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『舟を編む』

 
       

funeamu-550.jpg『舟を編む』

(春岡勇二バージョン)

★松田龍平・宮﨑あおい 舞台挨拶レポートはこちら

       
作品データ
制作年・国 2013年 日本
上映時間 2時間13分
原作 三浦しをん『舟を編む』(光文社刊)
監督 石井裕也
出演 松田龍平、宮﨑あおい、オダギリジョー、黒木華、渡辺美佐子、池脇千鶴、鶴見辰吾、伊佐山ひろ子、八千草薫、小林薫、加藤剛
公開日、上映劇場 2013年4月13日(土)~丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、ほか全国ロードショー

 

~真面目ってかっこよくて面白い~

 

funeamu-4.jpg 昔から思っていた。何人かの人間が集まり、情熱と時間と知恵を傾けてなにかを創りあげるのはとても映画的な題材だと。家でも人工衛星でも創るものは何でもいいのだけれど、それが辞書だなんて、なんて魅力的。

 三浦しをんの原作が発表されたときから、いい題材を採ったと感心していた。あとは映画化されたときにつまらなくなることだけが心配だったのだが、『川の底からこんにちは』で知られる29歳の気鋭、石井裕也監督はその心配を杞憂に変えてくれた。

funeamu-1.jpg 15年の歳月をかけて一冊の辞書を創りあげる人間たちの物語。それは、人と人との思いをつなぐ“言葉”を愛す人間たちの物語。まず、渡部謙作の脚本がいい。原作では「おれ」になっている主人公の一人称を「ぼく」に変えるなど、ひょっとするとキャラクターの把握が原作者よりも正しいのではないかと思わせる箇所が幾つかあったり、エピソードの膨らませ方も的確だ。本と紙が溢れる原田満生の美術、人の息づかいを捉える藤澤順一の撮影、そしてどこかすっとぼけた石井監督のユーモアに松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョーらのキャストがはまる。早くも現れた、今年屈指の秀作だ。   

(春岡 勇二)

公式サイト⇒ http://fune-amu.com/

© 2013「舟を編む」製作委員会