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『ガーンジー島の読書会の秘密』

 
       

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作品データ
原題 The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society 
制作年・国 フランス・イギリス合作 2018年
上映時間 2時間4分
監督 マイク・ニューウェル
出演 リリー・ジェームズ、ミキール・ハースマン、グレン・パウエル、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、キャサリン・パーキンソン
公開日、上映劇場 2019年8月30日(金)~大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズ西宮OS、 9月13日(金)~シネ・リーブル神戸 他全国順次公開

 

占領下の生活を解き明かす中で、

浮き彫りになる人と人との絆の尊さ

 

本をめぐる映画には、味わい深い作品が多い。最近では、『マイ・ブックショップ』(2017年)。本との対話は、内面の世界を広げ、心を自由に羽ばたかせることができることを教えてくれた。

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本作の舞台、ガーンジー島は、第二次世界大戦中に、イギリスで唯一ナチスの占領下に置かれたチャネル諸島の一つ。小さな島(面積78㎢。日本の礼文島とほぼ同じ)にドイツ兵が大量に投入され、食糧不足は深刻だった。占領は5年も続き、厳しい生活の中で、小さな読書会が生まれ、メンバーにとって、ささやかな「心の避難所」となる。

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終戦後、作家のジュリエットは、あるきっかけで、読書会のことを知り、取材のため島に向かう。読書会に参加し、温かくもてなされたが、読書会の創設者エリザベスの不在については、皆、口を閉ざしたまま。エリザベスがどんな女性で、戦争中、何が起き、今どうしているのか。エリザベスについて知ろうとしていくうちに、占領下で島の人々が置かれた生活のありさまが明らかになっていく。

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国と国は敵対していても、人と人は本来助け合うもの。たとえ敵であっても、弱き者を助けずにはいられない、放っておけないのは、人間としての理想。でも、自分の命の危険を冒してまでも、行動に移すことができるか…。エリザベスの生き様を知る中で、ジュリエットは、自分の生きる道を見つけていく。

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『シンデレラ』でブレイクしたリリー・ジェームズが、不安を抱えながらも、自分の信じるままに積極的に行動していくジュリエットを生き生きと好演。読書会の面々の個性豊かなありようは、人と人とのつながりや語らいにこそ、人生の妙味があることを教えてくれる。何を大切に生きていけばいいのか、時間をかけて本を一頁ずつ読み進んでいくような、味わい深いヒューマン・ドラマ。

(伊藤 久美子)

公式サイト⇒ http://dokushokai-movie.com/

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