原題 | Keys to the Heart |
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制作年・国 | 2018年 韓国 |
上映時間 | 2時間 |
監督 | 監督・脚本:チェ・ソンヒョン |
出演 | イ・ビョンホン、パク・ジョンミン、ユン・ヨジョン、ハン・ジミン |
公開日、上映劇場 | 2018年12月28日(金)~TOHOシネマズ梅田、布施ラインシネマ、シネ・リーブル神戸、イオンシネマ京都桂川 他全国ロードショー |
~屈折した兄の心情をイ・ビョンホンが抑制した演技で魅了~
兄はボクシング、弟はピアノという組み合わせに心魅かれた。孤独に生きてきた元プロボクサーのジョハは、17年前に別れた母に偶然再会。初めて会った弟は、サヴァン症候群で、日常生活をひとりで営むことができない。チラシ配りでその日暮らしをしていたジョハは、母の勧めるまま、3人で共同生活を始める。母とジンテと楽しい食卓を囲むうちに、ジョハは、ジンテの面倒をみるようになる…。
ピアノが大好きなジンテは、ジョハの支えを得て、才能を開花させていく。事故で心を閉ざした美人ピアニストとの出会いなど、音楽をめぐる物語を描きつつ、ドラマの主軸は3人の心の交流に置かれ、厚みのある人間ドラマになった。幼い頃に家を出て行った母を責めたい気持ちと、愛してほしい気持ちの間で揺れるジョハを、イ・ビョンホンが、表情を極力抑えて演じ、がむしゃらに生きてきた孤独の重さと、人を許し受け入れる包容力を感じさせ、必見。母は、ジョハにすまない思いを抱えながらも、弟のジンテを溺愛するあまり、ジョハにはつい冷たくあたってしまう。ひそかに傷つくジョハの思いが痛いほどに伝わる。
ジンテは、どんな難曲も一度聴いたらすぐ弾くことができ、スマホの演奏動画を観ながら弾くシーンは、音楽もすばらしく、ひきこまれる。ジンテを演じる若手俳優のパク・ジョンミンは、手の動きから喋り方までリアルな演技で、これからが楽しみだ。ジンテの好きなラーメンやゲームを通じて、二人の間に絆が生まれ、ユーモアあふれるやりとりが微笑ましい。家族のあたたかみが心にしみる感動作。一年の節目に、大きなスクリーンで、一つの家族の軌跡をみつめてほしい。
(伊藤 久美子)
公式サイト⇒ http://sorebokumovie.com/
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