原題 | 原題:대도시의 사랑법 英題Love in the Big City |
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制作年・国 | 2024年 韓国 |
上映時間 | 1時間58分 |
原作 | 小説『大都会の愛し方』 より「ジェヒ」(パク・サンヨン著、オ・ヨンア訳/亜紀書房) |
監督 | イ・オニ |
出演 | キム・ゴウン、ノ・サンヒョン、チョン・フィ、オ・ドンミン、チャン・ヘジン、イ・サンイ、クァク・ドンヨン、チュ・ジョンヒョク、イ・ユジンほか |
公開日、上映劇場 | 2025年6月13日(金)~TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマ、TOHOシネマズ二条、T・ジョイ京都、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸 ほか全国ロードショー |
~個性をそのまんま受け入れてくれる最強のバディが欲しくなる~
高いビルの屋上に白いウェディングドレスを着た女性がいて煙草を吸っている。そこへ近づいていくのは、びしっとキメた正装姿の男性。ふたりはにこやかに笑顔を交わし…。映画の冒頭のこのシーンを見たら、「ああ、このふたりは結ばれるんだなあ」と思うだろう。だが、いい意味でその予想は裏切られる。ハッピーエンドは別の形となって着地し、映画の題名にある“ラブ”は限定的な恋愛でなく、もっと広い意味の愛を示していることに気づくだろう。
同じ大学に通うジェヒ(キム・ゴウン)とフンス(ノ・サンヒョン)は、一方が太陽のイメージなら片方は月、というぐらい対照的。ジェヒはとにかく惚れっぽい女性で、好きになったらグイグイ押していく自由奔放タイプ。まわりから何を言われようが全くかまわない。フンスは女性に興味を持てないのだが、ゲイであることをカミングアウトすることができず孤独と向き合って生きている男性だ。そんなふたりがあることからルームシェアすることになった。
社会を常に等質性の高いものにしようとすることを「同調圧力」と呼ぶのだそうだが、この映画に悪役がいるとしたら、まさにそれだ。ジェヒとフンスはそれぞれに周囲からはみ出ている。周囲の人間=社会は、彼らふたりを異質なものとして認識し、中傷したり排除したりしようとする。そしてそういう言動によって圧力をかけ、優越感に浸るわけだ。でも、ふたりはいつしか強力なバディシップを獲得する。互いの存在が世間からの防波堤となる。ある男から侮辱されたジェヒを助け寄り添おうとするフンスの一所懸命さに、ほろっとしないわけがない。普通なら恋してしまう、間違いなく。だが、これは完全に恋を超えているのだ。
原作は、世界三大文学賞の国際ブッカー賞やダブリン文学賞にノミネートされたパク・サンヨンの小説『大都会の愛し方』。この中の「ジェヒ」の章をもとに映像化された。誰もが望んでいるかもしれない「そのまんま、あるがままでいいよ」と思ってくれる大切なひとの存在。なかなかそういうひとと出会うことが難しいからこそ、この映画の指し示すものがきらきらとまぶしいのかもしれない。
(宮田 彩未)
公式サイト:https://loveinthebigcity.jp/
提供: KDDI
配給: 日活/KDDI
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