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『ジャッキー ファーストレディ最後の使命』

 
       

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作品データ
原題 JACKIE
制作年・国 2016年 アメリカ、チリ、フランス 
上映時間 1時間39分
監督 パブロ・ラライン
出演 ナタリー・ポートマン、ピーター・サースガード、グレタ・ガーウィグ、ビリー・クラダップ、ジョン・ハート
公開日、上映劇場 2017年3月31日(金)~大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズ西宮OS、シネ・リーブル神戸 ほか全国ロードショー

 

まだ34歳だったジャクリーン・ケネディ大統領夫人、
過酷過ぎる「ケネディ大統領暗殺事件」に肉迫した衝撃作

 

アメリカ合衆国の伝説的大統領ジョン・F・ケネディが、ダラスで暗殺されてから54年。1963年11月22日、この衝撃ニュースは開始されたばかりの衛星回線を通じて世界を震撼させた。これまでくつもの映画化(『JFK』『ダラスの熱い日』『13デイズ』『パークランド』)がされているが、彼の妻・ジャクリーン・ケネディについて多くは語られて来なかったように思う。事件の5年後にはギリシャの海運王オナシスと、当時の恋人オペラ歌手のマリア・カラスから略奪して再婚。その後はスキャンダラスな好奇の目で見られるようになるが、華麗なるケネディ家の嫁としての動向は、64歳で亡くなるまで注目を集めていた。


jackie-500-2.jpg本作は、そんなジャクリーン・ケネディが、目の前で夫の頭が吹き飛ばされ、その破片を集めようと右往左往したあの瞬間から、3日後には伝説ともなる壮麗な葬儀を執りしきり、精魂込めたホワイトハウスを断腸の思いで退去することになる、4日間にスポットが当てている。24歳でケネディ家に嫁いで、31歳で大統領夫人となり、モナコ王妃となったグレース・ケリーが宮殿内を案内したTV番組のように、自らもホワイトハウスを宮殿のようにリフォームしTV番組で紹介し、名実ともにファーストレディとしていつも中心にいた。だが、それが一発の銃声で崩れ落ちる。


jackie-500-3.jpg本作を見終えて、世間でいろいろ言われているジャッキーだが、34歳という若さで、本当に大変な経験をしたんだな~と、痛感。世界が目撃した暗殺の瞬間映像はあまりにも有名。あの時、飛び散った大統領の肉片を掻き集めようとしたジャッキーの衝撃は如何ばかりだったろう。悲しむ暇もなく、次々と押し寄せる幾多の使命。血にまみれたピンクのシャネルスーツを脱いで、ひとりシャワーを浴びる。服だけでなく、全身に血を浴びていたことに気付く。母親として幼い子供たちへのケアに、夫が偉大なる大統領として歴史に名を残すための葬儀の段取りや墓所の選定など。さらには、ホワイトハウスからの退去と……。


jackie-500-1.jpg「今の私には何もない」と強大な権力を背景に華やかに生きて来た人の言葉とは思えない独白に、大統領夫人でなくなった夫人のはかなさがにじむ。記者や司教の前で、自分の行動を回顧し納得しようとする、ありのままの自分をさらけ出すジャッキーにこそ、本当の哀しみを感じとれる。「私には何も残されていない。家具も住む家もお金も安全も」。まだ34歳のジャッキーの過酷過ぎる「ケネディ大統領暗殺事件」に肉迫した衝撃作である。


(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://jackie-movie.jp/

(C)2016 Jackie Productions Limited