原題 | Wonder |
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制作年・国 | 2017年 アメリカ |
上映時間 | 1時間53分 |
原作 | R・J・パラシオ |
監督 | 監督/脚本:スティーヴン・チョボウスキー |
出演 | ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソン、ジェイコブ・トレンブレイ、イザベラ・ヴィドヴィッチ、マンディ・パティンキン、ダヴィード・ディグス |
公開日、上映劇場 | 2018年6月15日(金)~TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸ほか、全国一斉ロードショー |
~静かなる真の強さと勇気が、まわりを変えていく~
映画は人生について教えてくれる。どうふるまったらいいのか。どう生きたらいいのか。これは、特別な顔をもって生まれた一人の少年とその家族、友達の物語。オギーは、遺伝子の突然変異で、生まれつき骨や顔が著しく変形して生まれてきた。30回近くもの入退院と手術を繰り返し、学校に行かず自宅で母親から勉強を教わってきたオギーも、10歳になり、新学期を迎え、小学校に通い始めるところから映画は始まる。
緊張と期待の中、初日を迎えるが、現実は冷たい。どうしてそんな顔なのかと聞かれたり、子どもたちの世界は純粋な分、残酷。奇異の目で見られ、影口をたたかれ、ランチの時はいつも一人ぼっち。どうして僕は醜いのかと母親に泣きながら尋ねるオギー。ペスト菌がうつると言われ、イジメられるが、両親や先生の励ましを受け、オギーは大好きな理科の授業が楽しくて、学校に通い続ける…。
友達ができても裏切られたり、孤独で辛い試練を受けるオギーの姿を、映画は、オギーだけでなく、姉のヴィア、最初の友達ジャックウィル、ヴィアの親友ミランダと、それぞれの視点から、順に、モノローグも入れながら描いていく。観客は、それぞれのオギーへの思いを知っていく。たとえば、姉のヴィアは、父も母もオギーにかまってばかりで、弟のオギーに複雑の思いを抱きながらも、とても大切に思っている。人は、プラスもマイナスもいろんな感情を抱えるが、その中で、どうふるまうのがベストなのか。それぞれの人物の優しさや心の美しさに引き込まれていく。
オギーは顔を変えることはできない。我々の見る目を変えなくては、と語る校長先生。つきあってみれば、オギーが賢くておもしろい奴で、一緒にいると楽しいことがわかる。はじめは、遠巻きに見ていた子どもたちが、少しずつ変わっていくのを、リアルに生き生きととらえていく。子どもたちが、自分自身で変わっていくところがいい。そんな姿を見ながら、観客の私たちもまた自分の心に問いかける。優しいとはどういうことか。他人を理解するとはどういうことか。映画は一人ひとりに寄り添いながら、みんながすてきな方向に向かっていく。
他人の好奇な視線から自分を守るために大きなヘルメットをかぶっていた、宇宙飛行士にあこがれるオギーと、まわりの子どもたちや先生、家族の姿をぜひ映画館で見届けてほしい。
(伊藤 久美子)
公式サイト⇒ http://wonder-movie.jp/
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