原題 | Sinkhole |
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制作年・国 | 2021年 韓国 |
上映時間 | 1時間54分 |
監督 | キム・ジフン(『木浦は港だ』『第7鉱区』『ザ・タワー 超高層ビル火災』) |
出演 | チャ・スンウォン(『ハイヒールの男』『毒戦 BILIEVER』)、キム・ソンギュン『悪いやつら』、イ・グァンス(『探偵なふたり:リターンズ』『ハッピーニューイヤー』)、キム・ヘジュン『未成年』 |
公開日、上映劇場 | 2022年11月11日(金)~TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、109シネマズHAT神戸 他全国ロードショー |
苦節11年、やっと手に入れた夢のマイホームが、突然奈落の底へ!?
家族のため、未来のため、泣き笑いの決死の脱出劇!
改めて韓国映画の底力を感じさせる逸品。一瞬にしてマンションまるごと地下500mに陥没!? まさに「〈都市直下型〉ディザスター・パニック・ムービー!」なのだが、VFXを駆使したリアルな陥没シーンや、家族のため、隣人のため、友人のため、次々と襲い来る危機に立ち向かう決死の人物像など、思わず巻き込まれる臨場感に圧倒される。特に、個性的な俳優陣の必死さとコミカルさを織り交ぜた演技には心から感動。さらに、最後までハラハラドキドキさせながら惹きつける構成の巧さに拍手喝采を贈りたくなる。
韓国では年間約900件のシンクホール(雨や工事などによって地表にまで到達する大きな穴)による陥没事故が起こり、その78%がソウル市内で発生しているという。都市直下型の陥没事故は決して絵空事ではない。日本でも、2016年の福岡市博多駅前大通りの大陥没事故が起きたが、早朝にもかかわらず、事前察知から迅速な対応で1人の犠牲者も出さず、さらにわずか1週間で完全復旧して世界をアッと驚かせた。今年は調布市の住宅街でも陥没事故が頻発しているが、地下工事の影響とみられている。
さて、不動産高騰が続くソウルで、節約生活を送りながら苦節11年、やっと夢のマイホームを手に入れたサラリーマンのドンウォン(キム・ソンギュン)は、雨が降り続く中、妻子と共にマンションに引っ越してくる。新居に暮らす幸せに浸る間も無く、気まずい出会い方をした同じマンションに住む強面の男・マンス(チャ・スンウォン)が、ドンウォンの行く先々に現れては不穏な動きを見せる(一体何モンや?)。また、床の傾きが気になりながらも、会社の部下たちにおだてられ新居祝いのパーティをすることに。なぜか強面の男・マンスまで加わり、酔いつぶれたキム代理(イ・グァンス)とインターンのウンジュ(キム・ヘジュン)の二人は泊まることになったのだが……。
そして翌朝、前夜からの豪雨で巨大なシンクホールが現れ、あれよあれよという間に建物ごと数百メートル地下の穴の底に人々を飲み込んでしまう!そこからの人間模様がまた面白い。怪しい男と思っていたマンスの別の顔に胸が熱くなったり、全く関心のなかった者同士のなりふり構わぬ決死の行動に爆笑したり、しがないサラリーマンだったドンウォンが『ダイ・ハード』のブルース・ウィリスばりに大活躍したり、礼儀正しいドンウォンの幼い息子がまた可愛いのだ!劇中の人物同様、撮影時にもスタッフもキャストも一致団結して撮影に挑んだという。その半端ないパワフルモードに圧倒されながら、泣き笑いのディザスター・パニック・ムービーが楽しめること間違いない!
(河田 真喜子)
公式サイト: https://gaga.ne.jp/naraku/
配給:ギャガ
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