原題 | The Medium |
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制作年・国 | 2021年 タイ・韓国合作 |
上映時間 | 2時間11分 R18+ |
監督 | 監督:バンジョン・ピサンタナクーン(『アンニョン!君の名は』『一日だけの恋人』)、原案・プロデュース:ナ・ホンジン(『チェイサー』『哭声/コクソン』) |
出演 | サワニー・ウトーンマ、ナリルヤ・グルモンコルペチ、シラニ・ヤンキッティカン |
公開日、上映劇場 | 2022年7月29日(金)~シネマート心斎橋、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ京都、アップリンク京都、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー |
ただ恐怖を煽るだけの映画ではない。
日本人も共感する精霊信仰に潜む恐怖をドキュメンタリータッチで肉迫!
タイ東北部のイサーン地方に残る精霊信仰、代々女性が継承してきた〈女神バヤンの巫女〉について取材中だった撮影隊が偶然に捉えた最恐の悪霊憑依現象は、観る者をトラウマ級の恐怖に陥れる!
取材対象の祈祷師ニムは、撮影隊を引き連れ姉ノイの夫の葬儀に参列し、ノイの娘ミンの異変に気付く。ノイは自分が継承するはずだった〈女神バヤンの巫女〉をニムに押し付け、呪われた家系の男と結婚していたのだ。撮影隊は〈女神バヤンの巫女〉の継承シーンを撮れるかもしれないと期待して、今度はミンを対象に撮影を進めていくと……。
ドキュメンタリー撮影から始まる物語は、万物に宿る精霊を信仰している人々の暮らしや、〈女神バヤンの巫女〉の使命などを映像に収めながら、祈祷師ニムの親族に起こる怪奇現象を実録ものとして描写していく。そのリアルさにグイグイ引き寄せられ、最後は逃れようのない想像を絶する恐怖に突き落とされる。
本作の原案・プロデュースを『チェイサー』(08)、『哭声/コクソン』(16)で、正に脳裏に刻み込まれるような恐怖でその名を轟かせた韓国映画界が誇るナ・ホンジンが務め、『心霊写真』や『愛しのゴースト』『アンニョン!君の名は』で日本でもお馴染みのバンジョン・ピサンタナクーンが監督しているというから、ただ恐怖を煽るだけの映画ではないことは確か。今年の夏、逃れられないホラー体験ができること間違いない!
祈祷師役のサワニー・ウトーンマは舞台を中心に活躍されているベテランの女優だが、本作ではドキュメンタリータッチということで、抑えた演技で田舎のおばちゃんを自然体で魅せている。
一方、ナリルヤ・グルモンコルペチは弱冠20歳(撮影当時)でこの難役に体当たりで挑んでいるが、その思い切りの良さは鋭い感性の賜物だろうと思わせるほど。
他にミンの母親・ノイ役のシラニ・ヤンキッティカンも、悪霊から娘を守ろうとする必死さを全身で表現していた。精霊信仰を大切に守る人々の静かなるシーンから始まり、次第に人間の内奥を破壊していく悪霊がエスカレートしていく。その吸引力たるや、この恐怖から逃れられなくなるようだ。
(河田 真喜子)
公式サイト:https://synca.jp/megami/
配給:シンカ 提供:シンカ、エスピーオー
後援:タイ国政府観光庁 協力:OSOREZONE
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