原題 | Mother's Day |
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制作年・国 | 2016年 アメリカ |
上映時間 | 1時間58分 |
監督 | ゲイリー・マーシャル(「プリティ・ウーマン」「バレンタインデー」「ニューイヤーズ・イブ」) |
出演 | ジュリア・ロバーツ、ジェニファー・アニストン、ケイト・ハドソン、ジェイソン・サダイキス、ブリット・ロバートソン |
公開日、上映劇場 | 2017年2月11日(土)~シネ・リーブル梅田の《未体験ゾーンの映画たち2017》にて上映。(2/11、13、15、16、19、22、23上映) |
ゲイリー・マーシャル監督が最後に贈る“母の日プレゼント”
まだ見ぬ産みの母を想い、亡き母を偲び、母との不和に悩み、そして、母への感謝と母であることの幸せを謳歌する映画『マザーズ・デイ』。昨年7月に亡くなったラブコメの巨匠ゲイリー・マーシャル監督の遺作となってしまった。ジュリア・ロバーツを世界的アイドルに押し上げた『プリティ・ウーマン』(1990年)を代表するように、ユーモアにあふれた軽妙な語り口はいつも心温まるハッピーエンドで飾られ、観る者を幸せな気分にさせてくれた。本作も、4組の家族が“母の日”を迎えるまでの日々を、マーシャル監督のために再集結した豪華俳優陣やスタッフが、鮮やかな映像と感動で綴っている。世界中の母親のために贈る、優しさと感動に満ちた“母の日プレゼント”である。
二人の息子を抱えるシングルマザーのサンディ(ジェニファー・アニストン)は、別に未練がある訳ではないが、元夫が若いモデルと再婚したことにショックを受ける。しかも、美人で気立てのいい再婚相手に子供たちも懐いてしまい、母親として自信を失いかける。インド人の夫と生まれたばかりの娘と3人で暮らすジェシー(ケイト・ハドソン)は、近所に同性愛の姉の家族も住み幸せそうだが、国際結婚に反対する母親と疎遠になっていることを密かに悩んでいた。そこへ両親が突然訪ねてきて、秘密にしてきたことがすべてバレてしまう。
実の母親を知らずに育ったクリスティ(ブリット・ロバートソン)は、同棲中の男性との間に子供が生まれても結婚に踏み切れずにいた。自分が何者なのか確信が持てずに、大事な一歩を踏み出せないのだ。TV通販会社のカリスマ女社長のミランダ(ジュリア・ロバーツ)は、16歳の時に極秘出産し養子に出した娘・クリスティが突然会いに来たことで、密かに娘の成長を見守り続けた“日陰の母”を止めて、堂々と母親としての想いを打ち明ける決心をする。ジェイソン・サダイキス演じる二人の娘を育てる男は、軍人だった妻を亡くし、年頃の娘の対応に悩んでいた。「母の日」に娘たちが寂しい想いをしないようホームパーティを開くが…。
ゲイリー・マーシャル監督のために集まった豪華キャストが織りなすヒューマンドラマは、ユーモアと優しさ、愛情にあふれている。特に、ジェニファー・アニストン演じるサンディがいい。最初はヤキモチをやいていた元夫の再婚相手に、子供たちの気持ちを尊重して寛大さを見せるあたりは、母親としての余裕を感じさせる。家族のために、すべてを受け入れ愛情を注ぐ母親像こそ、平和の象徴のようだ。きっと、ゲイリー・マーシャル監督自身がそんな寛大な人だったのだろう。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の《未体験ゾーンの映画たち2017》で上映中。
(河田 真喜子)
(C)2016 Mothers Movie LLC