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『バツイチは恋のはじまり』

 
       

batuichi-550.jpg『バツイチは恋のはじまり』

       
作品データ
原題 Fly Me to the Moon 
制作年・国 2012年 フランス 
上映時間 1時間44分
監督 パスカル・ショメイユ
出演 ダイアン・クルーガー、ダニー・ブーン、アリス・ポル、ロベール・プラニョル、ジョナタン・コアン
公開日、上映劇場 2014年9月20日(土)~ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、11月~京都シネマ 他全国順次公開
受賞歴 《フランス映画祭2014・観客賞受賞作》

 

~ How To Get“最高のパートナー”~


フランスの喜劇王 ダニー・ブーン(『ミックマック』(’09))がコメディアンとしての本領発揮!
こんなダイアン・クルーガー見たことない!さすがのクール・ビューティも笑いが止まらない。抱腹絶倒のラブコメ決定版!

 

batuichi-6.jpg1度目の結婚は必ず失敗するという家系的ジンクスを抱えたイザベルが、10年も同棲している恋人との結婚を成功させるため、誰でもいいから虚偽結婚してバツイチになろうと企むお話。それはムシが良すぎるだろうと思って見たら、とんでもない!選んだ相手が悪かった――お人好しで誠実なジャン=イヴは、本気でイザベルを愛してしまったのだ! ケニアとモスクワでのロケは、異文化に触れた解放感からか二人の距離を縮めることに大成功。さらに二人の駆け引きの面白さは見る者を夢中にさせる。
 

batuichi-4.jpgあのシャネル化粧品のモデルもしているクール・ビューティのダイアン・クルーガーが、アフリカのサバンナまで男を追いかけて気を引こうとしたり、今度は離婚するためモスクワまで追いかけてあの手この手の嫌がらせをしたり、こんなコミカルなダイアンは初めて見た。一方、ダニー・ブーンの方は、いきなり絶世の美女にラブコールされたかと思えば、気の毒なほどの仕打ちを受けて戸惑う非モテ系男子を、舞台で鍛えた体を張ったアドリブやジョークを連発しながら演じる。彼の切ないほどに愛を育もうとする姿が、またいじらしい。

 


 【STORY】
batuichi-3.jpgパリに住みイザベルは、恋人ピエールと10年間も同棲生活を送りながら中々結婚に踏み切れずにいた。ピエールは理想的な結婚相手だったが、「1度目の結婚は必ず失敗する」というイザベルの家系代々のジンクスを心配していたのだ。そこで、誰でもいいから結婚してすぐに離婚しようと、飛行機の中で知り合ったツアーガイドのジャン=イヴという非モテ系のダサい男に目を付ける。そして、彼と一緒にケニアへと飛ぶが……。

 

初めてのアフリカ。ホテルや食事やサバンナでのトラブルと、それまで、毎日規則正しいきっちりとした生活を送ってきたイザベルにとって、予想外の出来事ばかり。満天の星空を眺めては亡き父を想い、たまたま開催されていたマサイ族の神聖な結婚式に参加しては自分の身勝手さを悔やむ。そして、ジャン=イヴに申し訳ないと思い帰国する。
 

batuichi-2.jpgところが、予定通りピエールとの婚姻届を出そうとしたら、既にジャン=イヴとの結婚が成立しているという。あのケニアでの結婚の儀式が正式なものとして受理されていたのだ。何とかして離婚しようと、今度はジャン=イヴの住むモスクワへと向かう。彼に嫌われようといろんな方法で悪女を演じてみせるが、寛大で優しい彼には通じない。次第に彼と一緒に過ごす時間が楽しく思えてくる。諦めて帰国したイザベルの元へ、彼女の意図を察したジャン=イヴが離婚届けを持ってくる……。

 


 何事も予定通りという完璧なピエールとの生活は安定しているが、面白味もなければ潤いも感動もない。それとは対称的なジャン=イヴとの生活は、今までに味わったことのない冒険心や躍動感にあふれ、子供のように胸躍らせお腹を抱えて大笑いすることができる。自分にとって本当にふさわしいパートナーとは?
 

batuichi-7.jpg「絶対この人とはあり得ない! 隣にも座りたくない」と思っていた人と、7年後結婚してしまった私。少しはイザベルの気落ちが理解できる。何を血迷ったかと思われるかもしれないが、それまで気付かなかったことが、意外にも共感し合える喜びに変化していくのだ。
 

ダニ・ブーンとダイアン・クルーガーがそれぞれ別のシーンで踊るコサックダンスに注目! かなりのハードトレーニングの成果を見せているが、そこにこそ愛のメッセージが込められているのだ。 「気持ち良く心の底から笑えるのが一番!」というダニー・ブーンの品のいいコメディセンスが最大限に活かされた傑作ラブコメで、大いに心のときめきを活性化させて下さいね。

(河田 真喜子)

★ダニー・ブーン トークレポート⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://www.batsu-koi.com/

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