制作年・国 | 2018年 日本 |
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上映時間 | 1時間52分 |
原作 | 眉月じゅん著「恋は雨上がりのように」小学館 週刊ビッグコミックスピリッツ連載 |
監督 | 永井聡 |
出演 | 小松菜奈、大泉洋、清野菜名、磯村勇斗、葉山奨之、松本穂香、山本舞香、濱田マリ、戸次重幸、吉田羊他 |
公開日、上映劇場 | 2018年5月25日(金)~全国ロードショー |
~挫折を乗り越える勇気をくれた恋は、雨宿りから始まった~
ポトリという雨の音で始まる女子高生の年の差ラブストーリーが、こんなにピュアで瑞々しいとは!眉月じゅんの大ヒットコミック「恋は雨上がりのように」を、『帝一の國』の大ヒットも記憶に新しい永井聡監督が映画化。青春映画のヒロインとして引く手あまたの小松菜奈と、演技力に定評のある大泉洋が、親子役ではなく、恋愛相手として共演を果たした話題作だ。
陸上部で花形選手だった高校2年生のあきら(小松菜奈)は、競技中にアキレス腱を痛め、陸上の練習に戻ることができなくなってしまう。自暴自棄で雨の中たまたま見つけたファミレスに入ったあきらに優しく声をかけてくれたのが、店長の近藤(大泉洋)だった。その日を境に、あきらは、そのファミレスでアルバイトを始め、バツイチ子持ちで、40歳半ばの近藤にどんどん心惹かれていく。ついにはあきらは、近藤に思いを伝えるのだったが…。
店長と気持ちを通わせるようになるファミレスでのシーンと同様に、本作で重要なのは、あきらが学校や競技会で走るシーンだ。トップクラスのアスリートだったあきらが、ユニフォームで、または通学途中に制服姿で颯爽とした走りっぷりを見せる。小松菜奈の努力が伺える美しい走りは、あきらの魅力を存分に表現している。それだけに、競技に戻ることが難しいと分かった時、彼女の情熱のやり場がなくなってしまう気持ちも分かるのだ。
一方、近藤もプロの小説家を目指し、離婚した今も、店長業の傍ら、まだ夢を諦められない。そんなどうしようもない自分に、青春の真っ只中で輝いている女子高生から「あなたのことが好きです」と告白されたら、舞い上がるより先に、ただただ驚くばかりだろう。年の差恋愛、しかも女性の方が女子高生と聞くと不純と捉えられかねないが、この作品のあきらと近藤の関係は、お互いに対する思いやりと尊敬、そしていたわりの気持ちに満ちている。
人生の大雨の時期に、雨宿りをし、恋することを通じて改めて自分が今向き合うべきものを見つけた二人。あきらの復帰を心から願った親友はるか(清野菜名)や、あきらに憧れ、自らも怪我を克服したみずき(山本舞香)。そして近藤が大学時代共に小説を書いた仲間で、長らく連絡を取る気になれなかった、小説家の九条(戸次重幸)。様々なキャラクターが、二人がそれぞれの夢へ再び立ち上がるのを後押しし、雨上がりにいるべき場所を示してくれた。人の気持ちを象徴するかのように降る雨も表情豊かで、心に沁みる。原作の台詞に忠実に映画化したという永井聡監督の狙い通り、少女漫画の爽やかさをそのまま封じ込めたような青春物語に、胸が高鳴った。
(江口由美)
公式サイト⇒http://koiame-movie.com/
©2018映画「恋は雨上がりのように」製作委員会 ©2014 眉月じゅん/小学館