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『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』

 
       

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作品データ
原題 WAR FOR THE PLANET OF THE APES 
制作年・国 2017年 アメリカ 
上映時間 2時間20分
監督 マット・リーヴス(『猿の惑星:新世紀』)
出演 アンディ・サーキス、ウディ・ハレルソン、スティーヴ・ザーン、カリン・コノヴァル、アミア・ミラー
公開日、上映劇場 2017年10月13日(金)~全国ロードショー

 

こうして、地球は“猿の惑星”となった……。
これぞ『猿の惑星』シリーズ完結篇!

 

初めて『猿の惑星』(1968年)を観た時の衝撃は今でも忘れられない。公開当時リアルタイムで観た友人は、映画館が大変混み合っていたので、座席確保のため前の上映が終わりきらない内に場内に入ってしまい、あの衝撃的なラストシーンを先に観てしまったという。宇宙探査を終え2000年後の地球への帰還を目指していたテイラー船長(チャールトン・ヘストン)たちが不時着した惑星は、実は猿が支配する地球だった…。あのファーストシーンで宇宙船がトラブルを起こして不時着した湖を覚えておられるだろうか?


sarunowakusei-GW-500-1.jpg20世紀フォックス映画の大ヒット作『猿の惑星』シリーズは、1968年の最初のヒットから1973年までの5年間で5作品も作られ、2001年に公開された『PLANET OF THE APES/猿の惑星』では続編を製作するほどのヒットにはならなかった。そこで、最初の『猿の惑星』をリブートする新たなシリーズが企画され、現代科学の進歩過程で進化した猿と、新たなウィルスによる滅亡の危機に瀕した人類との戦いが描かれる。2011年に『猿の惑星:創世記』、2014年に『猿の惑星:新世紀』、そして、2017年『猿の惑星:聖戦記』が完成した。本作はシリーズ9作目にして、猿と人間との戦いに決着をつけ、地球がいかにして猿の惑星となったかを、最初の『猿の惑星』へとリンクさせている。


sarunowakusei-GW-500-2.jpg新シリーズの大きな特徴は、表情や毛並や動作が完璧なリアルさで登場する猿たちだろう。高性能のパフォーマンス・キャプチャーによって屋外の撮影も可能となり、危惧を付けた役者のアクションにCG加工する方法は、戦闘シーンや口のきけない少女ノバとの絡みのシーンなど、完全に背景との融合に成功している。猿のリーダー:シーザーを演じたアンディ・サーキスの悲愴感あふれるスケールの大きな演技で迎えたクライマックスでは、『猿の惑星』シリーズで初めて涙してしまったほどだ。


sarunowakusei-GW-500-4.jpgいつの間にか猿たちに感情移入して、猿たちを追い詰める憎き大佐を演じたウディ・ハレルソンの脅威におののいてしまう。敵の存在が大きければ大きいほど恐怖も大きくなるが、人間がなぜ口のきけない動物になったのか、ノバという少女を助けたことによって、さらに第一作『猿の惑星』でテイラー船長が連れて逃げる女性:ノバへとリンクしていくことになる。地球が猿の惑星へと変化する歴史的瞬間を目撃したあと、猿たちが向かった安住の地を見て、懐かしさがこみ上げてくるのはなぜだろう。


(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.foxmovies-jp.com/saruwaku-g/

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