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『ホース・ソルジャー』

 
       

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作品データ
原題 12 STRONG 
制作年・国 2018年 アメリカ 
上映時間 2時間10分
原作 ダグ・スタントン「ホース・ソルジャー」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
監督 【監督】ニコライ・フルシー 【脚本】テッド・タリー/ピーター・クレイグ 【製作者】ジェリー・ブラッカイマー 他
出演 クリス・ヘムズワース、マイケル・シャノン、マイケル・ペーニャ、トレバンテ・ローズ
公開日、上映劇場 2018年5月4日(金・祝)~TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、なんばパークスシネマ、あべのアポロシネマ、MOVIX京都、T・ジョイ京都、OSシネマズ神戸ハーバーランド ほか全国ロードショー

 

“9.11”報復に出たアメリカ陸軍特殊部隊12人
根底に流れる騎兵隊精神

 

全米どころか、全世界を驚かせた同時多発テロから17年、その全貌を明らかにする試みがようやく実現した。「9.11直後の最初の戦い」は“最高機密”として長い間封印されてきた“実話”。主題も内容も、アメリカ映画伝統の西部劇を思わせるものなのだが、時代は明らかに異なり、現代の戦争映画は往年のロマンあふれる西部劇とは違って、ひたすらリアルで無残な戦いが繰り広げられた。


12strong-500-1.jpg平和を享受する日本と違い、今もやむことなく“戦争中”のアメリカには脈々と“戦争に出向く気構え”が必要とされる。政治家や官僚が「文書があった」とか「隠していた」などとお粗末な議論に時間を費やしている何処かの国と違うことは明白だ。“こんな戦い”を望んでいるわけではさらさらないけれど…。


アメリカ陸軍特殊部隊の9.11報復作戦としてタリバン相手に戦った12人の戦士を描いた実話。「まるで西部劇のような戦い」が実際に起こるのは不幸としか言いようがないが、アメリカ人に“騎兵隊”精神が今なお脈々と受け継がれていることを知らしめる。


12strong-500-3.jpg9.11の翌日、アメリカ陸軍特殊部隊のミッチ・ネルソン大尉(クリス・ヘムズワース)は最も危険な対テロ戦争の最前線部隊に志願し、特殊作戦の隊長に任命される。報復作戦のためアフガニスタンに乗り込んだのはわずか12人。テロ集団の拠点マザーリシャーリーフを制圧するのが彼らに課せられた使命だったが、敵の数は何と5万人。しかもタリバンたちは米兵の命に高額の懸賞金をかけていた。

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ミッチの頼みの綱は反タリバンの地元勢力を率いるドスタム将軍だけ。米兵たちは最新兵器を使い、効果の大きい空爆も実施するが、予期せぬ危機が続発。果てしない“地獄絵図”が繰り広げられ、四苦八苦する。果たして彼らは「夫人や家族に約束」した通り、生きて国に帰ることが出来るのか? 


ドキュメンタリー映画ではないが、映像は極めてリアルで「本当にあったこと」という「説得力」は満点だ。劇中、部隊は何度もピンチに陥り、ミッチはその都度「今度は生きて帰れそうにないので指名はしない。志願を募る」。と申し出る。隊員は当然のように全員「志願」する。実話と聞いてはいても、ここは西部劇のセオリー通りでもある。


12strong-500-2.jpg主演のクリス・ヘムズワースは「9.11は他人事ではなく、自分や家族が犠牲になっていたかもしれない、と考えた。これは正しい戦いだと信じ、自分が遂行すべき任務であると感じたんだ」。映画のスタイルや中身はどうあれ、その言葉には伝統的な“騎兵隊”精神が貫かれているようだった。  


(安永 五郎)

公式サイト⇒ http://gaga.ne.jp/horsesoldiers/

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