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『ローズメイカー 奇跡のバラ』

 
       

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作品データ
原題 La Fine fleur  
制作年・国 2020年 フランス
上映時間 1時間36分
監督 ピエール・ピノー
出演 カトリーヌ・フロ、メラン・オメルタ、ファツアー・ブヤメッド、オリヴィア・コート、マリー・プショー、ヴァンサン・ドゥディエンヌ他
公開日、上映劇場 2021年5月28日(金)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹ほか全国ロードショー

 

~バラの魅力と人の魅力が交配されて開いた、希望の花とは?~

 

「どんな花が好き?」と問われた時に頭に浮かぶのは、バラとひまわり。道端に咲いているしとやかな花々も可愛らしいけれど、強力な存在感を放つ花にいっそう惹かれてしまう。だから、この映画の主人公でもある美しいバラの容姿に見とれ、その育種の神秘にふれる描写に目を持っていかれた。これは、バラをめぐる個性的な人々の、汗と涙と笑いと希望のお話、いまこういう時に私たちの心を晴れやかにしてくれるお話。


Rosemaker_Sub02.jpgフランス郊外で、父親から引き継いだバラ園を営むエヴ(カトリーヌ・フロ)は頭を抱えていた。これまで、すぐれた才能と豊かな経験で新種のバラを開発して数々の賞に輝き、業界でも一目置かれる存在だったのに、今はそれも過去の栄光。数年前から巨大なバラ企業ラマルゼル社に賞もお客も奪われ、バラ園は倒産の危機にあった。それを見かねて、唯一エヴのもとに残った助手のヴェラ(オリヴィア・コート)が、職業安定所から低賃金で働いてくれる3人を連れてきたのだが、これが大騒動の幕開けとなり…。


Rosemaker_Sub01.jpgバラ園に加わった3人は、バラ作りなど全く知らないド素人。携帯ばかりいじってて前科のあるフレッド(メラン・オメルタ)、とにかく定職ねらいの現実派サミール(ファツアー・ブヤメッド)、極端に内気で他人とのコミュニケーションが難しいナデージュ(マリー・プショー)という顔ぶれで、ほんまにこのメンバーでバラ園を立て直せるのかと心配になってしまう。


Rosemaker_Sub07.jpgそして、すぐさま大変な事態を招くのだが、エヴの前向きな姿勢、けしてあきらめず、したたかともいえる強い性格が頭をもたげてくる。頑固で、わがままで、ちょっと毒気もあるエヴは、映画の最初のほうではあんまり観客の共感を呼ぶ人物ではない。でも、一つのことに集中しようと本気を出し、心を開いて本音を語れば、思わぬ結束力や絆を生み出すのだ、きっと。


フランスで指折りのローズブランドといわれるドリュ社やメイアン社をはじめ、バラの専門家たちが監修し、カトリーヌ・フロ演じるエヴのみごとな手作業による交配のシーンも楽しめる。また、巨大バラ企業の壮観にも目を奪われた。バラって、こんなふうに大量生産されているのか!と驚いてしまう。

 
Rosemaker_Sub06.jpg少々厄介な女ボスだったエヴが、フレッドの意外な才能を発見し、優しく思いやりのある母親のように変わってゆくところにも注目して!単なるサクセスストーリーを超え、社会的な問題にも触れながら、共に苦難と戦い共に成長していくことの素敵さを伝えてくれる。

 

(宮田 彩未)

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/rosemaker/

THE ROSE MAKER © 2020 ESTRELLA PRODUCTIONS – FRANCE 3 CINÉMA – AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA

 

 

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