原題 | 52Hz, I Love You |
---|---|
制作年・国 | 2017年 台湾 |
上映時間 | 1時間49分 |
監督 | 監督・脚本:ウェイ・ダーション(『海角七号~君想う、国境の南』『セデック・バレ』) |
出演 | リン・ジョンユー、ジョン・ジェンイン、スミン、チェン・ミッフィー、リン・チンタイ、シンディ・チャオ、リー・チェンナ、チャン・ロンロン、ファン・イーチェン、田中千絵 |
公開日、上映劇場 | 2018年2月17日(土)~シネ・リーブル梅田、近日~元町映画館、京都シネマ 他全国順次公開 |
愛する人へ届け、この想い!
台湾ミュージカルで贈る、バレンタインデーの奇跡♪
バレンタインデーは罪作り。プレゼント貰えたら嬉しいし、あげる人があるのも楽しい。でも、彼も彼女もいなくて、それなのに、人に幸せな時間をあげるための仕事をしている人たちがいる。花屋さんを営むシャオシン(ジョン・ジェンイン)もそのひとり。若く見えるけどもう30歳を超えている。パン職人のシャオヤン(リン・ジョンユー)も、本当は好きな女性レイレイ(チェン・メイフイ)に頼まれて、彼女の同棲中の相手ダーハー(スミン)に渡すバラのチョコ菓子を作っている。そんな一人ぼっちのふたりが出会う台北の1日が始まる。
「52Hzのラヴソング」とはいったい何だろう。
シャオリンが歌うのは孤独なクジラの歌。そのクジラが孤独なのは52Hzという他のクジラとはコミュニケーションが取れない周波数の音を出すからだという。クジラが恋をしても永遠に届かないのだ。
レイレイは、市役所の職員で、今日は市が主催する合同結婚式があり、彼女はそのスタッフとして会場であれこれ忙しい。そこにウェディングドレスとタキシードの女性同士のカップルがやってくる。メイメイ(リー・チェンナ)とチーチー(チャン・ロンロン)だ。ふたりは正式なカップルとしては認められなかったが、レイレイの計らいで会場に席を与えられた。
実は、レイレイ、少し、自分たちの将来に疑問を感じている。売れないミュージシャンのダーハーを経済的にも支えて来たけど、もう限界、別れようかと思っている。人のためのバレンタインデーの贈り物を配達するシャオシンの車とシャオヤンのバイクが接触して、車は動かなくなってしまう。喧嘩するけど仕方なくシャオヤンのバイクで花束の配達もすることに。最後の配達先は偶然にも高級レストラン。
レイレイに正式プロポーズをしようと高級レストランを予約したダーハーだったが、レイレイは怒ってしまう。こんな高いところに払うお金があるなら借金返してよと。だが、ダーハーは有名な音楽賞を受賞して急にリッチになったのだ。それも言いそびれ、レイレイがレストランを飛び出し、ダーハーが後を追う。空いた席に代わりに座ったのは、花束を配達に来たシャオシンとチョコ菓子を配達に来たシャオヤン。隣の席にはシニアのカップル。シニアの男性が女性に渡すはずだったバラの花束を失くして困っていたところ、シャオシンが持ってきた花束を譲ってという申し出が…。
こんな風に、いくつかの偶然から人々が出会ったり別れたりの1日が歌と踊りで綴られる可愛いミュージカル映画が「52Hzのラヴソング」だ。
そうそうシャオシンのおばさん(シンディ・チャオ)と、シャオヤンの師匠ドン(リン・チンタイ)の熟年カップルの出会いと、シャオシンの弟とそのガールフレンドの恋もあって、各世代まんべんなく描かれているのも、多幸感が増す。これが「セデック・バレ」のウェイ・ダーション監督作品とは嬉しい驚きだね。
(夏目 こしゅか)
公式サイト⇒ http://www.52hz.jp/
(C)2017 52HzProduction ALL RIGHTS RESERVED.