原題 | Wild Rose |
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制作年・国 | 2018年 イギリス |
上映時間 | 1時間42分 |
監督 | トム・ハーパー (『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』) |
出演 | ジェシー・バックリー(『ジュディ 虹の彼方に』『ドクター・ドリトル』)、ソフィー・オコネドー(『ホテル・ルワンダ』)、ジュリー・ウォルターズ (『リトル・ダンサー』『リヴァプール、最後の恋』) |
公開日、上映劇場 | 2020年6月26日(金)~シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、7月3日(金)~シネ・リーブル神戸他 全国順次公開 |
~わたしは、今、ここで、花開く!~
シングルマザーで、前科もあるローズは、スコットランドのグラスゴーのパブで歌い続け、いつかカントリーのメッカ、アメリカのナッシュビルで歌手として成功するのが夢。
映画は、ローズが刑務所を出所するところから始まる。自分の気持ちに正直で、大胆に行動していくローズは、失敗もするが、頑張り屋で才能もある。仕事先に恵まれ、幸運をつかんでいくが、そう簡単にうまくはいかない。二人の幼い子どもたちとの気持ちのすれ違いに悩み、葛藤し、立ち止まる。
自分には歌しかない、夢をかなえたいとしゃかりきになっていたローズが、厚い壁にぶつかる。なぜ歌うのか、誰のために歌いたいのかという問いに、苦しみ抜いた末、自分自身で答えを見つけたとき、新しい一歩が始まる…。
ローズを演じるジェシー・バックリーの繊細で複雑な表情がすばらしい。迷いながらも、夢に向かって手探りで進んでいく姿を等身大で演じ、深い共感を呼ぶ。なかでも、あこがれの地、ナッシュビルの街をひとりで歩きまわり、いろいろな人や景色に出会うシーンは、心の対話をしているようで、一緒に大切な旅をした気持ちになる。
同じシングルマザーとして働き続ける母親がローズを支え励ます姿はひときわ涙を誘う。まわりの寛容な人たちに支えられ、最後、舞台に立ったとき、ローズの輝きと歌声は、観る者の心をしっかりととらえて離さない。
アイルランドに生まれ、シンガーソングライターとして活躍し、『ジュディ 虹の彼方に』では、レネー・ゼルウィガー演じるジュディを支え見守るマネージャー役を務めたジェシー・バックリー。本作で、全曲を自ら歌い、圧倒的な歌唱力を披露した。ぜひ映画館で、これからの可能性に満ち満ちた彼女のチャーミングな表情と歌声の魅力に浸ってほしい。
(伊藤 久美子)
公式サイト⇒https://cinerack.jp/wildrose/
配給:ショウゲート
© Three Chords Production Ltd/The British Film Institute 2018