
| 原題 | 原題:Un P’tit Truc en Plus 英題:A Little Something Extra |
|---|---|
| 制作年・国 | 2024年 フランス |
| 上映時間 | 1時間39分 |
| 監督 | 監督:アルテュス 脚本:アルテュス クレマン・マルシャン ミラン・モージェ 撮影:ジャン=マリー・ドルージェ |
| 出演 | アルテュス、クロヴィス・コルニアック、アリス・ベライディ、マルク・リゾ、セリーヌ・グルサール、 アルノー・トゥパンス、マリ・コラン、 テオフィル・ルロワ、ルドヴィク・ブール、ソフィアン・リブ、スタニスラス・カルモン、マヤヌ=サラ・エル・ バズ、ボリス・ピトエフ、 ギャッド・アベカシス、ティボー・コナン、バンジャマン・ヴァンドワル |
| 公開日、上映劇場 | 2025年12月26日(金)~TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都、京都シネマ、OSシネマズミント神戸 ほか全国ロードショー |
とんでもないアクシデントが、
出会うはずのなかった人たちを結ぶハッピー・ストーリー
フランス本国では『最強のふたり』(2011年/エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督)を抜いて大ヒットした(年間興行収入なのか公開初日動員数なのかどっちもなのか)というのがこの映画。両作品に共通しているのは、弱者とみなされる人たちが協力しあって何かを達成するということ。日本には「判官びいき」という言葉があるが、多くのフランス人にもそういう傾向があるのだろうか。ともあれこの映画、何度もくすりと笑って、胸があったかくなって、クリスマス・シーズンにはぴったりだと思った。
冒頭から、大騒動が始まる。宝石店に強盗に入ったパオロ(アルテュス)とその父親(クロヴィス・コルニアック)のふたり組、いくつか宝石を持ち出して成功したかに思えたが、逃走用の車が見当たらない。慌てているうちに、サマーキャンプに出掛けようとする障がい者施設の集団に巻き込まれる。施設の職員アリス(アリス・ベライディ)からパオロは新たな入所者に間違われたため、父親はその介助者になりすまして一緒に出掛けることにした…。
ハプニングだらけのヴァカンスに、泥棒親子は右往左往。それぞれ豊かな個性を発揮するマイペースの障がい者たちの真似をして、何とか溶け込もうとするパオロだが、「あんた、障がい者じゃないだろう?」と見抜かれてしまう場面がおかしい。障がい者施設の入所者たちは、実際に障がいを持つアマチュア俳優が演じていて、なんともいえないふわりとした空気感を放っている。自分たちは“健常者”だと考えているパオロと父親の、先入観や既成概念をやわらかく突いてくるのだが、「障がい者vs 健常者」という図式の上にあるのでなく、あくまで「仲間」としてである。そこがイイ、とてもイイなと思う。それでいて、障がい者支援の仕事に対して、差別的なことを言うアリスの恋人には鋭い刃を向ける。このあたりのさじ加減が絶妙だ。
監督のアルテュスはコメディアンでもあり、本作の共同脚本も務めた。恋あり、友情あり、人生の見直しあり…さまざまな人間模様のタペストリーを織り上げている。笑いのツボを知り尽くした人の為せる仕事だと思いながら、最後のサプライズ・シーンまでたっぷり楽しんだ。
(宮田 彩未)
■公式サイト:somethingextra-movie.jp
■公式 X:@TowaPictures
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■配給:東和ピクチャーズ
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