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『クー!キン・ザ・ザ』

 
       

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作品データ
原題 英題:Ku! Kin-Dza-Dza  
制作年・国 2013年 ロシア
上映時間 1時間32分/DCP
監督 監督:ゲオルギー・ダネリヤ(『不思議惑星キン・ザ・ザ』)/タチアナ・イリーナ  脚本:ゲオルギー・ダネリヤ/アレクサンドル・アダバシヤン/アンドレイ・ウサチョフ  音楽:ギア・カンチェリ  アートディレクター:アレクサンドル・フラムツォフ  エグゼクティブ・プロデューサー:ゲオルギー・ギティス
出演 声の出演:チェロ奏者ウラジーミル・チジョフ:ニコライ・グベンコ、DJトリク:イワン・ツェフミストレンコ、チャトル人ウエフ:アンドレイ・レオノフ、パッツ人ビー:アレクセイ・コルガン、ロボットのアブドラクス:アレクサンドル・アダバシヤン
公開日、上映劇場 2021年5月21日(金)~アップリンク京都、 近日~シネ・リーブル梅田、元町映画館 他全国順次公開 (一部劇場では実写版『不思議惑星キン・ザ・ザ』も同時リバイバル上映予定!)
受賞歴 ★第7回アジア太平洋映画賞最優秀長編アニメーション賞  ★ 第27回ニカ賞(ロシア・アカデミー賞)最優秀アニメーション作品賞

 

旧ソ連時代のカルト映画の傑作、

“脱力系SFコメディ”『不思議惑星キン・ザ・ザ』のアニメ化。

突然はるか遠い星にテレワープしてしまった凸凹コンビの冒険譚

 

二人の地球人が〈キン・ザ・ザ〉星雲のプリュクという謎の惑星へワープして珍道中を繰り広げる、“脱力系SFコメディ”として今なお観る者を虜にする実写版『不思議惑星キン・ザ・ザ』(1986年)。社会主義体制の下、グルジア(現在のジョージア)出身のゲオルギー・ダネリヤ監督によって製作された、最高指導者・管理支配層・一般庶民という社会体制の矛盾を揶揄するようなブラックコメディ映画。そのダネリヤ監督自身が、タチアナ・イリーナ監督と共に、現代アートのセンスと技術を結集させてアニメ化したのが『クー!キン・ザ・ザ』である。


Ku_kinzaza_sub1.jpgあの「クー!」と「キー!」しか発しないプリュク星人はどんなビジュアルになっているのだろう?あの空飛ぶ釣鐘型宇宙船はどんな飛び方をするのだろう?二人の地球人と二人の異星人とブリキのロボットとの“貨幣”を巡るやりとりは?あの「クー!」と叫ぶへんてこな挨拶は健在だろうか?アニメ化によって変わった点は?――大きく違う点は、携帯電話が使われていることだろう。しかも、地球から遠い惑星なのに時々通じてしまうから不思議。チジョフとトリクの立場が逆転し、プリュク星ではどこでも賄賂が必要で貨幣への執着が強くなっている。お金を持つ者と持たざる者との格差が顕著になっている点だろう。


Ku_kinzaza_sub7.jpgイリーナ監督によると、アニメーターだけではなく、線画家やマルチメディア・アーチストなどアニメ映画とは関係ないスタッフを多く採用したという。そのせいか、緻密で色彩豊かな日本アニメを見慣れている者にとって、シンプルな風景や構図に異星人の描写などレトロなところがかえって新鮮に映る。グラフィック・デザイナーによる砂漠や宇宙の背景画も重厚な美しさを漂わせ、意外なほど情感を滲ませているから、これまた不思議。線描画のようなキャラクターも可愛らしく、アニメならではの浮遊感や明るいコミカルさも楽しい作品となっている。
 


【STORY】


Ku_kinzaza_sub4.jpg世界的有名なチェリストのウラジーミル・チジョフは、「マーマ、マーマ、どうしよう♪冬になっても暖かいマフラーがない♪暖かいコートもない♪」という突然の着信音で演奏を中断させられてしまう。それは、家政婦の携帯電話を間違って持って来てしまった自分のポケットから鳴り響いていたものだ。演奏会の帰り、雪の舞う寒いモスクワの街角で、トリクという若い男に声を掛けられる。財布を盗まれたのでお金を貸して欲しいと。さらに、自分はチジョフの親戚だというのだ。その厚かましい言い分を無視して立ち去ろうとする所へ、「地球の番号を教えて下さい」と裸足の男が近寄って来て、何やら携帯電話のような物を差し出す。見たことのない配置のプッシュボタンをトリクが適当に押すと、何と一瞬でチジョフとトリクは砂漠に突っ立っているではないか!?


Ku_kinzaza_sub2.jpgそこへ、釣鐘型の飛行物体が飛んできて、奇妙な二人の異星人とブリキのロボットが登場する。クー!とかキー!とか言って飛行船に乗せられて、忽ちのうちに異星人は地球人の思考回路を読み取ってロシア語で語り始める(なんという能力!)。意志疎通ができたところで、〈キン・ザ・ザ〉星雲のプリュク星での習慣や価値観などが次第に分かってくる。彼らはなぜかマッチを異常に欲しがり、ぼろい金属片が貨幣の役割をなしているというのだ。


Ku_kinzaza_sub8.jpgプライドの高いチジョフは中々馴染めずにいたが、若いトリクは何事につけ安易に返事せず、賢いことに取引交渉を始める。そこで、彼らの宇宙船を使って地球帰還を目指そうとするのだが、そのためには加速器が必要だという。騙し騙され、誘拐されたり投獄されたり、チジョフのチェロ演奏が役に立たなくなるかと思えば、トリクが歌う「マーマ♪マーマ♪~」という着信音の歌が気に入られたり、加速器を求める旅は価値観の違いを大きく見せつけられる大冒険となった。果たして、二人は地球へ帰れるのだろうか・・・?


【気になるセリフ】
「この星には空気はないのかい?」
「空気はあるけど、自由に吸えないんだ。お金があれば吸えるけど……」


(河田 真喜子)

公式サイト: http://www.pan-dora.co.jp/kookindzadza/

後援: ロシア文化フェスティバル日本実行委員会

提供:パンドラ+キングレコード

© CTB Film Company、Ugra-Film Company、PKTRM Rhythm

 

 
 
 

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