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『世界にひとつの金メダル』

 
       

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作品データ
原題 Jappeloup 
制作年・国 2013年 フランス・カナダ・
上映時間 2時間10分
監督 クリスチャン・デュゲイ
出演 ギョーム・カネ、マリナ・ハンズ、ダニエル・オートゥイユ、ドナルド・サザーランド、ルー・デ・ラージュ
公開日、上映劇場 2017年6月24日(土)~第七藝術劇場、8月26日(土)~塚口サンサン劇場、未定~京都みなみ会館 他全国順次公開

 

~何度挫折したって、進むべき道がある人は幸せだ~

 

フランスの人気俳優ギョーム・カネというと、最初の妻が今年のカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞したダイアン・クルーガーで、2番目の妻はアカデミー賞主演女優賞を受賞したマリオン・コティアールという、美女にモテモテというイメージだった。ところが、彼が監督したハイテンションのサスペンス大作『唇を閉ざせ』(‘06)を観て、その多才ぶりに驚いた。そして、ソウルオリンピックの競技馬術で金メダルを獲得したピエール・デュランの実話を自ら脚本を書き上げた上に、プロ並みの馬術をスタントなしで演じ切っている。その並々ならぬ熱演に、ギョーム・カネの魅力がまたプラスされたようだ。


sekai-kin-500-1.jpgギョーム・カネの両親は馬のブリーダーで、彼自身も競技馬術の選手を目指していたが18歳の時の事故を機に断念。また、妻役のマリナ・ハンズも、同じ頃の選手仲間で、ギョームの初恋の人だという。劇中でも主人公のピエールが妻・ナディアと初めて出会う競技大会のシーンではマリナ自身が見事な馬術を披露している。いろんな意味でピエール・デュランとギョーム・カネは重なる部分が多い。ギョームはピエールを演じることで、自分が為し得なかった栄光への道を体現。


sekai-kin-500-2.jpg特に、息子の夢のために尽くしてきた両親や、くじけそうになるピエールを激励する妻や、扱いにくい馬・ジャップルーの世話をする少女など、周囲の人々の心情も丁寧に描写。何度も挫折しながらも人馬一体となって栄冠を勝ち獲ったピエール・デュランの物語は、単なる感動秘話に終始せず、諦めない気持ちの尊さや周囲の人々の愛情深さで胸を打ち、いくつかの競技シーンの緊張感あふれる映像に思わず手に汗握る。上映館数は少ないが、是非観て頂きたい逸品。
 


sekai-kin-500-3.jpg【STORY】
子供の頃から父・セルジュ(ダニエル・オートゥイユ)の指導の下で障害飛越競技に打ち込んできたピエール(ギョーム・カネ)だったが、大人になり別の世界へ興味を持ちはじめ、父の期待に背いて弁護士になってしまう。そんな息子に父親は「弁護士になったお前も自慢だよ」と優しく励ます。父親の喜ぶ顔を励みに競技を続けてきたピエール。過去の情熱が再燃し、キャリアを捨てて再び馬術競技の世界に戻る決心をする。


sekai-kin-500-4.jpg以前から勧められていた気性の荒い若馬ジャップルーとの出会いや、ピエールの夢を理解し励ます妻・ナディア(マリナ・ハンズ)との出会い。ジャップルーの最初の持ち主でもあったラファエル(ルー・デ・ラージュ)を馬の世話係に迎え、夢のオリンピックを目指す。人馬一体の“ペア競技”で、騎手の力量を問われる屈辱や様々な確執、さらなる挫折を経験しながら成長していくピエール。そうして、父親や家族、フランス国民の夢を背負って、オリンピックでの舞台へと進んでいく。


(河田 真喜子)

 公式サイト⇒ http://sekakin.com/

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