『僕の中のオトコの娘』窪田将治監督インタビューはコチラ
監督 | 脚本・編集:窪田将治 |
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出演 | 川野直輝、中村ゆり、草野康太、木下ほうか、ベンガル |
公開日、上映劇場 | 2012年12月29日(土)~シアターセブン、2013年1月5日(土)~元町映画館他全国順次公開 |
受賞歴 | 第36回モントリオール世界映画祭フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門正式出品作品 |
~マイノリティーの人たちへの応援歌、そして一歩踏み出す勇気を伝えたい~
心はオトコだけれど、女装をするのを楽しむ男子を“女装娘(じょそこ)”と呼ぶことを、みなさんはご存知だろうか。ここ数年一つの個性として認知されながらも、まだまだ偏見の目で見られてしまう女装娘を取り上げた異色青春物語が誕生した。就職したものの、会社に馴染めず半年で退職、以来5年も引きこもっていた謙介(川野直輝)が、女装に興味を持ったことがきっかけで、自分らしさを取り戻し、社会で胸を張って生きていくまでを、魅力いっぱいなキャラクターや、主人公を取り巻く家族との関係を絡めながら、瑞々しく描いている。
ひきごもりから脱出するきっかけが女装というユニークな設定に驚かされるが、最初は女装バーだけで女装を楽しんでいた謙介が、次第に女装娘の世界に足を踏み込み、だれもが経験する”親バレ”に直面するまでドキドキさせられながらも、どこか爽やかに見せていく。女装バーの静香ママ(木下ほうか)の包容力や、弟のために仕事を辞めさせられる羽目になっても、弟が女装で自分らしさを見つけていくのを応援する姉(中村ゆり)の優しさなど、謙介を取り巻く人間の温かさにも触れることができる。
ベンガル演じる父親の「お前の覚悟はその程度か」という台詞に、自分らしく生きるには誰に何と言われてもひるまない覚悟が要るのだと思い知らされる。それは親のことを思って女装を止めようとした息子への愛のムチでもあるのだ。自分らしく生きにくい世の中で、胸を張って女装娘姿で街を疾走する謙介の姿は、新しい一歩踏み出した人間の躍動感がみなぎっていた。(江口由美)
公式サイト⇒http://www.boku-naka.com/
(C) 2012『僕の中のオトコの娘』製作委員会