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『SUNNY 強い気持ち・強い愛』

 
       

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作品データ
制作年・国 2018年 日本 
上映時間 1時間58分
原作 『サニー 永遠の仲間たち』©E&M CORPORATION
監督 ・脚本:大根仁
出演 篠原涼子、広瀬すず、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、池田エライザ、山本舞香、野田美桜、田辺桃子、富田望生、三浦春馬、リリー・フランキー/板谷由香
公開日、上映劇場 2018年8月31日(金)より全国東宝系ロードショー

 

〜バカ笑いした学生時代も、社会で揉まれた今も、仲間といれば最強女子になれる!〜

 
シンディー・ローパーのヒット曲や、『ラ・ブーム』のテーマ曲「愛のファンタジー」、ボニー・Mの「サニー」などをヒューチャーし、80年代に青春時代を送った女子仲良しグループの人生を、現在と交差させながら描いた韓国の大ヒット映画『サニー 永遠の仲間たち』。韓国で80年代前半と言えば、全斗煥政権により民主化運動が激しく制限された時代だった。それを日本版に置き換えたら、どうなるか。『サニー 永遠の仲間たち』の大ファンという大根仁監督(『バクマン。』)によるリメイクは、タイトルから分かる通り、小沢健二の代表曲「強い気持ち・強い愛」が大ヒットし、安室奈美恵が女子高生のファッションリーダーだった90年代を舞台にしている。世の中はバブル崩壊、就職氷河期、阪神大震災、オウム真理教事件・・・と明るい話題が乏しい一方、小室哲哉プロデュースや楽曲を提供したアーティストは軒並みブレイク。そして何よりも特徴的だったのは、女子高生がこぞって真似をしたアムラーファッションだ。ガングロ、ルーズソックスと、自己主張の強い “コギャル”が蔓延し、女子高生が消費を引っ張る時代だった。今はすっかり大人になり、それぞれの道を歩んでいる団塊ジュニア世代の青春の日々はなんとパワフルなことか!その世代よりはちょっとお姉さんな私も、バカ笑いした高校生時代を思い出し、時を経ても色褪せない友情にグッとくるのだ。
 
 
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夫と高校生の娘と暮らす専業主婦の奈美(篠原涼子)は、病院で高校時代の親友、芹香(板谷由香)と22年ぶりに再会する。社長としてビジネスでは成功していた芹香だが、ガンで余命1か月の命であることを知らされる。独身で家族もいない芹香の願いは、ある事件のために音信不通になっていた高校時代の仲良しグループ“SUNNY(サニー)”のメンバーにもう一度会うこと。芹香の願いを叶えるため、奈美はメンバー探しに奔走し始めるのだが・・・。
 
 
 
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何不自由ない暮らしをしている一方、一抹の虚しさを感じていた奈美が、サニーのメンバーを探すことで、友達や恋に必死で向き合った学生時代のアグレッシブな気持ちを取り戻していく。現在と過去が行き来する物語で、一番の見どころは90年代のコギャル女子高生だったサニーのメンバーの賑やかな日々だ。阪神大震災で被災し、東京に引っ越した淡路島出身の奈美の家族描写は関西弁が飛び交い、吉本新喜劇並みのパンチ力がある。90年代の奈美を演じる広瀬すずは、コギャルとは対極的な垢抜けない様子や、関西弁の喧嘩文句など、変顔をいとわない熱演で笑わせてくれる。そんなちょっと風変わりでウブな転校生、奈美を受け入れるサニーのメンバーたちのコギャルぶりや、オシャレに遊びに全力で、いつも写ルンですを片手に楽しむ様子が、小室哲哉担当の音楽によってキラキラと彩られる。安室奈美恵の代表曲「SWEET 19 BLUES」がテーマ曲のように何度も流れ、若さゆえの過ちも輝きもあったサニーの青春時代を音楽と共に記憶に留めたくなるのだ。
 
 
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ご本家の韓国版以上に、音楽映画、もしくはミュージカル映画と呼ぶにふさわしいシーンの数々をちりばめたあたりは、大根監督のこだわりを感じさせる。中でも、行方不明になっていたサニーのメンバーたちが勢揃いしたクライマックスでは、現在と過去の見事な共演シーンもあり、祝祭モード満点だ。若い頃には戻れないけど、あの頃の出会いがあったから、今また頑張れる。社会の波に揉まれ、うまくいかない人生でも、戻れる場所がある。そんな気持ちにさせてくれる愛情たっぷり、女性パワー全開の作品。それぞれの青春時代を思い出して、さあ歌おう!踊ろう!
(江口由美)
 
 
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公式サイト⇒http://sunny-movie.jp/
(C) 2018「SUNNY」製作委員会