原題 | The Comeback Trail |
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制作年・国 | 2020年 アメリカ |
上映時間 | 1時間44分 |
監督 | 監督・脚本:ジョージ・ギャロ |
出演 | ロバート・デ・ニーロ、トミー・リー・ジョーンズ、モーガン・フリーマン、ザック・ブラフ、エミール・ハーシュ、ケイト・カッツマン |
公開日、上映劇場 | 2021年6月4日(金)~ シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、シネ・リーブル神戸、MOVIXあまがさき 他全国ロードショー! |
ハリウッド流、結果良ければすべて良し!
“殺しても死なない”3爺が魅せる起死回生のスゴ技!?
ハリウッドを舞台に、ロバート・デ・ニーロ(77)、モーガン・フリーマン(83)、トミー・リー・ジョーンズ(74)というアカデミー賞®受賞の3人の大スターがとんちんかんに絡み合うコメディ映画が、コロナ禍で停滞する世の中に旋風を巻き起こす!大コケ映画を作っては借金まみれの映画プロデューサーが起死回生のため発案した保険金詐欺まがいの映画製作に、借金取り立てに躍起のギャングのボスと、老人ホームで日々自殺願望を抱く往年の大スターをそれぞれが演じる。この“殺しても死なない”という爺さんたちのすったもんだの顛末に、思わぬ幸運がもたらされることになろうとは……!?
近年出演作の絶えないロバート・デ・ニーロ(一説には離婚協議中の妻への高額支払いのためだとか?)だが、先頃公開された『グランパ・ウォーズ』では孫とのいたずら戦争を本気で闘ってみせて、他愛無い物語でも凄みのある存在感で魅了していた。今回は、新作映画が悉く大コケで借金まみれの映画プロデューサー・マックスを機関銃トークで押し通す。どうやら『アイリッシュマン』の後なので軽い役を演じたいと監督に申し出たらしく、映画への愛よりもお金と名声だけを追求するという、転んでもタダでは起きないしぶとく狡猾なプロデューサーを楽しんで演じているように見える。
そんなプロデューサーに貸した金を回収すべく躍起になるギャングのボス・レジ―をモーガン・フリーマンが、これまた映画の小ネタやトリビアがポンポン飛び出すような映画マニアでありながら、非情にもマックスを追い込む強面を怪演。そして、撮影初日に事故で死ぬ予定の往年の大スター・デュークをトミー・リー・ジョーンズが、ゾンビが甦るような活躍を見せて驚かせる。マックスが仕掛ける事故が皮肉にも台本にない名シーンとなり、撮影は思わぬ方向へと進んでいく。デュークの雄姿たるや、ジョン・ウェインを彷彿させる西部劇の大スターが実際に甦っていくような感動を生んでしまうのだった。
“ウソから出たまこと”、"瓢箪から駒"、ハリウッドならではの映画製作の裏事情をそっくり映し撮ったような物語だが、これはジョージ・ギャロ監督が若かりし時、偶然目にした『The Comeback Trail』という未公開作のフラッシュを基に脚本化したものだという。その権利を得るために長年温めてきた企画なので、豪華キャストによる作品の完成は、コメディとはいえハリウッドへのオマージュのような意味合いもあるようだ。特に、トミー・リー・ジョーンズの乗馬シーンがいい。『メルキアデス・アストラーダの3度の埋葬』(2005年)のようなどこか郷愁を感じさせる。
(河田 真喜子)
公式サイト:https://comeback-hollywood.com/
配給:アルバトロス・フィルム
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