原題 | HOUSE OF GUCCI |
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制作年・国 | 2021年 アメリカ |
上映時間 | 2時間39分 |
原作 | サラ・ゲイ・フォーデン『ハウス・オブ・グッチ 上・下』(実川元子訳、ハヤカワ文庫、2021 年 12 月刊行) |
監督 | リドリー・スコット(『エイリアン』や『ブレードランナー』『グラディエーター』) 撮影:ダリウス・ウォルスキー 衣装デザイン:ジャンティ・イェーツ 音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ |
出演 | レディ・ガガ、アダム・ドライバー、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジャレッド・レト、ジャック・ヒューストン、サルマ・ハエック、カミーユ・コッタン他 |
公開日、上映劇場 | 2022年1月14日(金)~TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマ、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマ、あべのアポロシネマ、TOHOシネマズ二条、T・ジョイ京都、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸、109シネマズHAT神戸 ほか全国ロードショー |
ビッグブランドの裏舞台で演じられた、
“玉の輿”をかなえた女の栄枯盛衰
一般大衆というものは(むろん、私もそのひとりですが)、お金や社会的名声に弱いものです。結婚相手に求める条件として、容姿だとか財産だとかカッコいい仕事だとか、そういうものが必ず上位に入ってきますね。どうやらそれは万国共通のよう。イタリアを舞台にしたこの映画で、ヒロインのパトリツィア(レディ・ガガ)が出会ったのは、なんと世界的ブランドGUCCIの御曹司マウリツィオ(アダム・ドライバー)。しかも、背が高く、イケメン…ってことで、親父さんの運送会社で経理を手伝っていたパトリツィアの目がらんらんと輝き始め、猛然とアタック!ついに彼の心を開いて(こじあけて?)妻の座を射止めてしまうんです。
さて、ここからが面白い。
セレブ世界のクセあり人間がぞろぞろ登場してきます。財産が目的で結婚したと、パトリツィアを見下しているマウリツィオの父親ロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ)、GUCCIの事実上トップで商売っ気たっぷりなロドルフォの兄アルド(アル・パチーノ)、その息子で、センスがイマイチなのに新しいファッションブランドを立ち上げようと目論んでいるパオロ(ジャレッド・レト)など、気づけば男が君臨するグッチ一族の輪の中に入り込んだヒロイン。
でも、彼女はたくましいですね。というより、もともと欲望力が強い女性だったけれど、さらにさらにエスカレートします。どこか周囲に流されやすい夫のマウリツィオをおしりに敷き、ほとんど“女帝”っぽくなっていきます。ところが、人生はそう簡単に彼女の思い通りにはいかず、分岐点が訪れます。そして、世界を騒がせた悲劇へとつながっていくんですね。
いやもう、レディ・ガガの熱演に魅入られてしまいました。イタリア訛りの英語にチャレンジしたそうですが、その道のプロによると、どちらかといえばロシア訛りに近いとか。それでも、結婚前と後、そして、自分を取り巻く状況が悪くなってからのパトリツィアを、きちんと演じ分けていたと思います(ちなみに、ネットで検索すれば、パトリツィア・レッジャーニご本人は健在で、なかなか興味深い記事もあり)。
アル・パチーノは相変らずのあのセリフ回し。しかし、ジャレッド・レトの化けっぷりには驚きました。彼のファンはたぶん衝撃を受けるほどの別人です。アダム・ドライバーの抑制された演技は、他の演者とのバランスをきちんと測った上での所作だと感じられ、この人の実力を感じさせるものでした。
ファッション大好きな人は、ぜひとも登場人物たちが着こなしている衣装をじっくりと見てくださいね。派手なものもあれば、控えめなものもありますが、GUCCIの物語ですから、やっぱりハイレベルです。高価で質が高いものには、それなりの存在感があるんですものね~。
(宮田 彩未)
配給:東宝東和
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