© 2017 Cape Wrath Films Ltd.
原題 | 原題:Edie |
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制作年・国 | 2007年 イギリス |
上映時間 | 1時間42分 |
監督 | 監督・脚本:サイモン・ハンター |
出演 | シーラ・ハンコック「縞模様のパジャマの少年」 、ケヴィン・ガスリー 「ウイスキーと2人の花嫁」、ポール・ブラニガン「天使の分け前」、 エイミー・マンソン 、ウェンディ・モーガン |
公開日、上映劇場 | 2020年3月20日(金) ~テアトル梅田、3月21日(土) ~京都シネマ、3月27日(金) ~シネ・リーブル神戸 他全国順次公開 |
~いつでも踏み出せる勇気~
スコットランドの雄大な景色の中、ぽつんと一人、頂上を目指して黙々と登っていくイーディの姿に、熱い声援を送らずにはいられなかった。
病で倒れ、歩くことも話すこともできない夫の介護を続けて30年。夫が亡くなり、部屋の片づけをしていたイーディの目に留まったのは、一枚の絵葉書。「この変な山に登ろう」という亡き父からのメッセージだった。
イーディは、このユニークな形をしたスイルベン山に登ろうと、夜行列車で北へ向かう。登山用品店を営む青年ジョニーから登山の訓練を受けることになり、失敗を重ねながらも、父との夢を果たそうと体力の限界に挑む…。
人の親切を素直に受けられず、意固地なイーディは、面倒見のよいジョニーとぶつかってばかり。でも、イーディの思い出話がきっかけで、二人の距離は少しずつ縮まっていき、いつしかジョニーはわがことのように、イーディの挑戦を応援しようと懸命になっていく。
スイルベン山は標高731mと高くはないが、尾根の長さが2kmで、山の麓にたどり着くまで延々と荒野を歩かなければならない。イーディは、幼い頃の父とのキャンプ体験から山の地図を見ることができ、ボートも漕げ、一人で立ち向かっていく姿が頼もしい。映画は、イーディの皺やしみでいっぱいの手をとらえ、老いの現実を写しながらも、大自然の中で、木々の葉に触れたり、川の水に触れて、少女のように心をときめかせ、きらきら目を輝かせている顔を映し出す。年齢なんてもう関係ないのだと教えられる。つらさも怖さも喜びも、様々な体験を重ねて、山に立ち、静かな感動に包まれているイーディの万感迫る表情から伝わるのは、挑戦した者だけが味わえるすがすがしさだ。
夫の世話ばかりで、自分の人生を送ることができなかったと嘆いていたイーディ。でも、幾つになっても、好きなことがあれば、人は若返ることができるし、幸せを手にすることができる。長い人生、思い立った時がスタート地点、いつでも踏みだすことができる勇気を教えてくれた。
(伊藤 久美子)
公式サイト⇒ http://www.at-e.co.jp/film/edie/
配給:アット エンタテインメント
© 2017 Cape Wrath Films Ltd.
後援:(公社)日本山岳・スポーツクライミング協会、ブリティッシュ・カウンシル