原題 | PADDINGTON 2 |
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制作年・国 | 2017年 イギリス=フランス |
上映時間 | 1時間44分 |
原作 | マイケル・ボンド著「くまのパディントン」福音館文庫 |
監督 | ポール・キング |
出演 | ベン・ウィショー(声)、ヒュー・グラント、ブレンダン・グリーソン、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、ピーター・カパルディ他 (日本語吹き替え版キャスト)松坂桃李、古田新太、三戸なつめ、斎藤工 |
公開日、上映劇場 | 2018年1月19日(近)~全国ロードショー |
~パディントンが刑務所に!?
ヒュー・グラントの七変化も笑えるこの冬一番のファミリー映画~
イギリス発の現代児童文学として、世界中で愛されている「くまのパディントン」。原作者、マイケル・ポンド氏がパディントンに込めた純粋さや礼儀正しさ、親切さは、混乱の時代を生きる私たちには、むしろ新鮮に映るかもしれない。14年に大ヒットした『パディントン』の続編となる本作では、ロンドンのブラウン家ですっかり家族の一員となったパディントンが、こともあろうに刑務所行きになってしまうという衝撃の展開!飛び出す絵本に秘密が隠された謎を追うミステリーも忍ばせ、子どもから大人まで楽しめる大活劇になっている。
ペルーの奥地でルーシーおばさんに育てられ、ロンドンへやってきたくまのパディントン。とてもよく気の付く親切な性格で、ブラウン家の人たちだけでなく、街の人たちの人気者だ。アンティークショップで、ロンドンを見たがっていたルーシーおばさんのお誕生日プレゼントに素晴らしい飛び出す絵本を見つけたパディントンだが、実はこの世で一冊しかない貴重本で高価なものだった。かつては有名だったが、今は落ち目俳優のフェニックス・ブキャナン(ヒュー・グラント)は、その絵本をずっと前から探していた男だ。パディントンから絵本の話を聞くやいなや、意味深な笑みを浮かべるのだった。
ジャングルの奥地から始まる冒頭は、パディントンがブラウン家で過ごす朝までノンストップ。街の人たちのちょっとした手助けをして、既にいなくては困る存在になっている。快く思わず、自警団と称して監視する隣人(ピーター・カパルディ)は、実社会の象徴のような存在だが、異国からやってきたパディントンがイキイキと暮らせるのはファンタジーと分かっていても微笑ましい。飛び出す絵本を盗んだ犯人を捕まえようと追いかけていたパディントンが捕まり、裁判で有罪宣告を受けるくだりは「パディントンで冤罪?」と驚いたが、刑務所生活をいきなりピンクに染めるパディントンに、そんな心配は不要だった。
どんな人でもいいところを見つける天才のパディントンは刑務所でも、おばさん直伝のマーマレードで凶悪な囚人の心を掴む。うわさや外見から思い込みで相手を判断するのではなく、真っ直ぐに相手にぶつかるパディントン。そんな奮闘に応えるかのように、パディントンの冤罪を晴らそうとブラウン家の面々は力を合わせて犯人捜しに奔走するのだ。この春、『シェイプ・オブ・ウォーター』『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』と主演作が次々公開されるサリー・ホーキンスが、明るく家族を支えるブラウン夫人役を好演。ブレンダン・グリーソン、ヒュー・ボネヴィル、ジム・ブロードベントとイギリスやアイルランドを代表する名俳優たちが個性豊かなキャラクターを喜々として演じているのも見どころだ。そして、何といっても元有名、今売れない俳優という役をあて書きされたヒュー・グラント、七変化ぶりの笑えること!元ラブコメの帝王の怪演ぶりもイギリス映画らしいウィットが効いている。今私たちに一番必要な「他者を受け入れる」姿勢を、失敗もご愛敬のパディントンが教えてくれた。
(江口由美)
公式サイト⇒:http://paddington-movie.jp
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