原題 | Miss Sloane |
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制作年・国 | 2016年 フランス・アメリカ |
上映時間 | 2時間16分 |
監督 | 監督・総指揮:ジョン・マッデン(『恋におちたシェイクスピア』『マリー・ゴールドホテルで会いましょう』) 脚本:ジョナサン・ペレラ |
出演 | ジェシカ・チャステイン(『ゼロ・ダーク・サーティ』『ヘルプ 心がつなぐストーリー』)、マーク・ストロング、サム・ウォーターストン、ググ・バサ=ロー、アリソン・ピル、ジョン・リスゴー、マイケル・スタールバーグ |
公開日、上映劇場 | 2017年10月20日(金)~TOHOシネマズシャンテ、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ(二条、西宮OS)、11月18日(土)~シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー |
ジェシカ・チャステインのハマリ役!
本性の読めない凄すぎるロビイストの策に気持ち良く酔える映画
ロビイストなんて日本では馴染がないし、政治の裏側が舞台でセリフも多く、殺人事件が起こる訳でもない…なのに、こんなにも興奮するとは意外や意外。今まで見たことのない頭脳明晰なクールビューティの活躍に先の読めない息詰まる展開、こんな痛快なスリルとサスペンスの連続で大満足したのは『ベイビー・ドライバー』以来だ。
ロビイストとは、特定の政党や団体のために、法案成立もしくは不都合な法案を阻止する運動を展開させる影の立役者のことである。元々議員が部外者とロビーで相談していたのでその名が付けられたそうだ。巧みな戦略をもってマスメディアを利用し世論も動かすほどの能力を持っているという。時には法律ぎりぎりの線で動き、会社や周囲の人間をも騙し、プライベートを犠牲にしてまでも策を弄して、勝利にこだわる。
そんな頭脳明晰なキレッキレのロビイストをジェシカ・チャステインが演じている。『ゼロ・ダーク・サーティ』では、イスラムテロリストの首謀者:ウサーマ・ビン・ラーディン捕獲に執念を燃やすCIAエージェントを演じ、ブロンドに白い肌のセクシーな美人女優のイメージを塗り替えた。さらに、『クリムゾン・ピーク』では幽霊より恐い悪魔に憑りつかれたような屋敷女を演じて、悲恋もののゴシックホラーに強烈な印象を残した。そんなジェシカ・チャステインだからこそ、クールな主人公の本心を悟られることなく、幾重にも張り巡らせられた奇策の展開に驚愕と痛快さでもって最後まで楽しませてくれるのだ。
大手ロビー会社の凄腕ロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は、クライアントの要望に応えるため睡眠時間さえ削るほどのワーカホリックだった。家族・友人を作らず、パーティも情報収集や人脈作りのための場だと考え、自らの方針で動く大勢のスタッフを指揮していた。そんな彼女に、銃擁護派団体から銃規制法案が廃案になるように依頼されるが、なんとそれを断って、一部のスタッフを引連れて会社も辞めてしまう。そして、その銃擁護派団体に対抗する小さなロビー会社の社長(マーク・ストロング)の下で、新たな戦略に打って出るが……・。
他人は勿論、自らをもオトリに使う程、冷酷非情ぶりを見せたかと思えば、複雑な情感あふれる眼差しを向けたりと、底知れない人物像で観る者を惑わす。感情を見抜かれないためか、黒を基調とした完璧なまでのクール・ファッションにパーフェクト・メイク。かといってマネキンのようでは面白味がない。何度も危機的状況に陥りながらも、起死回生をはかるタフなヒロイン。ミルフィーユのように幾重にも重ねられた仕掛けが発揮される度に、彼女のトリコになっていく快感がまた堪らない。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://miss-sloane.jp/
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