映画レビュー最新注目映画レビューを、いち早くお届けします。

《松竹ブロードウェイシネマ》『アーネストに恋して』

 
       

Ernest-550.jpg

       
作品データ
原題 Ernest Shackleton Loves Me 
制作年・国 2017年 アメリカ 
上映時間 1時間28分
監督 演出:リサ・ピーターソン 脚本:ジョー・ディピエトロ 作曲:ブレンダン・ミルバーン 作詞:ヴァレリー・ヴィゴーダ 監督(シネマ版):デイヴィッド・ホーン
出演 ヴァレリー・ヴィゴーダ(俳優、ミュージシャン、作詞・作曲家、ディズニー楽曲のクリエイター)、ウェイド・マッカラム(俳優、ダンサー、歌手、作曲家、脚本家、映像作家、演出家)
公開日、上映劇場 2024年10月4日(金)~東劇、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、kino cinema 神戸国際 他全国公開!
受賞歴 ★2018年ルシル・ローテル賞ミュージカル部門主演男優賞 ウェイド・マッカラム(ノミネート) ★2017年オフ・ブロードウェイ・アライアンス最優秀ミュージカル賞受賞

 

ネバーギブアップ! 楽観主義が武器になる!?

どんな困難に遭遇してもパワフルに前進する勇気を教えてくれる、

時空を超えたラブストーリー

 

誰しもいろんな困難に出くわすことがあるだろう。どんなに落ち込んでいても、絶望の淵にあろうとも、諦めずに忍耐強く生きてさえいれば、道は必ず開ける!


Ernest-500-2.jpg赤ん坊を抱えたシングルマザーの作曲家・キャット(ヴァレリー・ヴィゴーダ)は、睡眠時間を削りながらゲーム音楽の作曲に精を出すが中々仕事に結び付かない。気晴らしに出会い系サイトに登録してみたら、なんと電磁波の影響か、100年前の実在の冒険家アーネスト・シャクルトン(1874-1922)(ウェイド・マッカラム)と繋がってしまう。そんなバカな!? しかも南極大陸横断中でエンデュアランス号が流氷に阻まれ遭難しかかっているという! とんだミラクルに何が何だか分からないキャットだったが、「君の歌には力がある!」というアーネストに励まされ、いつしか時空を超えて度重なる絶対絶命の危機に立ち向かうことになる。


Ernest-500-1.jpg何と言っても、違う時代を生きる二人がお互いの武器となる良さを引き出しては高め合うという素晴らしさに尽きる。楽観的な性格ながら、隊員の命を守るため自己犠牲もいとわず絶望から這い上がろうとするアーネストのリーダーとしての強い責任感。キャットはそんな彼に影響され、もう安易な道を選ばず、雰囲気に流されることなく、同じ過ちを二度と繰り返さないと、強い心で生きる決心をする。イントロの出会い系サイトの登録からして自虐的でユーモラスなキャットに魅了されながら、いつの間にか観客も二人の冒険へと駆り出される。そして、苦難の時こそ自分の力を信じる強さこそが必要だと気付かせてくれるのだ。


Ernest-500-3.jpgこんな胸アツ・ミュージカル『アーネストに恋して』の奇想天外なドラマをたった二人で演じているのだからびっくり! エレキバイオリンやシンセサイザーを駆使し多くの楽曲を一人で演奏するキャット役のヴァレリー・ヴィゴーダは、シンディ・ローパー やジョー・ジャクソンなどのツアーに参加したり、ブロードウェイの舞台で活躍したり、ディズニー楽曲のクリエイターでもある。豊富なキャリアに裏打ちされた才能は、心を奮い立たせるパワフルな楽曲に十二分に発揮されている。


Ernest-500-5.jpgまた、アーネスト役のウェイド・マッカラムも俳優・歌手・ダンサーとしてだけでなく作曲・演出・映像作家としても活躍しており、大柄の体格から繰り出される豪快なパフォーマンスは一瞬にして観客の心を掴んで離さない。こんな二人の才能がぶつかり合う舞台を観られるのも《松竹ブロードウェイシネマ》ならでは! 知る由もなかったアーティストたちや、アメリカでしか観られない多くの傑作公演を近くの映画館で気軽に楽しめるのだから、こんチャンスを逃す手はないだろう。

 

Ernest-pos.jpg

(河田 真喜子)

配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹

ⒸJeff Carpenter

■公式サイト: https://broadwaycinema.jp/ 

www.instagram.com/shochikucinema/

www.facebook.com/ShochikuBroadwayCinema

■twitter.com/SBroadwayCinema

 

 

カテゴリ

月別 アーカイブ