
| 原題 | Jules |
|---|---|
| 制作年・国 | 2023 年 アメリカ |
| 上映時間 | 1時間27分 |
| 監督 | 監督:マーク・タートルトーブ 脚本:ギャビン・ステクラー |
| 出演 | ベン・キングズレー、ゾーイ・ウィンターズ、ハリエット・サンソム・ハリス、ジェーン・カーティン、アンナ・ジョージ |
| 公開日、上映劇場 | 2026年3月20日(金)~シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、テアトル梅田、アップリンク京都、3月21日(土)~Cinema KOBE ほか全国順次公開 |
〜会えばきっとあなたもハマるはず!〜
久しぶりにハマるキャラクターに出会った・・・!それは地球外生命体。
ここはペンシルベニア州西部の小さな町。ミルトン(ベン・キングズレー)の生活は週に1度の町議会に出席すること。息子は遠くカリフォルニアにいて長らく会っていない。近くに住む娘(デニス・ゾーイ・ウィンターズ)が時々様子を見に来るものの、認知症の初期症状が出始めていた。町議会の人々も、同じ内容の陳情を繰り返すミルトンを遠巻きに見ている。そんなある日、ミルトンの庭に謎の飛行物体が不時着してしまったから、さぁ大変!うっかり口を滑らすと、妄想だと決めつけられてしまう。そんななか近所に住む世話好きのサンディ(ハリエット・サンソム・ハリス)と詮索好きのジョイス(ジェーン・カーティン)の知るところとなり、三人の共通の秘密となる。しかし、それを密かに調査する組織がいた・・・!
’80年代、ビール会社のマスコットとして人気を博した犬のキャラクター、スパッズ・マッケンジーのTシャツが小道具として出てきたり、オシャレなランプシェードがあったり、SF映画のあるあるシーンが登場したり、アメリカンカルチャーの魅力がギュッと詰まった本作。監督は『アグネスと幸せのパズル』(制作・監督)『リトル・ミス・サンシャイン』(制作)のマーク・タートルトープ。タートルトープ監督は人が何かの変化の途中にいる物語に惹かれると言う。たしかに変化は目に見えない形で少しづつ訪れる。変わっていないつもりでいても、実は同じではないということは折にふれ誰もが感じることではないだろうか。20代の人であっても10代の頃はもっと速く走れたと思うことがあるだろう。それは年齢とともに加速度を増してゆく。
主演のミルトンを演じたベン・キングスレーと言えば『シンドラーのリスト』や『ガンジー』がつとに有名。意外と言えば意外だけど、シリアスな俳優だからこそ生まれる哀愁とユーモアがとても良いバランスだ。とある組織や宇宙開発を匂わせるアレコレが出てきたりすると何かのメタファーなのか?と思いつつ、やっぱり笑ってしまう。何より、この飛行物体の中から出てきた”ある存在”のフォルムにハートをワシづかみにされてしまった。伝わるかどうかわからないが、NHK朝の連続ドラマ「虎に翼」をきっかけに流行った「スンッ」を思い出した。カメラワークも絶妙でこれがフレームに映り込むとそれだけで心をくすぐられる。久しぶりにグッズが欲しくなってしまった。キーホルダーがあったら絶対買う。
物語には直接関係しないが、エンドロールに流れる「私の父 アランへ」というメッセージにもじんわり。SFを下敷きに人生の晩年を迎えた三人のドラマが豊かに描かれていて、それがこの一言に凝縮されている気がしたのだ。たとえ今は傍にいなくても、みんな誰かしら大切な存在がきっといる。相手が人間であろうと動物であろうと地球外生命体であろうと、やっぱり尊重することが一番大切なんだと思い出させてくれる。誰かと一緒に観れば、帰り道、目の前にいる人に優しくなれそう。一人で観ても、しみじみと温かい気分にさせてくれる作品。
(山口 順子)
公式サイト:https://cominghome-movie.com
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提供:キングレコード 配給:NAKACHIKA PICTURES
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