「本田望結」と一致するもの


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(左から、 南沙良、馬場ふみか、本田望結、基俊介、井樫彩監督 


「響け!ユーフォニアム」で知られる武田綾乃の同名小説が原作の映画『愛されなくても別に』が、日本最年少でカンヌ国際映画祭への出品を果たした井樫彩監督の最新作が、絶賛公開中である。毒親、虐待、性暴力など家族間で生じる問題から社会のひずみに切り込みつつ、その世界をサバイブする女性たちの清々しさと、「不幸中毒」からの脱却までを鮮やかに描いた本作。

浪費家の母親に依存される主人公・宮田陽彩(みやた・ひいろ)役南沙良、過酷な家庭で育つ過去を持ち、陽彩と徐々に心を通わせていく江永雅(えなが・みやび)役馬場ふみか。そして過干渉の母親から逃れるため、宗教にのめり込む木村水宝石(きむら・あくあ)役本田望結、三人が働くコンビニの同僚・堀口順平(ほりぐち・じゅんぺい)役をIMP.の基俊介が演じた。


本日75日(土)に南沙良、馬場ふみか、本田望結、基俊介、井樫彩監督が登壇する公開記念舞台挨拶を行った。イベントでは、撮影エピソードやキャスト&監督の「抜け出せない」ことを披露した。


◆日程:7月5日(土)

◆会場:新宿ピカデリー スクリーン1(新宿区新宿3丁目15−15)

◆登壇者:南沙良、馬場ふみか、本田望結、基俊介、井樫彩監督(計5名)(敬称略)


<以下、レポート全文>

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毒親のもとで生まれ育ち、人生を奪われてきた3人の大学生の姿を描き出した本作だが、主人公・陽彩を演じた南は、最初に脚本を読んだ時について「脚本を読む前に原作を読ませていただいたんですが、悲壮感がなくて。登場人物が抱えているものって重たいものではあるんですが、ちゃんとその先に救いがある物語だなと思って。意外とポップな感じがしました」と述懐。


過酷な家庭で育った雅を演じた馬場は「わたしは自分が雅を演じるという視点で読んだので、これは大変だぞと思ったのですが、一見、ドライで冷たそうに見える雅も、実はやさしさとか愛がたくさんあるところがすごくかわいいなと思いました」とコメント。さらに過干渉の母親から逃れるため、宗教にのめり込む水宝石(あくあ)を演じた本田は「役としては水宝石に本田望結を連想してくださったのがなんでなんだろうというのがすごく気になっていたんですが、監督からは家族とか愛とかに(悩んでいる)イメージがない人にこそ演じてほしいと言われたので。それならわたしがやらせていただく意味があるのかな、と思いました」とコメント。さらに「これだけ本田望結を封印した役ははじめて。素直に言いますが、私生活から何のヒントも得られないというか。本田望結として経験したことを生かせるのは、役者として大事だと思うんですが、なかなかそう思える部分がなくて。でもそれが監督の狙いなんじゃないかなと思ったので、本当に監督には助けてもらいました」と明かした。


aisarenakutemobetuni-bu7.5-馬場ふみか様.JPGそんな本田に対して、なぜかクスクス笑いが止まらない南。「沙良さん、今日ずっとわたしの顔を見て笑っているんですよ!」という本田に対して、「1年間くらい、ずっと聞きたいなと思っていたことがあるんですよ」と告白した南。「撮影当時に、わたしがその時ハマっていたゲームを入れてくださったんです。友だちの島にも遊びに行けるゲームなんですけど、そこに遊びに行ったら、本田さんのペットの名前が『沙良』だったんですよ。もうビックリしちゃって。『どういうこと?』って。でもわたしの『沙良』じゃないかもしれないし……なんでペットの名前が『沙良』なんだろう?ってすごく気になっていました」と語ると、本田も「それは沙良さんに教えていただいたゲームだから。しかも沙良さんの漢字で『沙良』です」と説明。本田の律儀な行動に南も思わず「やばい!やばいですね!」と興奮気味。そんなふたりを笑いながら見ていた馬場は「わたしはそんなやり取りがあったなんて知らなくて。ふたりが仲よさそうにしゃべっているなと微笑ましく見てました」と振り返った。


aisarenakutemobetuni-bu7.5-基修介様.JPGまた宮田と江永が働くコンビニの同僚・堀口を演じた基は「僕自身は撮影が短かったんで。皆さんとほとんどお話もできていないんですよ。だから今、その話を聞いて、そんなことがあったのかとビックリしています」と語ると、「実は今日ビックリしたことがあって。控え室に座っていて、今日は何をしゃべろうかなと考えていたら、『どうもー!』という声があって。IMP.のメンバーの影山拓也と松井奏が、白Tとデニムに野球帽という、双子コーデでいきなりカメラ回しながら入ってきて。一瞬、迷惑系YouTuberかなと思ってビックリしましたけど、わざわざ朝早くに準備して、カメラを持って突撃してきてくれて。メンバーってすごくいいなと思いました」と述懐。その様子を井樫監督も「微笑ましい光景でした」と見ていたというが、「でも本当はたぶん監督にあいさつするのが目的だったと思うんで。もう、そうなんじゃないかなと思うくらい、僕の方にはヘラヘラしてて。監督の前ではすごい丁寧に頭を下げていましたから」と冗談めかして会場を沸かせた。

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そんなキャスト陣について井樫監督は「ふたりは、原作から想像していたイメージをさらに乗せて表現してくれたなという印象があるので、本当に感謝しております。本田さんに関しては、さっきも言いましたけど、あまり見たことがない本田さんを出してくださって。たぶん大変だったと思うんですけど、陽彩と雅とはまた違った、キーになる人物としてすごく印象的になったんじゃないかなと思います。そして作品を観るとそうだと思うんですが、結構しんどいシーンが続く中で、基さんが出てくるとちょっとホッとするというか。そこがすごくいいなと思いました」と語った。


 

 


aisarenakutemobetuni-bu7.5-本田望結様.JPG今まで生きてきた生活や、毒親からなかなか抜け出せないキャラクターたちが多い本作にちなみ、イベントでは登壇者たちの「抜け出せない」エピソードについての質問も。まずは基が「僕は観に来てくださってる皆さんの顔を見ちゃうんですよ。ライブでも結構、皆さんの顔見てるんです。今日も、映画館なのに双眼鏡で観ている人がいたりして。僕も舞台挨拶がはじめてなんで、新鮮ですね。皆さんを見ると「キュンです」とやってくれたり。なんかおもしろいですよね。ついつい見ちゃいます」と語ると、本田も「わたしは沙良さんの観察が抜け出せないですね。撮影の時からもうずっと、なんか沙良さんのことが気になってて。それもあってゲームされていた時も気になっちゃったんですよ」と語ると、「それで(ゲームの名前が)沙良に」と返した南は、「そんなことはじめて言われました!」と笑ってみせた。


aisarenakutemobetuni-pos.jpg続く馬場は「わたしは寝るのが信じられないぐらい遅くて。絶対にはやく寝たほうがいいに決まってるじゃないですか。撮影も朝早くて、4時とか5時とかに起きたりするんですけど、基本寝る時間が変わらないんですよ。今日も4時ぐらいまで起きてて、寝れないですよね。寝れるようになりたいなと思っています」と明かす。そして南は「わたしは最近、ガチャガチャにハマっていて。“めじるしアクセサリー”というのがあるんですけど、狙いのものが出るまで回したいんですよ。だから出るまで何十回もやっちゃうんです」とハマっているものについて告白した。


そして最後のコメントを求められた南は「わたしは本当に、日々生きづらいなと思って生きているんですけど、そう思っている方って、わたし以外にもきっとたくさんいらっしゃって。こうやって陽彩みたいな環境に置かれている方もたくさんいらっしゃると思うし。そういう方に寄り添えるような映画になっているんじゃないかなと思うので、たくさん見ていただけると嬉しいです」とメッセージ。井樫監督も「毒親っていう、ちょっと重たいワードから始まる映画ではあるんですけれども、自分の人生を確かに生きていこうとする、力強い二人の物語だと思っておりますので。その物語を見ていただいて、何か見ていただいた方の心に引っかかるものがあればいいなと思っております。公開は始まったばかりですので、ぜひ口コミ等々よろしくお願いいたします」と会場に呼びかけた。
 


【Story】

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宮田陽彩(みやた・ひいろ)(19)は、“クソ”のような大学生活を送っていた。
大学に通い、それ以外の時間のほとんどを浪費家の母に変わっての家事とコンビニでのアルバイトに費やし、その中から学費と母と2人暮らしの家計8万を収める日々。遊ぶ時間も、金もない。
何かに期待して生きてきたことがない。親にも、友人にも・・・。
いつものように早朝にバイトを終えた宮田は、母のために朝ご飯を作り、家事をした後に大学に登校していた。そこで大学の同級生であり、バイト先の同僚でもある 江永雅(えなが・みやび)(24)のひょんな噂を耳にする。威圧的な髪色、メイク、ピアス──バイト先ではイヤホンをつけながら接客する、地味な宮田とは正反対の彼女の噂。
「江永さんのお父さんって殺人犯なんだって」
他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたり。ふたりの出会いが人生を変えていくー。

【クレジット】

出演:南沙良  馬場ふみか 本田望結  基俊介 (IMP.)  伊島空  池津祥子  河井青葉
監督:井樫彩 
原作:武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社文庫)
脚本:井樫彩/イ・ナウォン
主題歌:hockrockb「プレゼント交換」(TOY'S FACTORY)
企画・プロデュース:佐藤慎太朗
製作幹事・制作プロダクション:murmur
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
Ⓒ武田綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会
公式HP:aisare-betsuni.com  
公式X&Instagram:@aisare_betsuni

2025年7月4日(金)~ 新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX(八尾、堺、京都、あまがさき)、kino cinema神戸国際 ほか全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

 


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aisarenakutemobetuni-pos.jpg「響け!ユーフォニアム」で知られる武田綾乃の同名小説が原作の映画『愛されなくても別に』が、日本最年少でカンヌ国際映画祭への出品を果たした井樫彩監督の最新作が、2025年7月4日(金)公開となる。毒親、虐待、性暴力など家族間で生じる問題から社会のひずみに切り込みつつ、その世界をサバイブする女性たちの清々しさと、「不幸中毒」からの脱却までを鮮やかに描いた本作。

浪費家の母親に依存される主人公・宮田陽彩(みやた・ひいろ)役南沙良、過酷な家庭で育つ過去を持ち、陽彩と徐々に心を通わせていく江永雅(えなが・みやび)役馬場ふみかが演じた。


公開に先駆けて本日6月8日(日)に南沙良、馬場ふみか、井樫彩監督が登壇する完成披露舞台挨拶を行った。イベントでは、アクティングコーチの指導のもとで行ったレッスンについてや撮影中の印象的なエピソードを語った。そして6月に誕生日を迎える南と馬場に向けて、井樫監督からサプライズで花束が贈られる一幕もあり、会場は温かい拍手に包まれた。
 


◆日程:2025年6月8日(日)

◆会場:丸の内ピカデリー2(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン9F)

◆登壇者:南沙良、馬場ふみか、井樫彩監督(計3名)


<以下、レポート全文>

映画上映後、満員の観客の前に立った登壇者たちには大きな拍手が送られた。この日初めて一般に向けての上映であり、SNSでは「2人が共に過ごす日常がとても愛おしかった」「日々感じている不安やしんどさが、少し晴れた気がします」といった高評価の声が次々と寄せられていた。


劇中で南が演じる陽彩、そして馬場が演じた雅ともども、親子関係に何らかの事情を抱えたキャラクターだったが、この役を演じるにあたり、「監督とも、現場でそれほど話すことはなかった」というふたりだが、「でも井樫監督が、クランクインする前に(キャラクターの背景などが詳しく記された)資料のようなものをつくっていただいて。それがお芝居に役に立ちましたね」と南が語ると、馬場も「そこには小学何年生の夏休みに家族と出かけたとか。学生時代、クラスの中でどういう存在だったとか。そういうことが書かれていたんです」と補足する。


aisarenakutemobetuni-bu-南沙良様.JPG南と馬場のふたりは、本作のクランクイン前にはアクティングコーチのもとに通い、レッスンを受けたという。その時のことを馬場は「その際に、本編では描かれていなかった母親とのシーンを実際にレッスンでやらせていただいて。それ自体は、(劇中で)陽彩(ひいろ)に話している内容のことだったんですけど、クランクインの前にそれを一度(芝居で)やっていたことで、そのシーンを演じることに対してもそうですし、雅(みやび)という人物を理解するという点でも役に立った」と述懐。その意図について井樫監督も「彼女たちにとって、役をやる上で手助けになることは何だろうと思って。シーンに描かれてないこととか、そういうことが本編に影響するんじゃないかなと思い、やってもらったという感じですね」と明かす。


そうやってあらためて演技について学ぶというのも、ふたりにとって非常に刺激的だったようで、南が「今までお芝居について学ぶ機会があまりなかったので。これまでワークショップに行ったことはあったんですけど、座学で学ぶという機会が本当になかった。だからすごく新鮮でしたし、勉強になりました」と語ると、馬場も「台本をいただいてから、カメラの前に立つまでに、どういう順番で、どういう風に役をつくって準備していくか、ということを、机と椅子に座って話を聞いて勉強したんですけど、今まで本当にこういう機会がなくて。現場でなんとかするという感じだったので、これからお芝居を続けていくにあたっても、すごく助けになるなと」と晴れやかな顔を見せた。


aisarenakutemobetuni-bu-馬場ふみか様.JPG実際に原作を読んでみた時のことを南が「3人が抱えているものは決して明るいものではないけど、でも悲観的じゃないというか。わたしは原作でも、わりとずっとトゲのある悪口が出てくるんですけど、それを読んでほほえましい気持ちにもなりましたし、それがちゃんと一歩前に進む物語になっていて。すてきだなと思いました」と振り返ると、馬場も「わたしもすごくグッサリときたシーンがあって。陽彩が、雅のことを人間扱いしてくれるのが好きだというところなんですが、(それまで雅は)他人からも自分からも女扱いされてきたということもあって。もちろんそれは駄目なことではないんですけど、それが苦しいなと思ってグッサリときた。そういえば自分でもそういう風に考えた瞬間があったなと思い出しました」と語った。


また南は印象的なシーンとして、池に浮かぶ場面を挙げた。「私、水がそもそも苦手なんです。浸かるのが怖くて。気持ちの面でもそうだし、物理的にもすごく大変でした」と当時を振り返る。撮影時にはなかなか水に浮かぶことができず、監督が横で背中を支えてくれたといい、井樫監督は「外から偉そうに見ているだけじゃダメだなと思って」と語り、現場で監督自ら直接体を張って撮影していたことを語った。一方、馬場が挙げたのは自転車の二人乗りシーン。「結構な山道で、カーブの多い下り坂。南さんを後ろに乗せて、前には軽トラに乗ったカメラがいて、その距離を保ちながら安全に運転して、なおかつセリフも言わなきゃいけない。やることが多すぎて、かなり大変でした」と撮影時の苦労を語った。


また過干渉な親から逃れるべく新興宗教にはまっていく大学生の木村水宝石(あくあ)を演じた本田望結と共演について南は、「本田さんとは年齢が近くて。わたしもわりと人見知りな方ですけど、本田さんもけっこう人見知りなんですよ」と明かす。その言葉に「でも2人で結構楽しくしゃべっているなと思っていましたけど」と馬場がかぶせると、南も「実はその時、わたしがハマっているゲームがあって。それなんですか?と聞いてくださって。それはペットを育てるゲームだったんですけど、ふたりで一緒に育てていました」と明かした。


aisarenakutemobetuni-bu-井樫彩監督.JPG今となっては、南も馬場も和気あいあいとした雰囲気で仲良さげであるが、実は最初のうちは、ふたりとも人見知り同士で、なかなか話せなかったという。馬場が「最初はどうやってしゃべろうかなと思っていたんですけど、毎日撮影で一緒にいることが多かったんで。お互いの存在にどんどん慣れていく感じがあって。それが実際の陽彩と雅の関係性にもすごく反映されて、仲良くなってきたなと感じました」と振り返ると、それを補足するように井樫監督も「撮影中、気付いたらふたりが隣同士で座っていて。ただ無言で座っているのがいいなと。別に社交辞令的な会話もないし、ふたりでボソボソしゃべって、お茶を飲んでいるだけ。その空気感がすてきだなと思いました」と述懐。その言葉を聞いた馬場が「でもそうやって休憩中とか、ふたりで待っている時とかに、気付いたら井樫さんがスッと現れて。わたしたちの写真を撮って、そして去っていく、という感じでした」とコメント。その言葉に井樫監督も照れくさそうに、「けっこうその写真が大量にあります」と笑ってみせた。


くしくも6月11日は南の23歳の、そして6月21日は馬場の30歳の誕生日ということで、井樫監督よりサプライズで花束をプレゼントすることになり、これにはすっかり驚いた様子のふたり。そこで1年の抱負を尋ねられた南は「体調を崩さず健康に。去年1年もそうだったんですが、より新しいことにチャレンジしていける1年になったらいいなと思っています」とコメント。そして馬場も「ちょうど30代に入るということで。先輩方からも30代は楽しいぞとすごく言われるので、楽しみにしています。楽しく、健康な日々を営んでいきたいと思っています」と決意を語った。


そんな和気あいあいとした舞台挨拶も終盤。最後のコメントを求められた馬場が「チラシや予告編を見ると、重くて苦しい作品のように感じられるかもしれないですが、実際に観終えた後は、さわやかさだったり、ちょっとした”光”を感じられるような、そんな作品になっているんじゃないかなと思っておりますので。これから皆さまにも公開までたくさんの方に宣伝をしていただいて。いい初日を迎えられるように頑張っていきたいです」とあいさつすると、南も「本当に、生きるということだけですごく難しいことだなと、わたしは日々思っていて。そしてそう思う方もたくさんいらっしゃると思うんです。だからそういう方に届いたらいいなというか、登場人物たちの悩みや勇気、そういったものに寄り添えたらいいのではないかなと思っています。なので、たくさんの方に観ていただけたらいいなと思います」とメッセージ。


そして最後に井樫監督が「毒親というところからの起点の物語ではあるんですが、陽彩と雅というふたりの女性が、自分の人生を力強く歩んでいこうとする物語になりますので、観てくださった方の心に少しでも引っかかるものがあったら本当にうれしいなと思っております。気に入ったら是非口コミをしてくださるとうれしいです」と呼びかけて、この日のイベントを締めくくった。


【Story】

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宮田陽彩(みやた・ひいろ)(19)は、“クソ”のような大学生活を送っていた。
大学に通い、それ以外の時間のほとんどを浪費家の母に変わっての家事とコンビニでのアルバイトに費やし、その中から学費と母と2人暮らしの家計8万を収める日々。遊ぶ時間も、金もない。
何かに期待して生きてきたことがない。親にも、友人にも・・・。
いつものように早朝にバイトを終えた宮田は、母のために朝ご飯を作り、家事をした後に大学に登校していた。そこで大学の同級生であり、バイト先の同僚でもある 江永雅(えなが・みやび)(24)のひょんな噂を耳にする。威圧的な髪色、メイク、ピアス──バイト先ではイヤホンをつけながら接客する、地味な宮田とは正反対の彼女の噂。
「江永さんのお父さんって殺人犯なんだって」
他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたり。ふたりの出会いが人生を変えていくー。

【クレジット】

出演:南沙良  馬場ふみか 本田望結  基俊介 (IMP.)  伊島空  池津祥子  河井青葉
監督:井樫彩 
原作:武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社文庫)
脚本:井樫彩/イ・ナウォン
主題歌:hockrockb「プレゼント交換」(TOY'S FACTORY)
企画・プロデュース:佐藤慎太朗
製作幹事・制作プロダクション:murmur
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
Ⓒ武田綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会
公式HP:aisare-betsuni.com  
公式X&Instagram:@aisare_betsuni

2025年7月4日(金)~ 新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX(八尾、堺、京都、あまがさき)、kino cinema神戸国際 ほか全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

 
 

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「怪盗グルー/ミニオンズ」シリーズに登場し、世界中から絶大な人気を誇る、バナナが大好物の謎の生物ミニオン。昨年は日本だけの特別記念日“3(ミ)月20(ニオン)日=ミニオンの日”が制定され大きな話題となりました。

この度、そんな「ミニオンの日」を記念して3月17日(金)に大阪・なんばマルイにてイベントを実施!イベントにはミニオン好きの女優・本田望結さんがミニオンズ(ボブ&ケビン)とともに登壇!今年成人を迎え、春から大学生として新生活が始まる本田望結さんのミニオン愛溢れるトークとともにイベントは進行。
 

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また、「ミニオンの日」を記念した様々な商品・キャンペーン情報が紹介されました。同会場にて同日よりオープンするミニオンズのスイーツを集めた⽇本初のキャラクタースイーツポップアップ「MINIONS HAPPY SWEETS SHOP」でケーキ缶が発売開始される事を記念し、今日のイベントのために製作された「本田望結さんオリジナルミニオンケーキ缶」もお披露目となり、本田さんがケーキの味をリポート!さらに本記念日に合わせて発売される様々な新商品や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(TM & © Universal Studios. All rights reserved.)で開催されるグリーティング企画なども紹介され、内容盛りだくさんのイベントは大盛況のうちに幕を閉じました!


【日時】3月17日(金)
【会場】なんばマルイ1F Cake.jp POP UP SHOP店内及び店先エリア
           (〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波3丁目8−9)
【登壇】(敬称略)本田望結、ミニオンズ(ボブ&ケビン)


〈以下、レポート全文〉

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イルミネーション・エンターテインメントが贈る大人気映画「怪盗グルー/ミニオンズ」シリーズは、2010年に公開された『怪盗グルーの月泥棒』から始まり、昨年2022年には最新作『ミニオンズ フィーバー』が公開され、今やメガヒット超大作シリーズへと大成長!欠点だらけで親しみやすく、いたずら好きな“ミニオン”は絶大な人気を誇るキャラクターとして世界中で愛されています。そんな中、日本のファンの方々にさらに応援・楽しんで頂きたいという願いを込め、3(ミ)月20(ニオン)日という⼦供から大人まで覚えやすい語呂合わせにより、3⽉20⽇が“ミニオンの日”として昨年制定されました。公式グッズやイベント、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、放送や配信など、ミニオンに関する様々な最新ニュースの発表を通して、ファンの方々と一緒にこの記念すべき日をお祝いすべく、桜の開花宣言が待ちきれないミニオンたち(ボブとケビン)と、今年新成人を迎えられた、ミニオン好きな女優・本田望結さんが登壇しスペシャルイベントを実施! 


 黄色いトップスにオーバーオールのミニオンコーデ衣装で登壇した本田さんは「ミニオンと一緒に皆さんにパワーをお届けしたいと思いますのでよろしくお願いします。今日はミニオンと同じ格好をしてきました!」と元気よく挨拶。本田さんは「ミニオンとの最初の出会いはユニバーサル・スタジオ・ジャパンで、(そのあとも)意外とご一緒する機会が多くて、一緒にイベントをしたこともあるし、サッカーもしたことがあります。二週間前もユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行く予定があり、『10日後にイベントだからよろしく!』と(ミニオンたちに)伝えました。それくらいミニオンはプライべートでも仕事でも一緒です!」とコメント。またミニオンの好きなところを尋ねられると、「じらされる感じが大好きです。ほんわかするというか。(笑)」と終始笑顔で回答。またシリーズの中での好きなキャラクターについては「普段、ボブが手に持っているぬいぐるみのティムが好きです。ティムがでたときもユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ってティムのカチューシャを買って過ごしたくらい。勿論ボブも大好きだけど、ティムが一緒にいるぬいぐるみやカチューシャを選んじゃいます!」と“ミニオン好き“ならではのキャラクターを選択しミニオンフリークっぷりをいかんなく発揮!さらに、春らしい桜のピンク色を基調としたお花見要素が入った今年の「ミニオンの日」のビジュアルについては「ミニオンとお花見という要素のセットを見たのは初めて!すごいかわいらしいです。」と絶賛。


320_Minions_SAKURA-500-4.jpgそして、本イベントでしか見られない特別な“本田さん限定オリジナルケーキ缶“が登場し食レポをする流れに。「今回黄色のソースをお願いしたんですが、これはミニオンたちが好きなバナナではなくレモンなんです。酸っぱさがしっかりとあるんですが、下のソースはすごく甘いので食べていくうちに(味が変わっていって)美味しいです。缶のケーキだからこそ味わえる、味が変わっていく楽しさというものが味わえました。」と抜群の食レポ技術を披露!


ケーキ以外にも会場に並べられたいくつものミニオン商品の中で、欲しいアイテムを問われると、クレーンゲームの景品でもらえる「ミニオンの日」デザインのぬいぐるみをチョイス!「私、ぬいぐるみが大好きでいっぱい持っているんですが、私も大好きなティムもいるのでコレ!(※チョイスしたぬいぐるみはボブがティムを抱えているもの)」と即答!また、既に自身が持っているミニオングッズを問われると「まずカチューシャ!あとはぬいぐるみがとにかくたくさんありまして、最近はユニバーサル・スタジオ・ジャパンのゲームができるコーナーの景品のぬいぐるみをゲットました。部屋の中がミニオンだらけですし、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行くときはミニオンコーデでいっちゃいます!」とミニオン愛がさく裂!


イベントも終盤、3/20の「ミニオンの日」はどう過ごしたいかを聞かれると「もちろん映画も観たいですし、実は予定していることがありまして、ミニオンのグッズたちと撮った写真を(撮りだめていて)まだ出していないんですね。ミニオンの日がチャンスだと思うので(SNSに)載せようと思っています!」と回答。さらに「これまで上映されてきた映画の中で好きなシーンがあったら教えてください。」という質問には「アグネス(「怪盗グルー」シリーズに登場する少女)のシーンは好きです。特に映画の中でも面白くてすごい好きですね!」とコメント。最後に「ミニオンの日を楽しみにしています!」と締めくくり大盛況のうちに幕は閉じました!


なお、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでもパーク内でミニオンたちが登場するグリーティングをはじめとした様々な場⾯で「ミニオンの⽇」のお祝いを実施。その他ホテル ユニバーサル ポート ヴィータ、今年10周年を迎える大人気ゲーム「ミニオンラッシュ」、商品、店頭、そしてSNS上で様々なイベントやキャンペーンが実施されています。
 



《「ミニオンの日」関連商品最新情報 》

今年は日本の桜をテーマにした「ミニオンの日」オリジナルアートをモチーフにしたの商品も続々発売!

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3/17よりマルイなんば1FにてMINIONS×Cake.jp「MINIONS HAPPY SWEETS SHOP」日本初のキャラクタースイーツポップアップ開催中!3(ミ)20(ニオン)の語呂に合わせて「ミニオンの日」デザインを含む32種類のケーキ缶商品が登場!

 

 

 

●なんばマルイ1Fイベントスペース <3月17日(金)〜30日(木)> ⇒クリックすると下記へ遷移
https://www.0101.co.jp/085/event/detail.html?article_seq=57356&article_type=sto

●新宿マルイ 本館B1Fカレンダリウム <3月20日(月)〜4月9日(日)> ⇒クリックすると下記へ遷移https://www.0101.co.jp/003/event/detail.html?article_seq=57359&article_type=sto
 


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ミニオンたちの大好物のバナナがユニフルーティーより発売中!桜のパッケージのバナナを食べて栄養補給https://www.unifrutti.co.jp/minions_products

 

 


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セガプライズからボブとティムの頭に桜の花びらが載ったデザインがかわいいぬいぐるみが、全国のゲームセンターに続々登場中

https://segaplaza.jp/prize/B120056/

 

 


 


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オンラインストア「ファボリットスタイル」でベースボールシャツなど「ミニオンの日」デザイン商品が予約受付中

https://favorito.style/minions/

 

 

 


(オフィシャル・リリースより)

popura-550.jpg『ポプラの秋』中村玉緒記者会見

・(The Letters 2015年 日本 1時間38分)
・原作:湯本香樹実『ポプラの秋』(新潮文庫刊)
・監督:大森研一   ・音楽:清塚信也
・出演:本田望結 中村玉緒 大塚寧々 村川絵梨 藤田朋子 宮川一朗太 山口いづみ 内藤剛志(特別出演)
2015年9月19日(土)~シネスイッチ銀座、シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、9月26日(土)~京都シネマ、109シネマズHAT神戸 ほかにてロードショー
公式サイト⇒ http://popura-aki.com
・(c)2015『ポプラの秋』製作委員会



~現代人の心を癒す不思議なおばあさんと天国への手紙~


popura-nakamura-1.jpg9月19日公開の映画『ポプラの秋』(大森研一監督)に“不思議なおばあさん”役で出演した中村玉緒(76)が18日、来阪。主役を務めた子役の本田望結ちゃんと65歳差の共演を「ホントに楽しかった。これで望結ちゃんも映画好きになってくれるでしょう」と充実の笑顔を見せた。

 

―――最初のご挨拶
中村玉緒「皆さんとお会いするのは鴈治郎襲名披露の時以来でしょうか? ご無沙汰いたしております」。

―――10歳(撮影時)の本田望結(みゆ)ちゃんと共演でしたが?
玉緒「今の子役の方はすごいですね。望結ちゃんは10~11歳で大人と子供の間ぐらいだったんですが、リハーサルと本番では全然違うんです。本番に強いんですね。家族の皆さんも良くて、望結ちゃんのお母さんにもよくしてもらいました。撮影から1年会ってないので、舞台挨拶が楽しみです」。

popura-240-1.jpg―――気難しいおばあさん役は普段のイメージとは違いますが、役作りの苦労は?
玉緒「苦労はしていません。映画は大好きなので、ホントに楽しくやらせてもらいました。年代的に無理はしません。綺麗にとかシワ伸ばしたりとかせず、普通にやれました」。

―――映画が合う、ということですか?
玉緒「ええ、テレビとは大きさが違いますね。カメラのことではなくて、ワンカットワンカット、丁寧に撮っていて、お天気待ちしたりする。みんな座って、ご飯食べたり、おやつをみんなで持ち寄ったり、映画でないと味わえないことがいっぱいあります」。

popura-nakamura-2.jpg―――勝新太郎さんが亡くなって20年近くたちます。様々な思いがあると思いますが、一番の思い出は?
玉緒「うーん、あまりにも波乱万丈だったので…。でも(思い出は)楽しい面しかありませんね。子供を2人ともインターナショナル(アメリカンスクール)へ行かせましたが、これは勝の考えです。今でこそ、みなさん行かせますけれど、当時は少なかった。主人がハリウッドに出たかったんでしょうね。私も出てほしかった。それで、子供に英語を習わせたんでしょう。私は今、韓国ドラマが大好きですが(笑)」。

―――女優生活は長い?
玉緒「私は22歳の時から映画に出ていますが、現役のままでどんどんやっていきたい。先ごろ“着物の作家”として25年目を迎えまして、東京で記念のパーティーをやったんですが、私は芸能生活何周年といった催しはやりません。だから、望結ちゃんも女優だけ、というんじゃなくてスケートもどちらも“二足のわらじ”でやってもらいですね」。

popura-nakamura-3.jpg―――映画では「手紙を天国に届けるおばあさん」ですが、私生活で手紙は?
玉緒「手紙は書きますよ。主人と夫婦げんかしたら、別れそうになるから手紙がいいんです。今でも、親子の間では手紙が多いです。娘は“ありがとう”とか“ママ、今日は疲れたでしょ”とか書いてくれます。メールはいまだに書けないのでね。前は日記も書いてたけど、あれは悪いことが出来なくなる。パチンコばっかりしてたことなんか書けませんわね(笑)。家計簿も付けてましたが、最後は赤字ばかりになって、やめました。小学校時代は初恋の人に手紙出したかったんですが、字が下手なので出せませんでした(笑)。でも、文字っていいものですね。兄とは近所なんですけど、メモ帳に書いて渡してます」。

―――娘さんのメモは残してますか?
玉緒「ええ、引き出しに入れてます。読み返してないから、溜まってますが」。

―――映画ではお棺に手紙を入れてましたが、何を入れたいと思いますか?
玉緒「入れないのがいいでしょう。出来るだけ軽い方がいいと思う」。

popura-240-2.jpg―――望結ちゃんは勝さんのこと知ってましたか?
玉緒「彼女のおばあちゃんがちょうど私と同じぐらいで、ご家族から座頭市などの話を聞いてたようです。望結ちゃんは初主演で現場の雰囲気がものすごく良かったんで、これで映画が好きになったと思いますよ。昔“子役は育たない”というジンクスがあったけど、今はない。望結ちゃんは今で良かった」。

―――天国に持っていきたいものはありますか?
玉緒「持っていきたいものはありません。生きてるうちに全部やっときたいと思います。主人には会いたいと思います。天国か地獄か、どっちにいるか分かりませんが(笑)。地獄にいても会いに行きたいです」。

―――最後にお客さんに『ポプラの秋』のアピールをお願いします。
玉緒「とてもさわやかな映画です。こんな人(おばあさん)が都会にも身近にいてくれたらいいのになあと思います。ストレスが多い世の中、みなさんのストレス解消、はけ口になりますように」。

 


★『ポプラの秋』

popura-240-3.jpg大好きだった父を突然亡くした8歳の千秋(本田望結)は母(大塚寧々)と2人でポプラの木のあるポプラ荘に引っ越す。そこで会った大家のおばあさん(中村玉緒)は“天国に手紙を届ける”不思議な配達人だった。千秋は死んだ父に伝えたかった溢れる思いを手紙に綴っていく。父に届く、と信じて…。

『夏の庭‐The Friends』『岸辺の旅』の湯本香樹実のロングセラー小説の映画化。フィギュアスケートでも注目の本田望結の映画初主演作。映画出演100作を越える大ベテラン、中村玉緒とは65歳差の共演。

原作は97年の発表以来、アジア、欧米など世界10ヵ国で翻訳、出版されている。今年の第18回上海国際映画祭「パノラマ」部門の正式招待作品。現地上映で喝采を受けた。

(安永 五郎)

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『コドモ警察』福田雄一監督合同記者会見

 

(2013年) 日本 1時間41分)
監督:福田雄一

出演:鈴木福、勝地涼、マリウス葉(Sexy Zone)、本田望結、吉瀬美智子、鏑木海智、青木勁都、秋元黎、相澤侑我、竜跳、上地春奈、本田力、北乃きい、山本裕典(友情出演)、神尾佑、鈴木亮平、宍戸開、小野寺昭 他

2013年3月20日(水・祝)~TOHOシネマズ梅田 他全国ロードショー

公式サイト⇒ http://kodomokeisatsu.com/
© 2013映画「コドモ警察」製作委員会


 

~“舌っ足らず”の福くんに負けない!? 福田監督の爆笑トーク!~

 

 石原裕次郎ばりにブランデーグラス片手にキザなセリフを連発するデカ長に扮した、舌っ足らずが可愛い鈴木福くん(8歳)の映画初主演作。

 悪の組織レッドヴィーナスが開発した特殊ガスによって子供にされてしまった神奈川県警特殊捜査課のエリート刑事たちは、形(なり)は子供でも中身は大人。言うこと為すこと生意気なガキの集団にしか見えないが、刑事としては優秀そのもの。ただ、時々、完全に子供の世界に陥ることがあるのがネック。新たに赴任してきた国光(勝地涼)が、大人にしかできないことをこなす。“新人”とこき使われる様が可笑しい。

 まるで“名探偵コナン”が沢山いるみたいだが、デカ長をはじめ、マイコやナベさんやブルなど、懐かしい刑事ドラマで活躍したキャラクターと重なり、刑事ドラマパロディー決定版としても大いに楽しめる。コドモ刑事たちレギュラー陣に加え、スペシャルゲストとして、北乃きい、山本裕典、小野寺昭などが参加し、大人に戻れない刑事たちを翻弄する。



本作の監督を務めた福田雄一監督に、本作の魅力や製作現場について大いに語ってもらった。

 

コドモ警察-s1.jpg――― 基本になったドラマは?
『西部警察』『太陽にほえろ!』『あぶない刑事』をグルグル混ぜたものです。

――― 子供たちは刑事ドラマを見たのか?
見せてないです。福くんだけには見てくれるように言ったら、オリジナルではなく、ものまねタレントの“ゆうたろう”の方を見ていた(笑)。“ゆうたろう”さんの真似は凄く巧いですよ、ブランデーグラスの持ち方とか…(笑)。まあハズレじゃないからいいか!と(笑)。

――― 潔いまでのドラマ性の無さは?
サスペンスをヘビーにしても得がない。別に謎解きしてほしい訳でもなく、笑いに集中するには出来るだけシンプルにしたかった。でも、大人が持つ哀愁滲む人間性を子供が演じるとギャップがあって面白いなと。途中から普通の刑事ドラマの形式にして、全部子供がやっているという方が興味を持たれると思いました。 

――― 子供が大人を演じることで、逆に子供らしさが強調された?
わざと言い辛い言葉を使って、ドラマの最初からその舌足らずを狙いました。特に、福くんは「神が与えた舌足らず」だと思ってるんですが、言えるかどうかの瀬戸際が可愛くて堪んないですね! いつまでああいう感じでいてくれるか心配です。ドラマから映画の撮影まで6か月あったんですが、福くんの滑舌が良くなってたらどうしよう?と心配していたら相変わらずで「良かった~!」と(笑)。親御さんや事務所の方は福くんの滑舌の悪さを心配していましたが、僕はそれが狙い通りでとっても嬉しかったですね。

コドモ警察-s2.jpg――― 川で遊ぶシーンでは?
「素手で魚を捕まえたいという野望すら抱きつつある」なんて大人でも言わないセリフをわざと入れて(笑)、川の音が入って録音は使えなかったので、アフレコで言い直してもらったら、スラスラと言っちゃって――「演出家としてここは譲れない」と福くんにわざわざタドタドしく言い直してもらいました。福くんはどっちでも言えるんだ…凄~い!と思いました(笑)。

――― キャスティングについて?
子役っぽくないことが絶対条件。子役ブームで、「大人顔負けの~」というのに疑問を持っていました。子供は子供らしさが一番だと思うので、「子役に対する挑戦状!」でもあります。初めて福くんに会った時、ホント無邪気で子供そのものでした。福くんのご両親が偉いなと思うのは、学校へちゃんと行かせて、友達と遊ぶという健全な子供として育てていることです。また、デカ部屋にひとりちゃんとセリフ言える子が必要だったのですが、そんなのいないだろう?と思っていたら、ナベさんこと鏑木海智を事務所さんが100%の自信を持って推薦してくれました。他の子供2人が喋ったらナベさん、というローテーションでいくと、全体が引き締まって、さすが100%の自信!と(笑)。

コドモ警察-s3.jpg――― スマートを預かる武藤夫婦の強烈なキャラについて?
あれはウチの夫婦がモデルです(笑)。特に、母親役は、言葉が乱暴で、モコモコのフリース上下を着ている恰好まで同じなんです。息子も「うわァ、ウチのママだ!」と言っていました(笑)。この作品については、珍しく妻も褒めてくれました。

――― 子供たちからもアイデアを?
福くんからよくアイデアをもらいました。例えば、「デカ長がデスクでメモってるつもりが、実は落書してた!」とか、「ついついガチャガチャしに行っちゃって、全然止められない!」とか。形(なり)は子供だけれど大人なんで、お金はいっぱい持っていてガンガン行っちゃう!みたいな感じで(笑)。既に、Part.2に向けてのアイデアはできています。

kodomo-1.jpg――― 現場での子供たちの様子は?
生活のサイクルが違うので大変でした。子供は制御するということを知らないので、休みなく遊んで、その内にバテてきちゃう。そんな時、「あと何カット撮ったらご飯だから、頑張ろうね!」と(笑)。さらに、夜7時になると眠くなるんですよ! 特にイノさんこと青木勁都は食べることへの執着は半端じゃないし、眠くなるのも早いんです。眠くなった顔で芝居をするんで、「もうちょっと起きてようね~」と励ますんですが、気が付くと寝てるんですよ(笑)。「はい、起きて!」と起こすと、今起きました!という顔で芝居するんです(笑)。勝地君がずっと子供たちと遊んでくれてましたね。ご飯も一緒に食べて、凄いですよ、彼は! とにかく、僕と勝地君は完全になめられてましたね。初対面の時から、この監督はなめていい大人だと思われていましたよ、きっと!(笑)

kodomo-2.jpg――― エナメルは?
エナメルこと相澤侑我は、1回も敬語を使ったことがない!ずっとタメ語でした。僕がモニター覗いてると、「あのさー」と肩に手をかけてくるんです。「てめぇこの野郎!」(笑)。恐縮する親御さんに、「楽しいのでタメ語でいいんですよ。注意しないで下さいね。」と。「でも、他の現場では気を付けて下さいね」と言いましたが(笑)。

――― 望結(みゆ)ちゃんは?
ドラマの時はまだ子供っぽかったんですが、映画では急に色っぽくなっちゃって、驚いてるんです。

――― お笑いは子供の頃から?
小学生の頃から「お楽しみ会」のトリを譲ったことがない!(笑)。5~6人のメンバーを集めてコントをやっていました。先生からも次第に期待値が上がっていきましたね(笑)。

――― テレビっ子だった?
父親の影響で小さい頃からテレビっ子でした。『ザ・ドリフターズ』と『オレたちひょうきん族』がかぶった時には、どっちも見たくて、当時まだ高価だったビデオデッキを父親が買って来たくらいです。

――― 大阪の笑いは?
僕は栃木県出身でして、大阪に来ると「田舎もん」とバカにされているような気がして、死ぬほど緊張します(笑)。舞台で来ることが多いのですが、大阪の人は笑いに厳しいので怖いです。

――― 客の反応は違う?
大阪の方はよく笑ってくれます。しかも、笑いの作法をよくわきまえておられ、芝居のリズムが壊れなくて済む。笑うタイミングと笑う時間をよく分かっておられるようです。鋭角な笑いと言いましょうか、東京とは違いますね(笑)。


 

 本編もさることながら、“爆笑メイキングフィルム”でも見ているかのような面白さで語ってくれた福田雄一監督。福くんをはじめとする出演した子供たちを、心底可愛いと思っている様子がよくうかがえた。誰よりも子供らしい可愛らしさを知り、それを笑いのセンスで活かせるノウハウを持っておられるようだ。あの“舌っ足らずの福くん”の可愛らしさにハマること間違いなし!

(河田 真喜子)

kiiroizou-s550.jpgkiiroizou-1.jpg『きいろいゾウ』舞台挨拶レポート
(2012.12.23 大阪ステーションシティシネマ)
ゲスト:宮﨑あおい、向井理  サプライズゲスト:本田望結
(2012年 日本 2時間11分)
監督:廣木隆一 
原作:西加奈子著『きいろいゾウ』小学館
出演:宮﨑あおい、向井理、柄本明、松原智恵子、リリー・フランキー、緒川たまき、濱田龍臣、本田望結
2013年2月2日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、T・ジョイ京都他全国ロードショー

公式サイト⇒http://www.kiiroizou.com/
(C) 2013西加奈子・小学館 / 「きいろいゾウ」製作委員会

作品レビューはコチラ

 西加奈子のロングセラー小説『きいろいゾウ』が、自身も同作の大ファンという宮﨑あおいと向井理を迎えて映画化され、『軽蔑』、『ヴァイブレーター』の廣木隆一監督がファンタジーとリアルが交錯する原作を、実感ある夫婦の物語に仕立てあげた。
 2013年2月の公開を前に、大阪ステーションシティシネマで行われた先行有料試写会では、上映後に主演の宮﨑あおい、向井理が登壇し、作品の余韻に浸る観客を前にツマとムコさながらのゆったりトークを展開、途中からサプライズゲストの本田望結がサンタクロース姿で登場し、会場からも歓声が沸く場面もあった。一足早いクリスマスプレゼントとなった、宮﨑あおい、向井理、本田望結による舞台挨拶をご紹介したい。


kiiroizou-s1.jpg(最初のご挨拶)
宮﨑:みなさん、こんばんは。今日は見に来て下さって、本当にありがとうございます。とても大好きな原作で、この作品の中に自分が入れたことを光栄に思います。みなさんが見られてどんな感想を持たれたのかとても気になりますが、心を込めて作った作品なので、好きでいてもらえたらいいなと思います。
向井:こんばんは。ムコ役を演じさせていただいた向井理です。この映画は今年の4月に三重県で撮影していました。とてもいい所で、ロケーションの力にも助けられた作品になっていると思います。よろしくお願いします。

━━━お二人は初共演ですが、宮﨑さんが最初に向井さんにどんなイメージを持っていましたか?
宮﨑:なんかシュッとしてますよね。背が高くて、スキがないイメージがありました。でもお会いして、ツマとして時間を共有している間はシュッとした感じが全然ないんです。現場でもムコさんとしてぼぉ~っとしていて。
向井:シュッとしているのは、仕事用なんです。
宮﨑:こんなにちゃんとスキがある人なんだなと、すごく面白かったです。

kiiroizou-s2.jpg━━━向井さんは最初宮﨑あおいさんにどんなイメージを持っていらっしゃいましたか?
向井:あまり誰に対しても「こういう人なのではないか」というイメージを持たないので、印象としてこんな人だと思ったことはないですね。(実際に共演してみると)面白い人ですよ。鼻歌歌っているし、変な絵を書いているし。でも芯が強いんですよ。お互い同じ場所にいるのですが、別々のことをしていて、現場で話すこともあったりなかったりで、むしろ会話は少ない方だと思います。それでも、お互いに無駄に自分たちのテリトリーを壊さないで、自分たちの距離間を保っていたので、本番でも本番じゃないときもずっと同じテンションでいられて、やりやすかったです。居心地が良かったです。

━━━映画でもファンタスティックな場面や現実的な場面が登場し、演じる上では難しいのではないかと思いましたが、宮﨑さんはツマを演じるにあたって、こうしようというイメージはありましたか?
宮﨑:こういう風にやろうというのは、いつもないですね。こういう服を着ているなとか、こういう髪型をしているなというイメージが沸くことはあります。(前髪を切ったことについて)原作を読んだときも、台本を読んでもちょっと変わっている印象があったので、自分で切っちゃった前髪といった感じかなと思いました。だんだん短くなるんですよ。ほとんど順撮りで撮っているので、前半戦は割と長めのまゆげからちょっと上がったぐらいなのですが、後半戦はムコさんがいなくなってから大変なことになっていて、前髪が全部立つぐらいになっているので、その辺を注目して2回見てください。

━━━向井さんは無精ひげをはやしていらっしゃいましたが、ムコさんはこんな感じとイメージされたのですか?
向井:監督とも相談して、物書きということもあったので、特に外見にこだわりのない人だと思ったので、髪型もボサボサですし、ヒゲもはやして、メイクもせずスッピンでした。

━━━あと、関西弁がなめらかで、全然違和感なかったですよね。
向井:大丈夫でしたか?結構不安だったのですが。(会場拍手)

━━━ツマとムコがデートするなら大阪ではどこがいいですか?
向井:どこやろね~(会場笑)彼らに対してあまりハイカラなイメージがないので。大阪はすごく近代的だから・・・食べるのが好きな二人なので、食い倒れたいです。

kiiroizou-s3.jpg~本田望結ちゃんが、サンタクロースの姿でプレゼントを手に登場!~

━━━ご挨拶をお願いします。
向井:宮﨑あおいさんの子どもの役を演じた本田望結です。よろしくお願いします!

━━━映画の中で髪が短かったですね。
本田:髪の毛の短い子の役は初めてだったので、びっくりもあったし、不思議な感じもあったし、すごく楽しかったです。

━━━今日は大きな袋を下げていますが、プレゼントがあるんですか?
本田:ツマさんとムコさんの似顔絵を書きました!

~宮﨑さんと向井さんに望結ちゃんからプレゼントを贈呈~

━━━宮﨑さん、向井さん、感想はいかがですか?
宮﨑:私はよく目が離れていると言われて、魚顔だと自称しているのですが、目がちゃんと離れているのでうれしいです。ありがとうございます。
向井:すごいね。ちょうどくせ毛でいつもこうなるので、よく見てるね。髪質がそっくり。
本田:向井さんと宮﨑さんに、書くときは似てると言ってもらえたらうれしいなと思っていたけど、似てると言われてちょっとほっとしました。

━━━望結ちゃんは映画の中で絵本を読むシーンがありますが、どんな気持ちで撮りましたか?
本田:絵本の中に出てくるのは初めてだったので、楽しいのもあるし、うれしいのもあるし、向井さんと望結で二人で声を撮ったときはドキドキもあったし、楽しかったし、うれしかったし、いろんな気持ちがありました。
向井:僕はきいろいゾウ役もやっているので、あの時は本当に手をつないで撮影したもんね、監督の指示で。
宮﨑:私はその撮影の時、見学に行きました。一日だけだったので、どんな風に撮影しているのか見たかったので。二人で声を撮っているときも、はしっこでニヤニヤしながら見ていました。

kiiroizou-s4.jpg━━━最後に、ご挨拶をお願いします。
向井:この映画はご覧になっていただいたとおり、これが僕たちの作った『きいろいゾウ』です。キャストもとても少なく、登場人物も少なく、人物設定も分かりやすく、こだわりのある映画になっていて、僕もこの映画をどう表現していいのか正直まだわからないところもあります。後半から全然違う映画になって、初めて見たときは2本映画を見たような、それぐらい前半のゆるい雰囲気と後半のとがったカットと、色々な要素が入った映画になっています。この映画がどんどん大きくなるのは、自分たちの力だけではできませんので、ぜひ多くの方に伝えていっていただきたいと思います。今日はありがとうございました。
宮﨑:この映画の中では心が痛くなったり、悲しくなったりするシーンがたくさんあったと思います。でもきっと自分が大切だと思う人と向き合うということは、もちろん幸せなことはいっぱいあるけれど、そういう痛い部分も必ず付いてくることで、それと一生懸命向き合おうとする夫婦のお話だと思います。ぜひ、みなさんがこの作品を広めていってくださればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。(江口由美)

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