原題 | Demain et tous les autres jours |
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制作年・国 | 2017年 フランス |
上映時間 | 1時間35分 |
監督 | 監督・脚本:ノエミ・ルヴォウスキー、共同脚本:フロランス・セイヴォス |
出演 | リュス・ロドリゲス、ノエミ・ルヴォウスキー、マチュー・アマルリック、アナイス・ドゥムースティエ |
公開日、上映劇場 | 2019年2月1日(金)~シネ・リーブル梅田、2月9日(土)~京都シネマ、近日~元町映画館 |
~娘と母の絆をファンタジックに描く~
マチルドは、母と二人暮らし。明るくてしっかり者の9歳の女の子。母は、情緒不安定で、ウエディングトレスで街を歩き回ったり、突飛なことを繰り返してばかり。マチルドは友達もおらず、一人で母の世話をやいている。
ある日、母が贈ってくれたプレゼントは、小さなフクロウ。夜になるとマチルドに話しかけてくる。マチルドだけに人間の言葉をしゃべれるフクロウは、賢くて、大切な話相手。無表情のようで、どこか愛嬌のあるフクロウは存在感があり、二人の対話が楽しい。よき助言者を得て、マチルドは、思いついたことをどんどん行動に移していく。授業で使われた骸骨の標本が、狭い物置部屋に閉じ込められるのを見て、大きな鞄を持って救出に行ったり、大胆な行動に目が離せない。
クリスマス。部屋を飾りつけ、料理も用意して、母の帰りを待っていたのに、特急列車に乗って遥か遠くの駅で保護されたという知らせを受け、マチルドはかんしゃくを起こしてしまう。次々と皿を投げつけ、物を放り投げ、カーテンに火をつけ…。
母は、風船のように、いつも現実から逃げ出し、自由を求めているように見える。水の中に眠っている少女の幻想的なシーンが、何度も挿入されるように、マチルドもまた母につなぎとめられて自由を失い、窒息しかかっていたのかもしれない。どこか似たり寄ったりの母と娘が、互いを必要としながらも、少しずつ歯車がかみあわず、ずれていく。二人の絆の間に入ってきたフクロウは、二人をどんな方向へと導いていくのか。答えは、きっとそれぞれの心の中にあるにちがいない。
リュス・ロドリゲス演じるマチルドのオシャレファッションにも注目。マチュー・アマルリックも、出演はわずかながら、愛情深い父親を演じ、いい味を出している。
(伊藤 久美子)
公式サイト⇒ http://www.senlis.co.jp/mathilde-tsubasa/
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