原題 | Criminal |
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制作年・国 | 2016年 イギリス・アメリカ |
上映時間 | 1時間53分 |
監督 | アリエル・ヴロメン |
出演 | ケヴィン・コスナー、ゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズ、ガル・ガドット、ライアン・レイノルズ、マイケル・ピット、アリス・イヴ、ジョルディ・モリャ、アマウリ―・ノラスコ他 |
公開日、上映劇場 | 2017年2月25日(土)~新宿バルト9、丸の内TOEI、T・ジョイPRINCE品川、ユナイテッド・シネマ豊洲、T・ジョイSEIBU大泉、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸ほか全国順次ロードショー |
配役よし!スリル度よし!結末よし!三方よしのスパイアクションに夢中!
なんてったって、キャストの面子を見ただけでも興奮した。ケヴィン・コスナー、ゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズというベテラン勢に、近ごろ注目の若手ライアン・レイノルズなどが絡んでくるのだもの。しかしまあ、一番驚かされたのはケヴィン・コスナーだ。『フィールド・オブ・ドリームス』の頃と比較するとまるで別人!ある事情で感情を損なわれた死刑囚役で、怪演と言っていい。怪演ならゲイリー・オールドマンの十八番なのだけれど、本作ではオールドマンのほうが(時々はヒステリックになるのだが)受けに回っていて、沈静さが目立つトミー・リー・ジョーンズも含めた絶妙のキャラクター・トライアングルを形成している。
物語の核は、人から人へと移された記憶。CIAロンドン支局のエージェントであるビル(ライアン・レイノルズ)が極秘の任務中に殺害された。彼は、アメリカ軍の兵器を自在に操るというハッカー、ダッチマン(マイケル・ピット)と接触しようとしていたところだった。ダッチマンが持つプログラムは、世界の平和を脅かすとんでもない代物である。ロンドン支局長のクウェイカー(ゲイリー・オールドマン)は、記憶の移植実験を研究している脳外科医のフランクス(トミー・リー・ジョーンズ)に、ビルの記憶を蘇らせる手術を依頼する。記憶を移される対象として選ばれたのは、粗暴な死刑囚ジェリコ(ケヴィン・コスナー)だった…。
ダッチマンのプログラムを追いかけるのはCIAだけではない。スペイン人テロリスト(ジョルディ・モリャ)があらゆる手段を使ってわがものにしようとする。おまけに、48時間という時間的制約が加わり、物語はだんだんと白熱化していく。陸や空を舞台にした壮絶なアクションシーンもあって、かなりドキドキさせられる。一方、ビルの記憶を脳に埋め込まれたジェリコの変化がドラマとしての要素も濃厚にする。幼い頃に味わった悲しい体験がジェリコのバックボーンにあるのだが、ビルの記憶と共にビルの感情や日常習慣までもがジェリコに乗り移っていく点が面白い。
そして、スリル感をたっぷり楽しんだ後に訪れる結末は実に痛快だ。最後のクウェイカーのつぶやきはギャグのように笑いを誘うのだが、映画に描かれていないジェリコの行く末を想像すると、これが現実の世界ならば、きっとそんなに甘いものではないのだろうなと考えたりしている。
(宮田 彩未)
公式サイト⇒ http://criminal-movie.jp/
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