったことを感じさせるようなお芝居を意識しました。


━━━広末さんとのシーンで印象に残ったところは?
香取:二人の状況がすごく悪くて、里美がいなくなるときに、お好み焼き屋で声をかけることもできない。今の状況を謝るでもなく、先の発言をするでもなく、何もできずに会計までしてもらって申し訳なくても何もいえない。このだめっぷりが大好きです。本当に何もいえないのがすごくリアリティーがあります。ぼくは、そんな経験はありません、スーパースターなので(笑)。

━━━松本君の漫談のシーンはすごくリアリティーがあったが。
香取:最近、綾小路きみまろ師匠の一番弟子になりましたが、本作はその前に撮影をしていたので漫談の経験はありません。でもスマスマでコントをたくさんやらさせてもらっているのは近いところがあったかもしれません。あのシーンはやっていて超楽しかったです。一応台本はあるのですが、直していいと監督もおっしゃったので、松本君として、香取慎吾として、こうした方がおもしろいというところは順番を入れ替えたりしました。監督には尺だけ聞いて、6分ぐらいを自分で計りながらやりました。

masaokun-s3.jpg━━━SMAPのメンバーで誰をペットにしたいか。
香取:つよぽん(草なぎ剛)は今でもペットみたいなので、あえて木村君。ペット扱いは今後20年ぐらい僕はできないと思うので。
広末:香取さんがいいです。香取さんの食べっぷりが大好きなんです。大きなお口でたくさん食べられて、気持ちがいいですよ。稲垣さんとか木村さんだと、餌にうるさそう。


━━━香取さんからみた広末さんの魅力的な点は?
香取:見れば分かるじゃないですか!(笑)こうやって共演するのは初めてで、もっと小さい頃から涼子ちゃんとお仕事をさせてもらっていましたが、改めてかわいいだけではなく、とてもきれいな大人の女性で素敵ですね。
僕も結構本番の瞬間に相手の役の方を好きになるんですが、涼子ちゃんは本番で松本君のことを見ている好きさ加減が半端じゃなくて、危なく香取慎吾に戻りそうな鋭さがありました。


━━━現場でのまさお君のエピソードは?
香取:犬は人に癒しを与えると言いますけど、本当だなと思います。この子がいるだけですごく現場の空気が和むんです。撮影の現場でアシスタントの子たちがぐったりしてきたときに、合間にまさおを触って、夜中で疲れてるはずなのにいい笑顔になっているのを見てすごいなと思いました。それによって、ちょっとほんわかした空気になるんです。今まで経験した現場とは違いますね。
広末:まさお君の座り方が好きです。調教された犬だとピシッと座るんですよね。ウロウロして、草食べてるような歩き方もラブラドールだとなかなかできないんじゃないかと思うんです。

━━━売れない芸人役だが、参考にした芸人はいるのか?
香取:売れない芸人さんや、売れていたのに売れなくなった芸人さんや、どん滑りの芸人さんなどたくさんの方とお仕事をしてきたので、引き出しはたくさんあります。この人とは言いづらいですが、ポンと浮かぶところでは狩野英孝さん。あの感じでちょっと愛されるというか、僕は愛してないですけどね(笑)


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記者会見後に大阪城公園で行われたおさんぽイベントでは、まさお君のトレードマーク「赤いバンダナ」を巻いた関西のまさお君仲間(犬)たちと飼い主50組が大集合。先頭を切って歩きながらも、お堀の方へ寄り道をするまさお君は映画の中のうろうろ歩きそのもの。一番寄り道し、一番吠えたまさお君は、仲間たちとともに大阪城をバックに記念撮影に収まり、香取慎吾、広末涼子とのお城おさんぽを満喫したようだ。犬好きならずとも、まさお君と松本君の不器用な二人が奏でる友情に心温まるこの夏一番のハートフルなワンワンLOVEストーリーをお見逃しなく!(江口 由美)

(C) 2012「LOVE まさお君が行く!」製作委員会

 

 

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(左からバリー・ソネンフェルド監督、ジョシュ・ブローリン、ウィル・スミス、トミー・リー・ジョーンズ)


 『メン・イン・ブラック3』ジャパンプレミア開催!!~世界で唯一!日本にMIBメンバー総集結!!

MIB3-p.jpg■原題:MEN in BLACKIII(in3D)
■北米配給:ソニー・ピクチャーズ
■製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
■監督:バリー・ソネンフェルド 『メン・イン・ブラック』、『メン・イン・ブラック2』
■脚本:デヴィッド・コープ 『ジュラシック・パーク』、『ミッション:インポッシブル』、『スパイダーマン』
■出演:ウィル・スミス 『メン・イン・ブラック』、『メン・イン・ブラック2』、 トミー・リー・ジョーンズ 『メン・イン・ブラック』、『メン・イン・ブラック2』、 ジョシュ・ブローリン 『トゥルー・グリッド』、 エマ・トンプソン 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
2012年5月25日(金)~TOHOシネマズ 日劇ほか 日米同時公開
公式サイト⇒ 
http://mib-3.com/

(C)2011 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.
 

 スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、ウィル・スミス、トミー・リー・ジョーンズ主演で贈る全世界待望のSFアクション・エンターテインメント『メン・イン・ブラック 3』(3D)のジャパンプレミアが、5月8日(火)に六本木ヒルズアリーナにて開催。MIBシリーズお馴染みのエージェントコンビ“J”と“K”ことウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズ、そして今回からシリーズに参加した若き日の“K”を演じるジョシュ・ブローリンや、MIBシリーズの生みの親、バリー・ソネンフェルド監督など『メン・イン・ブラック 3』のフルメンバーが総集結し、会場のファン500人を歓喜させた。更に今回、トミー・リー・ジョーンズがプロモーションに参加するのは日本だけという事もあり、世界で唯一実現するMIBシリーズ最強コンビの姿をカメラに収めようと、会場には100名のマスコミが大挙して詰めかけ、会場はファンとマスコミの熱気に包まれた。 


『メン・イン・ブラック 3』ジャパン・プレミア概要

●日程:5月8日(火)
●場所:六本木ヒルズアリーナ
●登壇ゲスト:ウィル・スミス/トミー・リー・ジョーンズ/
ジョシュ・ブローリン/バリー・ソネンフェルド監督
●レッドカーペットゲスト: 黒にちなみ、黒谷友香、黒豆しば、くまモン(MIBバージョン)、
道端アンジェリカ&浦浜アリサ率いるWomen IN BLACK (黒を纏ったスタイリッシュな総勢26名のモデル)

【イベント概要】
『メン・イン・ブラック 3』レッドカーペットでは、ゲストが登場するたびに集まったファンからは大きな歓声が沸き起こり、ウィル・スミス、トミー・リー・ジョーンズらは、握手やサインなどファンサービスにたっぷりと時間をかけていました。 アリーナ舞台挨拶では、「MIB3」の大きな3Dロゴからキャストが登壇。最後には本イベントをこの場にいるファンだけの特別なものとするために、会場にいる観客以外の記憶を消す、巨大な記憶消去装置「ニューララザー」も登場。 ファンと登壇ゲストらは、記憶が消されないようサングラスをかけ映画の世界観にあわせた大盛り上がりのイベントとなりました。 その後、TOHOシネマズ 六本木ヒルズでのプレミア試写前にも劇場の中で舞台挨拶を行い、レッドカーペットイベントでのハイテンションのままのトークに、観客の熱気も最高潮に達しました。

  【レッドカーペット・ステージ挨拶】

MC:一言ずつご挨拶をお願いいたします。
バリー・ソネンフェルド監督:本日はお集まりいただき、ありがとうございます。 『メン・イン・ブラック 3』はMIBシリーズの中で、最高の出来だと自負しています。しかも3Dです。 どの3D映画よりも最高の3Dです。 俳優陣がすばらしい演技を見せてくれましたし、笑って、最後には涙してしまう。そういう作品になっていますので、ぜひ楽しんでください。


MIB3-s3.jpgウィル・スミス:トーキョー!!!!(絶叫)本当に興奮してるよ! 観終わったあともずっと興奮が続く最高の映画をぜひ楽しんでください!

トミー・リー・ジョーンズ:こわいエイリアンもかわいいエイリアンも出てくるんだ。 僕はかわいいエイリアンが好きなんだけど、そのかわいいエイリアンを武器にするシーンもあるんだよ。期待して観て欲しいね。
ジョシュ・ブローリン:トーキョー!!サイコー!!!!(絶叫)ここに来られて本当にうれしい!
MIBシリーズでは下っ端だけど、すばらしい俳優と共演できて本当に光栄だよ。

MC:過去にはマイケル・ジャクソンなど、本作のシリーズはスーパースターのカメオ出演も話題のひとつですが、今回はどなたが出ていますか?
バリー・ソネンフェルド監督:そうだな……レディ・ガガ!(観客席から驚きの声)。それにジャスティン・ビーバー、ティム・バートンも出てるよ。他にもいろんなスターが出てるから、よーく目を凝らして本編を見て欲しいね!

MC:シリーズ初の3Dということで、特に注目してほしいシーンは?
ウィル・スミス:タイムスリップするときに、ニューヨークの高層ビルから飛び降りるシーンだね!!
足がすくむほどのビルの高さと、そこから落下する臨場感が、3Dで体験できるんだ!ここは絶対に見逃さないでほしい。

MC:エージェントKは無愛想な役柄ですが、演技のコツはありますか?
トミー・リー・ジョーンズ:コツなんかないさ(笑)。自分そのままだよ(ウィル・スミス爆笑)。まだまだ勉強中だよ。

MC:若き日のエージェントKを演じる上で、トミーの研究をしたそうですが・・・
ジョシュ・ブローリン:本人を目の前にして言えないけど、全然していないよ(笑)。でも、トミーは僕の演技を気に入ってくれたよ。

 

MC:続編のご予定は?
バリー・ソネンフェルド監督:昨日、ソウルで会見があって、そのときにウィルが僕にMIB4のアイデアが浮かんだとささやいたんだ。3も2のときのウィルのアイデアがきっかけだったから可能性はあるかもね!

MC:多彩な演技で魅了されます。どうしたらそんな演技ができるのですか?
ウィル・スミス:アリガトー!楽しんで演じていたら自然に生まれたんだよ。映画を観て楽しんでほしい。お客さんにそういう思いを差し上げるつもりでやっているんだ。

MC:トミーは今回、世界で唯一、日本にだけ来ていただいたんですよね。日本のファンにメッセージをお願いします。
トミー・リー・ジョーンズ:私は本当に日本が大好きです。来られて幸せです。
戦後65年、日本とアメリカは文化の交流をし、共通点もたくさんあります。私にとって日本は第二のふるさとです。ファンのみなさんがいてくれて、本当にうれしいよ。

MC:今回、MIBシリーズの新たなメンバーになったわけですが、監督やウィル、トミーに伝えたいことはありますか?
ジョシュ・ブローリン:このファミリーに入れて、そしてこの関係がこれからも続いていくかもしれないというのは、これ以上ないほど光栄なことだよ。


【TOHOシネマズ 六本木ヒルズ 舞台挨拶】

MIB3-s2.jpgMC:一言ずつご挨拶をお願いいたします。
ウィル・スミス:一生懸命、この映画を作りました。観終わった後もずっと興奮が冷めない内容だから、楽しんで下さい!!
トミー・リー・ジョーンズ:(会場のお客さんが3Dメガネをかけているのをみて)サングラス、似合ってるね(笑)。いつもかけている僕たちの気持ちがわかると思うよ!
ジョシュ・ブローリン:今回は3Dが本当にすばらしいんだ、最高に楽しんでください!
バリー・ソネンフェルド監督:みなさん、おめでとうございます! 今までで最高の3D映画をご覧になれるのですから。 ここにいる三人の俳優は本当にすばらしい演技をしてくれました。
絶対に気に入っていただける作品に仕上がっています。

MC:本日は、ウィルの呼びかけで東日本大震災の被災地復興に携わった方をお招きしております。
ウィル・スミス:私たちにとって本当に大切なこと、それは助け合うことです。本日はこの映画のためにお越しいただき、本当にありがとうございます。

MC:ウィルとトミーは10年ぶりの再会ですが、撮影時のエピソードを教えてください。
ウィル・スミス:トミーとは16年の付き合いなんだ。3の撮影初日、時が過ぎていないような気がしたよ。
トミーは僕のことが大好きなんだ。だから気が合うのさ!
トミー・リー・ジョーンズ:(会場のお客さんといっしょに)リアリー?(本当?)

MC:楽しい撮影現場だったんですね。ジョシュは新しいメンバーですが、いかがでしょう?
ジョシュ・ブローリン:4時間ぐらい話せることがあるよ!映画が上映できなくなってしまうね。
バリー・ソネンフェルド監督:じゃあ、ストップ!(笑)みなさんお待たせしました!『メン・イン・ブラック 3』をぜひ楽しんでご覧ください!


【解説】
全宇宙の秩序と平和を守るため、人類にまぎれて地球に生息するエイリアンの行動を監視する政府の極秘組織=[MIB]。その第一線で活躍する黒づくめの敏腕エージェント"J"(ウィル・スミス)と"K"(トミー・リー・ジョーンズ)の抱腹絶倒コンビの活躍を描き、全世界1000億円を超えるメガヒットとなった超人気シリーズは、最新作でさらにスケールアップ。今回は時空を飛び越え、タイムスリップした「過去の世界」を舞台に壮大な戦いが繰り広げられる。さらに、エージェントKの無愛想な性格の秘密や、JとKの関係にまつわる驚愕の真実など、シリーズを通じてベールに覆われていたあらゆる謎の答えが、過去の世界で明らかになっていく!!

【STORY】
エージェント"J"と"K"のコンビは今日も奇想天外なエイリアンたちを監視し、その暴走を取り締まるべく奔走していた。ある日、Jは単独で事件を追うKを不審に思い、その真相を問い詰めるも全く取り合ってもらえない。翌日、不信感を募らせたJはKを探すが、どこを探してもKの姿が無い。さらにMIBの上司からは、「Kは40年前に亡くなった」という理解不能な発言が飛び出す。混乱するJ。何者かが過去を書き換えたのか?そして、時を同じくしてエイリアンの侵略が一斉に始まり、地球は未曽有の危機に陥る?果たしてKの身に何が起こったのか?そして、黒幕はいったい誰なのか?すべての謎を解き明かし、地球の危機を救うため、Jは40年前の世界にタイムスリップを試みる!
(東宝東和リリースより)

(C)2011 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.
 


11.25-s1.jpg (2011年 日本 1時間59分)
監督:若松孝二
出演:井浦新、満島真之介、岩間天嗣、永岡佑、鈴之助、渋川清彦、大西信満、地曳豪、寺島しのぶ
2012年6月2日(土)~テアトル新宿、テアトル梅田 他にて公開
・作品紹介⇒こちら
・公式サイト⇒ http://www.wakamatsukoji.org/11.25/

(C)若松プロダクション


 若松孝二監督(76)の「実録連合赤軍 浅間山荘への道程」「キャタピラー」に続く“昭和三部作”の第3作「11、25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(6月2日公開)が完成し30日、大阪市内で若松監督と主演の井浦新(ARATA改め)が会見した。

━━━三島由紀夫の映画を撮る動機は?
若松監督:「連合赤軍」撮ってる時から、次は三島さんをやろうか、と思っていた。左(連赤)だけじゃなく、右も撮らなきゃいけないんじゃないか、と。映画の中で奥さん(寺島しのぶ)が言ってるけど、40年経って「何か起きたか」というと何も起きていない。


 11.25-s2.jpg━━━三島由紀夫氏の映画化には右も左もアレルギーがありそうだが。
若松監督:右翼の人からは「よく作ってくれた」と喜ばれた。偽名じゃなく、みんな本名使ったからね。左翼はインテリの割りにはアホなやつが多いな。パンフレットに出させてもらうために鈴木邦男さん(一水会顧問)や田原総一朗さん(ジャーナリスト)のコメントもらったら、この2人はベタ誉めだった。

━━━関係者から了解は取り付けた?
若松監督: (三島の)原作管理者に話はしたけど、原作を使うわけじゃないから。資料調べの時「盾の会」の人もいたけど、まだ5人残ってるからね。許可してくれなかった。三島さんの家で撮影したかったけど、それはだめだった。

 ━━━三島由紀夫役は大変だった?
井浦新:監督は4年前から準備していたそうですが、私は2カ月前まで聞いてなかった。うれしいより驚いた。「自分に出来るのか」と思った。監督の「俺は物まねとか再現を撮ろうと思ってない。お前の好きなようにやれ」という言葉に背中を押してもらった。その言葉で楽になった。三島さんは映像見てるし、60~70年代カルチャーに興味もあり知っていたけど(演じるにあたっては)引いて見ていた。本は読んだが、美しく描いた部分は全部排除して監督の台本をもとにした。監督には「どんな心を映し出すか」といつも言われている。三島だから、ではなく、いつもの若松組で、自決していった若者たちを夢想していった。


11.25-1.jpg━━━今回の撮影期間は?
若松監督:12日間。「キャタピラー」と同じ。1回目から「本番」だからね。うまくやろう、という気にさせないんだ。1回じゃないと三島さんの感じが出ない。打ち合わせは1回もやったことがない。

━━━三島由紀夫役の決め手は?
若松監督:誰が一番三島さんに近いか、いろいろ考えたがひと回りしてみると新のところに戻ってきた。候補は何人かいたんだよ。 

━━━三島役に決まってどうだった?
井浦:直前に右足を骨折して、出演を聞いたのはベッドの上。監督は「困る。とにかく治せ」と。追い込まれているうちに、撮影までには立って動けるようになっていた。気持ちがしっかりしていれば出来るのか、自衛隊での訓練シーンでは足を引きずり「もう俺はダメだ」というところは芝居じゃなく本当にしんどかった。

━━━三島由紀夫を演じて影響を受けたか?
井浦:日本に対して、自分のとらえ方を持っている人。日本の美しさを思う人だとは思うが、左右両サイドやっても、1回自分のフィルターを通しているので思想的に影響受けることはなかった。作品と監督のことしか考えてない。

━━━ARATAから井浦新に変わったが、この映画からか?
井浦: そうです。「三島由紀夫」の映画でエンドロールに「ARATA」が最初では美しくない、と思った。

━━━なぜ三島なのか? 彼は本当は何を考えてああいいことをしたのか?
若松監督: 連赤も(三島さんも)同じように、何かを変えようと思っていた。(割腹自殺は)三島さんの意思でやったのかどうか。(盾の会の)森田必勝に「いつやるのか」と追い詰められたのではないか。自衛隊が決起して革命が出来る、なんて三島さんも思ってなかった。死に場所を探していたと思う。だから、森田一人を連れて行った。永山則夫(永山則夫事件(1968年)=死刑判決→1997年執行)にも金嬉老(金嬉老事件(1968年)=無期懲役判決→のちに釈放)にも赤軍のハイジャック事件にも影響受けたけど(何故かは)僕自身もホントは分からない。

 ━━━その後に船戸与一(原作)の「海燕ホテルブルー」を撮っているが、連赤、三島を撮った後、何を撮りたいのか?
 
若松監督:次にやりたいのは「731部隊」だね。国家が隠そうとしているものをやりたい。残しておかなければならない。今の楽しみは映画撮ることだからね。
(安永 五郎)

(C)若松プロダクション
 

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 (C)2012 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
 

テイラー・キッチュ、浅野忠信、リアーナ、ピーター・バーグ監督ほか登壇!
空母のフライトデッキで初の記者会見
■日時:4月2日(月)
■場所:米軍横須賀基地 原子力航空母艦ジョージワシントン
■登壇者:テイラー・キッチュ、浅野忠信、リアーナ、ブルックリン・デッカー、アレクサンダー・スカルスガルド、ピーター・バーグ監督
 


『バトルシップ』

(2012年 アメリカ 2時間10分)
監督:ピーター・バーグ『ハンコック』 
製作:ブライアン・ゴールドナー、ベネット・シュニアー、サラ・オーブリー、ピーター・バーグ
VFX:ILM
出演:テイラー・キッチュ『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』/浅野忠信『47RONIN』『マイティ・ソー』/リーアム・ニーソン『アンノウン』『シンドラーのリスト』/リアーナ(映画初出演) 
配給:東宝東和  
4月13日(金)TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
公式サイト⇒
http://www.battleship-movie.jp/

【作品概要】
battleship-1.jpg台はハワイ。アメリカをはじめとする世界各国の護衛艦が集結して大規模な軍事演習が行われるなか、沖合に正体不明の巨大な物体が出現する。それは、地球からの友好的な呼びかけに応じて飛来したエイリアンの母船だった。
しかし、呼びかけを行った科学者たちの意図とは裏腹に、エイリアンは次々と未知の武器を繰り出し、激しい攻撃を仕掛かけてくる。その戦いの最前線に立たされたは、演習に参加していた米海軍の新人将校アレックス・ホッパーと、彼がライバル心を燃やす自衛艦の指揮官ナガタだった。

弱点も戦略も読めないエイリアンに対し、知力と体力の限りを尽くして立ち向かう海の精鋭たち。果たしてエイリアンの攻撃の目的は何なのか?アレックスとナガタはそれを阻止することができるのか?そして、彼らは地球を壊滅の危機から救うことができるだろうか!?


太平洋上に出現したエイリアンの侵略部隊と世界連合艦隊の壮絶な戦いを未曾有のスケールで描く本作は、『E.T.』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ジュラシック・パーク』といった映画史に残るヒット作を世に送り出してきたユニバーサル映画が100周年を記念して放つアニバーサリー超大作です。
この度、来日した本作主演のテイラー・キッチュ、世界の歌姫リアーナ、ブルックリン・デッカー、アレクサンダー・スカルスガルド、ピーター・バーグ監督、そして浅野忠信が一堂に会し、日本初となる空母ジョージワシントンでの記者会見を行いました。

原母ジョージワシントンのフライトデッキには、 日本が100名(スチール70名+ムービー30名)、海外が50名の あわせて150名ものプレスが集まりました。
米軍セーラーが敬礼で迎えるレッドカーペットは、 映画のワンシーンさながらに厳粛な雰囲気を醸し出すも、 主演のアメリカ海軍新人将校アレックス・ホッパー役のテイラー・キッチュ、 アレックスの部下・レイクス役のリアーナ、海上自衛隊の艦長・ナガタ役の浅野忠信、アレックスの恋人で理学療法士サマンサ役のブルックリン・デッカー、 アレックスの兄で司令官ストーン・ホッパー役のアレクサンダー・スカルスガルド、 そしてピーター・バーグ監督が次々に現れると一変、 会場は華やかなムードに包まれました。
会見では登壇者6名が本作にかける情熱や見どころ、 そして撮影の裏話などを語りました。
記者からの質疑応答では、時間内に収まりきらないほど 多くの質問が寄せられ、注目の高さがうかがえました。

【会見内容】
MC:一言ずつご挨拶お願いします。
ピーターバーグ監督:今日はこの場にお越しいただき、ありがとうございます。このときは僕だけでなく、みんなにとってエキサイティングな時間です。この映画の企画は、父が海軍マニアだったのもあって、少年のころから考えていたものです。この場にいる水兵のみなさんにも感謝を。空母ジョージワシントンの上で会見ができることを誇りに思っています。
リアーナ:こういったチャンスを与えてくれてありがとう!海兵のみなさんと同じレベルまで演じられたかわかりませんが、がんばりました。この艦を母艦としている兵士のみなさん、ホームに招いてくれてありがとう!
浅野忠信:2年前の今頃、海上自衛隊の艦に乗せてもらい説明を受けました。その後ハワイで撮影し、今この艦に乗れて幸せです。映画がヒットすることを願っています。
アレクサンダー・スカルスガルド:この映画に出られたことは栄誉であり、ありがたいことです。今日この日を楽しみにしていました。1年半ぐらい前に撮影が始まりましたが、多くの人のサポートがなければできなかったので、本当に感謝しています。
テイラー・キッチュ:パールハーバーで6か月間撮影し、兵士のみなさんとその家族を見て、いろいろな犠牲を払ってがんばっている姿に影響を受けました。今みなさんの前に立つことができて本当にうれしいです。

<質疑応答>
Q:(監督へ)日本初という空母での会見、ご感想をお願いします。
監督:『バトルシップ』は幸運にめぐまれました。海軍の空母や駆逐艦など使わせていただき撮影ができました。そして乗組員たちの力量に驚嘆しました。戦艦が持っている力は大きく、それを多くの人のために良いことのために使うことができることを、今この場で感じることができます。


Q:(監督へ)お父さんが海軍オタクだったそうですが撮影時、特にこだわったことはなんですか?具体的なシーンや事柄をおしえてください。
監督:『バトルシップ』のいちばん大切なことは、夏の娯楽作品だということです。ファミリーに観てほしいので、楽しい映画にしたいと思いました。海軍マニアな父の息子ですし、従軍している友人もたくさんいるので、この映画を観た水兵たちに「そうそう、こうなんだよ」と言ってもらえるような映画にしたくて、映画批評家ではなく水兵たちをまず念頭に置いて映画を作り上げました。

Q:(リアーナへ)初の女優としての経験はいかがでしたか。
リアーナ:最高の体験でした。もちろん緊張したし初めての撮影から台本になかったシーンで、ナーバスになる暇もありませんでした。本当にすばらしい共演者に恵まれました。また機会があったら、挑戦したいです!

Q:(テイラー、浅野さんへ)リアーナとの共演の感想をお願いします。
テイラー:どんな役者であっても、初だろうが60本目の映画だろうが、いちばん大切なのは、撮影時に心をオープンにして演じること。彼女は監督のプロセスに乗っ取って反応し演じていたので尊敬しました。
浅野:歌手として活躍されているので、最初から存在感がありましたね。すでに役柄として説得力があって、海兵そのものでした。

Q:(浅野さんへ)自衛隊の艦も見学されたとのことすが、日本とアメリカの艦の違いなどありましたか。
浅野:怒られてしまうかもしれませんが、日本はやはり真面目だからか、とてもきれいで、アメリカのほうはところどころラフなところが…コーラのキャップが挟まっていたり(笑)。汚いというわけではないんですよ!
監督:一言、付け加えさせてください。アメリカのほうはとてもクリーンなんです。日本のほうはさらにクリーンというだけですよ(笑)。
(東宝東和リリースより)
 



battleship-wp1.jpg『バトルシップ』ワールドプレミア上映 レッドカーペット・舞台挨拶
■日時:4月3日(火)
■会場:国立代々木競技場 第一体育館

■登壇ゲスト:テイラー・キッチュ、浅野忠信、リアーナ、ブルックリン・デッカー、アレクサンダー・スカルスガルド、グレゴリー・D・ガドソン、ピーター・バーグ監督、ドナ・ラングレー(脚本家)、ほか
エグゼクティブ・プロデューサー:ブレイデン・アフターグッド
プロデューサー:スコット・ステューバー、サラ・オーブレイ、ベネット・シュナイアー
ユニバーサルピクチャーズ会長:アダム・フォゲルソン
ユニバーサルピクチャーズ共同会長:ドナ・ラングレー


4月13日(金)より公開となりますユニバーサル映画100周年記念作品『バトルシップ』(東宝東和配給)のワールドプレミアを4月3日(火)、国立代々木競技場 第一体育館にて監督のピーターバーグをはじめテイラー・キッチュ、浅野忠信、リアーナ、ブルックリン・デッカー、アレクサンダー・スカルスガルド、グレゴリー・ガドソン元大佐ら豪華キャスト陣も勢揃いした、レッドカーペット、舞台挨拶を行いました。

【イベント概要】
ユニバーサル映画100周年記念超大作『バトルシップ』のワールドプレミア上映前にレッドカーペット、舞台挨拶を行いました。レッドカーペットをゲストが歩く様子が場内のモニタに映し出されると、会場からは大きな声援がわきおこり、早くも大盛り上がり。
舞台挨拶では、ユニバーサル映画100周年を記念した特別映像も披露され、ワールドプレミアに華を添えました。

【舞台挨拶】
ユニバーサル映画100周年記念スピーチ
ユニバーサルピクチャーズ会長:アダム・フォゲルソン
本日『バトルシップ』のワールドプレミアをここ東京で行うことができて大変嬉しく思います。立ち上がりから3年以上、日米の才能が集結し、素晴らしいキャストに恵まれたわが社の特別な年の特別な作品がこの場でお披露目できて、嬉しいです。

ユニバーサルピクチャーズ共同会長:ドナ・ラングレー
世界中どこにいても映画で繋がることができます。2012年はユニバーサル映画が設立され100年目の特別な年です。特別な年の特別な作品『バトルシップ』をご覧になる前に、ユニバーサル映画の歴史をまとめた映像をご覧ください。

【特別映像上映】
※ユニバーサル映画100周年の輝かしい歴史をまとめた特別映像を上映いたしました。

MC:輝かしいユニバーサル映画の歴史が詰まっていた、素晴らしい映像でしたね。ユニバーサル映画100周年記念超大作『バトルシップ』のワールドプレミア上映が日本で行われることとなりました。まず監督から一言いただきたいと思います。
ピーター・バーグ監督:こんなにたくさんの人にお集まりいただきましてありがとうございます。私たちは今日ここに来られてうれしいです。あらゆる人に楽しんでもらえる映画をつくったつもりですので、とにかく楽しんでご覧ください。
日本とアメリカは、協力し合い助け合っています。アメリカは本当に日本を愛しています。日本も同じだと信じています。ですから、日本とアメリカが手を取り合いエイリアンに立ち向かうという日米の絆を描いた作品を手がけられて本当に嬉しいです。

MC:それではキャストの皆様にご登壇いただき、一言ずつご挨拶をいただきましょう。
テイラー・キッチュ:皆さんこんばんは。温かく歓迎していただきありがとうございます。日本でワールドプレミアが行えて嬉しいです。楽しんでください。
浅野忠信:日本が世界で一番最初に一般の客様に観てもらえることになって、しかもこんな盛大な場所でワールドプレミアが行えるなんて夢のようです。
僕自身もこういう場所でみるのははじめてなので皆さん皆さん一緒に楽しみましょう!
リアーナ:ハロー!トーキョー!! 本当にこの場にいられてエキサイティングだわ! 初めての映画出演が、こんな超大作なんて誇りに思うわ!
私は男勝りの役なんだけど、アクションに是非注目して楽しんでね!!
ブルックリン・デッカー:日本に来るのは初めてで、このような大作のワールドプレミアで来られること、そしてこのような場に立てることは貴重な体験で嬉しく思っています。みなさん楽しんでください。
アレクサンダー・スカルスガルド:皆さんこんばんは。こんな大きなステージに立たせてもらい一曲歌いたいところですが、テイラーに止められました(笑)。
悪天候の中こんなにたくさんの人に来ていただきありがとうございます。是非楽しんでください。
グレゴリー・D・ガドソン:こんばんは、私は初めて出演する映画でこのような
場に立てて非常に光栄です。皆さん是非楽しんでください。

MC:浅野さんこれから映画をご覧になる皆さんに一言メッセージをお願いします。
浅野:本当に今日は楽しいです。小さいころから面白い映画を観るのが楽しみで、
そして今面白い映画に出させていただき、この場に立てることが最高です。
今日は存分に楽しんで、気に入ってもらえたら友人や家族と何度でも観てください。

(東宝東和リリースより)

(C)2012 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
 


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 (左から、樹木希林、役所広司、原田眞人監督)
 

wagahaha-4.jpgゲスト:役所広司、樹木希林、原田眞人監督
(2012年3月17日(土) セントレジスホテル大阪にて)

 (2012年 日本 1時間58分)
監督・脚本:原田眞人
原作:井上靖「わが母の記~花の下・月の光・雪の面~」 (講談社文芸文庫所蔵)
出演:役所広司、樹木希林、宮﨑あおい、三國連太郎、南 果歩、キムラ緑子
2012年4月28日(土)~全国ロードショー
・作品紹介⇒こちら
・公式サイト⇒http://www.wagahaha.jp/


 文豪井上靖の母親への複雑な思いを綴った『わが母の記』が映画化された。昨年のモントリオール世界映画祭では審査員特別グランプリを受賞。長年「母親に捨てられた」という思いを抱いて生きてきた作家が、認知症で記憶を失いつつある母親の面倒をみるうちに母親の真意を知ることになる。
  年老いた親と共の暮らすことが少なった現代、特に認知症になった親の看護は苦難が多い。さらに、昨年の未曽有の大震災や大洪水などで多くの方が家族を失い、家族の絆の大切さが叫ばれるようになった今だからこそ、本作のテーマでもある家族の深い愛と絆の尊さが心に沁みる。
  4月28日の公開を前に主演の役所広司と樹木希林、原田眞人監督の合同記者会見が行われた。 会見は終始樹木希林モードで、爆笑会見となった。 


wagahaha-s3.jpgQ:(樹木希林さんへ)今回の役は今までのようなコミカルなおばあさん役とは違うようだが?
樹木:特に今までとは違う役だとは思わず、今回はこんな役なんだなと思って演じただけです。ただ、土台が原田監督で、全体の雰囲気が役所広司さんなら、私がどのようにやってもそこにうまく馴染むんじゃないかなと思いました。


 Q:(役所広司さんへ)そんな樹木希林さんと共演して緊張したことは?
樹木:ありません!(笑)
役所:樹木希林さんとのシーンが多かったので、ひとつの芝居を一緒に作りあげていくのがとても豊かな時間のように感じました。  

wagahaha-s5.jpgQ:(原田眞人監督へ)昭和の風景が色濃く出た素晴らしい撮影だったが、昭和の雰囲気を出すために特にこだわった点は?
原田:光と影かな。ロケハンもいつどこから光がさすかとか調べてました。ただ撮影期間1か月では天候に左右されることは必然で、予定を立てるのも賭けのようでした。それがプラスになったこともあります。例えば軽井沢の別荘のシーンでは、夏のシーンなのに雪が解けないのでどうしようかと…2日間というタイトなスケジュールの中で季節を渡って撮るというのが所詮不可能なこと。逆に神の恵みと思って3か月後のエピソードにして撮ったこともあります。そういう意味では恵まれてましたかね。
樹木:恵まれてるんじゃなくて、監督はそんな悪条件でもねじ伏せて、自分の中に取り込んでいく凄さを持っている。いいい意味で職人の潔さを感じました。傍にいて気持ち良かったです。脚本も全部自分で書けるので、それがいい結果につながったと思います。
原田:ありがとうございます!


Q:(役所さんと樹木さんへ)撮影中のエピソードや印象的なことは?
役所:印象的なこと……(考えていると)
樹木:(代わりに)特にないです!実際の井上邸で撮影ができましたから、役所さんが演じるナイーブな井上靖とか、書斎に座っている感じだとか、その背後に見える庭だとか、役所さんの存在もとても自然に感じられました。豊かな時間が過ごせました。特にエピソードというのはなかったです。でも、他に若い女優がいっぱいいましたから、そちらとはエピソードがあったかも?(笑)
役所:僕は若い女優さんらといる時間はあまりなかったです。殆ど希林さんといましたからね。やはり、本物の井上邸や軽井沢の別荘で撮影できたのは、作品にとっても私にとっても大きな力となったことは確かです。

wagahaha-s7.jpg Q:震災の影響はありましたか?
原田:撮影は3月10日に終わったので、特に影響はありませんでした。ただ、使っていたテープが仙台工場でしか作られてないものでしたから、撮影が延びていたら影響を受けていたことでしょう。今こそ戦後日本の3世帯の物語で家族の絆を感じとってもらえるのでは、と復興のエネルギーを映画に込めて編集作業をしました。
役所:ご家族を亡くされたり、一人ぼっちになってしまった方々にこの映画を見てもらうことで、元気を取り戻して頂けたらいいなと思います。
樹木:モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリという賞を頂いていた時には、日本は原発などで大変なことになっていました。そんな日本からやってきた映画ということで、大震前の日本に思いを馳せた上での賞だったのではないかと思っております。


 Q:(樹木希林さんへ)家族の愛と絆がテーマとなっているが、自ら家族との絆を絶つ人が多い中、どのように生きていけばいいと思うか?
樹木:そんな難しいことはわかりません。偉そうなことを言う前に、自分の頭の上のハエを払えよ!と言われそうです。ただ、今まで当たり前に思っていた死ぬ時のことが、いつどんな死に方をするのか分からなくなってきています。いつの時代でも、今ある幸せを当たり前と思ってはいないか?と。
余談ですが、今回役所さんを拝見していて、随分謙虚な方だと感じました。謙虚に考えれば、ものの考え方、家族との関係なども、また違うふうに思えてくるのではないかと、そんな気がします。


 wagahaha-s9.jpgQ:原田監督の演出について?
役所:原田監督作品には5作品出させて頂きました。ドキュメンタリータッチを基本に、台本の余白の部分では俳優たちに自由に演技をさせていい部分を切り取っていくという、登場人物の描写センスがいい。時代と共にテーマも変化していきますが、今回は小津安二郎からベルイマン、原田とつながっていくのが楽しみでした。緩急をつけた演出も光ってました。特に、今回は監督の故郷である静岡の沼津が舞台となってますので、今までの作品とは違うしっとりとした日本映画を完成させたように思います。
樹木:私の見方は少し違いますが、男の監督が陥りやすいところは、女優を選択する時に見誤るということです。(笑)今回はそう大きく見誤ってはいませんが、時々「えっ?そういうのが好きなの?」と思うことがあります…
原田:黒澤明監督も女優を見る目がなかったと言われています!(爆笑)。小津監督の失敗作と言われているものも、全部女優さんを見誤っているとか!?
樹木:そういう轍を踏まないようにというのが私の希望です。


 Q:本作は母への憎しみが描けて初めて深みが出ているように思われるが・・・?

原田:『しろばんば』が面白いと思ったのは、井上靖は5~6歳の自分にとっておぬいばあちゃんは愛人であって、母親を敵対視していたというところです、この三角関係が凄いな!と。『わが母の記』では『しろばんば』のそんなところを意図して脚本を書いています。本作ではおぬいばあちゃんは登場しませんが、50回忌の法要では井上家の許可を頂いて本物の写真を使わせてもらいました。最後には、主人公とおぬいばあちゃんと母親の想いを私なりに通したつもりです。
役所:母親に対してスネてるんだなあと。それをバネに作家として大成していったように思います。母親の方もそんな子供の気持ちは百も承知で見守っている。誰しも母親の想いを聴かずに別れてしまうことが多い中、この主人公は、記憶が薄れていく母親から息子への真意を聴くことができて本当に良かったなと思いました。50歳過ぎても母親の肌が懐かしく感じられたのではないかと。
樹木:おぬいばあちゃんに可愛がられたので、「生みの親より育ての親」という気持ちもあったのでしょうねえ。
原田:私の構想では、いつか『しろばんば』を撮る時には、おぬいばあちゃんを樹木希林さんにやってもらいたいと思っています!
樹木:もうすっかり認知症になっていて、セリフも覚えられないと思います!(笑)
(河田 真喜子)


 318-7.jpg『捜査官X』 (武侠/WU XIA)
ゲスト:ピータ・チャン監督

(2011年 香港・中国 1時間55分)
監督:ピーター・チャン
出演:ドニー・イェン、金城武、タン・ウェイ、ジミー・ウォング
2012年4月21日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際会館、ほか全国ロードショー
公式サイト⇒
http://sousakan-x.com/
 (C) 2011 We Pictures Ltd. Stellar Mega Films Co., Ltd. All Rights Reserved.


   第7回大阪アジアン映画祭のクロージング作品「捜査官X」が18日夜、中之島のABCホールで上映され、満員の盛況で映画祭を見事に締めくくった。これに先立ち、来日したピーター・チャン監督が記者会見した。

 sousakanx-1.jpg●中国伝統の武侠映画へのオマージュが感じられるチャン監督
(武侠)映画には小さいころから影響を受けてきた。中国で「武侠」というタイトルが物議を醸した。中国では6~7割がこのジャンルだから「ちょっと違うんじゃないか、と言われた。
 (武侠映画は)若い頃は好きなジャンルだったが、最近はあっちこっち飛んだりするだけ。実際の武術はどんなものだったのか、私は(拳が)当たった時にどうなるか、考えてみた。違う取り上げ方をした。
『武』は文字通りアクションだが『侠』には犠牲的精神の意味がある。この映画では主人公は犯罪者だし、犠牲心はどこにあるのか、と言われた。白黒はっきりしない、すべてがグレーだから。中国ではマーケティングでミスしたかな、と。
アクションとして武術の美しい動きはあり、ファンにはスーパーヒーロー的な側面があったと思う。私は武術が美しく見えるよりも打撃が体にどういう影響を与えるかを描いた。
私はこれまで、一見商業的な映画を主に作ってきたが、すべて人間ドラマを作ってきた。「武侠」というタイトルでもその点は同じ。日本の「捜査官X」はいいタイトルだと思う。

 318-8.jpg● 共演の(ドニーの妻役)タン・ウェイが印象的だった。
チャン監督 中国の美人女優の中で彼女はテンポがずれている人、奇妙な女優さんでね。常に不安感を抱えている。彼女が台所で働いているところにフラっとドニー・イェン が現れる。彼女は「どうしたらいい」と聞いてきたので「自分の好きなようにやってみたら」と言ったらうまくいった。(ドニーは)彼女の知らない人なのに、 夫として暮らし知らないのに知ってるような不思議な演技、スリラーっぽい演技になった。


●最後に日本でもなじみの深いジミー・ウォングが登場して死闘を繰り広げるところは感慨深かったが。
チャン監督 ドニーも私も「片腕ドラゴン」を経験していた。セリフでは何度も(黒幕として)登場するが本人は最後だけ。映画出演は13年ぶりだったが「出てほしい」とお願いしたら快諾してもらった。

● 最後のドニーとの戦いでドニーが片腕なのは「片腕ドラゴン」ジミーへのオマージュか?
チャン監督 結果的にオマージュになった。ドニーとは毎日ブレインストーミングした。最後をどう盛り上げるか、ドニーは困っていた。その結果「ジミー・ウォングしかいない」と結論した。遊び心もある。楽しさを満喫出来た。


● 監督は金城武とは何度もやっているが、やりやすいのか?
チャン監督 彼は出演するに当たり(役柄について)何度も質問される。それによって役が深まっていく。いつも映画が仕上がった時に満足出来る役になっている。もっと彼の演技が評価されていいと思う。


【STORY】
 山奥で起こった殺人事件の調査に当たった天才捜査官シュウ(金城武)は殺されたのが凶悪犯2人だったことから疑問を抱き“村の英雄”になっていた男ジン シー(ドニー・イェン)を取り調べを始める。彼の“正当防衛”には不可解な謎があることに気付く。丸腰の職人がなぜ苦もなく無頼漢を倒せたのか、彼には深 く謎めいた過去があった…。 (安永 五郎)

(C) 2011 We Pictures Ltd. Stellar Mega Films Co., Ltd. All Rights Reserved.
 


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大阪アジアン映画祭のオープニング作品『道 ~ 白磁の人 ~ 』で高橋伴明監督(右)と主演の吉沢悠。
(C)2012「道~白磁の人~」フィルムパートナーズ

 michi-1.jpg   『道~白磁の人~』

(2012年 日本・韓国 1時間58分)
監督:高橋伴明
出演:吉沢悠、ペ・スビン、塩谷瞬、黒川智花、近野成美、
    チョン・ダス、チョン・スジ、市川亀治郎、堀部圭亮、
    田中要次、大杉蓮、手塚理美
2012年6月9日(土)~新宿バルト9、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、TOHOシネマズ西宮OS ほか全国ロードショー
公式サイト⇒ http://hakujinohito.com/


 ●第7回大阪アジアン映画祭スタート
 大阪アジアン映画祭が9日夜、大阪・梅田ブルク7で日韓合作映画「道~白磁の人~」の上映からスタート、高橋伴明監督と主演の吉沢悠が初日舞台あいさつを行った。


 michi-3.jpg 「~白磁の人」は激動の大正初期、朝鮮半島に林業技師として渡り、朝鮮の伝統工芸・白磁に惚れ込んでその芸術的価値を多くの人に知らせた浅川巧の生涯を描いた“現代へのメッセージ”。
 上映前に会見した高橋監督は「アジアがもっと強くならなきゃならないと思ってた時にオファーがあった。日本と韓国が手を結んでいくことが大事。8割以上 韓国人スタッフで、撮影から仕上げまでほぼ全部韓国でやった。新たなことが出来た」と韓国で映画を完成させたことに満足げ。


 韓国人俳優・ペ・スビンと熱い友情を育む主役を務めた吉沢も「“道”で韓国のスタッフ、キャストと仕事するという有意義な経験が出来た。浅川さんの活動に共感出来るし、アジアにこれだけ素晴らしい 人がいたんだとアピール出来たと思う」。
 裁判映画「BOX袴田事件」、京都造形芸大の学生とのコラボ映画「MADE IN JAPAN こらっ」など一作ごとに意欲的な映画作りが話題を集める高橋監督にとって、アジアン映画祭オープニングは「自信を持って投げ込んだストレート作品」と自信 を見せた。

 michi-s4.jpg――  韓国での撮影は困難が多かった?
高橋監督: 「いきなりセットが豪雨で流され、別のオープンセットを使わなければならくなる試練がに見舞われ たが、日韓のスタッフがいろんな工夫をすることでひとつになれた。韓国は絵コンテで撮影を進めていくけど、僕は(絵コンテを)書かないのでそれを説明する のに時間がかかったかな。現場は1日で慣れた。天候は不順で雨にたたられたけど、雨の時はこうしよう、といつも考えていた」。

――伝説的な実在の人物・浅川巧の映画化だが
高橋監督:かつて芸術系の雑誌(芸術新潮)で読んでどんな人かは知っていた。(浅川さんの作品は)候補に上がった時に見せてもらって、自然の中に置きやすい、自然との共存が感じられるナチュラルな人だと思った。
吉沢:浅川さんは知らなかった。小説読んで、素晴らしい活動をした人だと知り、日記も読んでお茶目なところもあると知ったり、僕自身が浅川さんに近づいていこうと思った。ロケで感じるところもありました。監督からは“吉沢とペ・スビンが友情を育んでくれたら”と言われていた。
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 ――役作りは?
吉沢:浅川さんは好奇心があった人。朝鮮半島の文化をあの時代に受け入れた。映画は韓国で公開されることも決まっているので、こういう日本人がいたことを日本でも韓国でももっと知ってほしい。

――韓国人スタッフやキャストについては?
高橋監督:プライドの高さ、謝らないことなど、日本人が見習うべきことも多い。ごめんなさいと言わないこともあるが、自分の意見をきちっというのは大事なこと。細かいことまで監督にジャッジを求めてくる。

 ――大阪アジアン映画祭のオープニング作品だが
 
吉沢:大阪の友人に会って、大阪の人が行きやすいイベントに、韓国も中国も入っていて、ラインアップに『道』が入っている。そのオープニングなんて光栄です。
高橋監督:そういう意識は持ってなかったが、アジアン映画祭で初めて見ていただける意義は感じています。コンペ部門で反応を知りたいぐらいです。

●舞台あいさつで
高橋監督:結婚して30年、監督やめようと思ったこともあるが、(恵子夫人から)“私は映画監督と結婚した”と言われて続けてきた。今回はストレート投げました。どのように感じてもらえるか、楽しみです。
吉沢悠:言葉の壁は最初はあった。CDで韓国語を勉強していったが、スタッフ間では映画人の心と心のつながりがありました。ペ・スビンとは英語で話した。 彼は釣りが趣味で、夜に内緒で釣りに行ったりもしました。
 



※第7回大阪アジアン映画祭は10日から18日まで、大阪・梅田ガーデンシネ マ、ABCホール、シネ・ヌーヴォ、HEP HALLなどで行われ、台湾、韓国、中国、香港、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、日本などアジ ア各国の映画が上映される。問い合わせは06-6373-1225アジアン映画祭運営事務局へ。 (安永 五郎)