制作年・国 | 2019年 日本 |
---|---|
上映時間 | 1時間46分 |
原作 | ttkk(kaori)「今日も嫌がらせ弁当」(三才ブックス刊) |
監督 | 監督・脚本:塚本連平 主題歌:フレンズ「楽しもう」(ソニー・ミュージックレーベルズ) |
出演 | 篠原涼子、芳根京子、松井玲奈、佐藤寛太/佐藤隆太 |
公開日、上映劇場 | 2019年6月28日(金)~TOHO シネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)他にて全国ロードショー |
この母の愛、届け! 反抗期娘へのお弁当攻撃!?
口を利かなくなった反抗期娘へ、「どうだ!」と言わんばかりに娘の嫌がるキャラ弁でメッセージを送り続けた母と娘の愛情物語。東京都・八丈島に住む実在の母子の“愛ある闘争”がたちまち人気ブログとなり、さらにシリーズ累計20万部を超える話題のエッセイに、さらに、なんと篠原涼子主演で映画化されちゃった!? 毎日早朝から娘への嫌味を込めたメッセージ入りお弁当を3年間も作り続けた母。その涙ぐましい努力は尋常ではない。学校でも注目の的となり、他の生徒や教師たちまでもが楽しみにするほど。「恥ずかしいから止めて!」と言いつつも、一口も残さず完食する娘。そんな「嫌がらせ弁当」が、この夏 “愛情いっぱいのお弁当”として日本中の親子に届けられる!
八丈島に住む持丸かおり(篠原涼子)は、若くして夫を事故で亡くして以来15年間、二人の娘をひとりで育ててきたシングルマザー。社会人となった長女の若葉(松井玲奈)とは仲がいいのだが、15歳になった二女の双葉(芳根京子)とは口も利かなければ目も合わせない。家の中にいるのにLINEで交信する始末。幼い頃は、「大きくなったらお母さんと一緒にレストランを開きたい!」なんて無邪気に母に甘えていた娘はいったいどこへ消えたのか!?
子供たちに不自由な思いをさせたくないといくつもの仕事を掛け持ちするかおりは、多忙のあまり子供たちに寂しい想いをさせてきた。母の苦労を知っている双葉だが、甘えられなかった辛さをぶつけるように母親に反抗する。そんな双葉へ、最初はわざと可愛らしいキャラ弁を作っていたが、その内ネタ切れとなって、皮肉を込めたメッセージ入りのお弁当を作っていく。高校在学中の3年間に作り続けた「嫌がらせ弁当」も、双葉の東京への憧れ、初恋、進路をめぐる悩みなど、卒業を前にした双葉への「応援弁当」へと変化していく。
顔を合わせれば悪態をつき、時には物に当たりガン無視を決め込む娘。「何を考えてるのかわからない」とお手上げになるところを、このお母さんは諦めない。毎日早朝から嫌がらせ弁当作るのも大変なこと。娘への執着がなければできないことだ。昨年の『人魚の眠る家』で娘の生還を信じて次第に常軌を逸していく母親を悲壮感たっぷりに演じていた篠原涼子が、今度は強い母の想いを「肝っ玉母さん」よろしく豪快に演じ切っている。さらに、友人たちとの飲み会やシングルファーザー(佐藤隆太)とのブログつながりで本音を吐露するあたりは何とも可愛らしい。
思春期になると母親のことを「ウザイ!」と疎ましく思うことも多いだろうが、無条件に自分のことを思ってくれるのは母親しかいないと思う、普通はね。離れて(亡くして)みて初めて気付く親のありがたみ――などと、自らの親子関係について考えさせられた。「後悔先に立たず」と言う前に、親に感謝の言葉ひとつでも贈ろう! 特に、中学生・高校生必見の映画です!
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://www.iyaben-movie.com/
(C)2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会