原題 | NINE LIVES |
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制作年・国 | 2016年 アメリカ |
上映時間 | 1時間27分 |
監督 | バリー・ソネンフェルド 『メン・イン・ブラック』シリーズ |
出演 | ケヴィン・スペイシー(『ユージュアル・サスペクツ』『アメリカン・ビューティ』)、ジェニファー・ガーナー(『ダラス・バイヤーズクラブ』)、クリストファー・ウォーケン(『ディア・ハンター』『ジャージー・ボーイズ』) |
公開日、上映劇場 | 2016年11月25日(金)~TOHOシネマズ シャンテ、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ(なんば、二条、西宮OS) ほか全国ロードショー |
~“テッド”も負けそう!? オッサン猫の逆襲ニャのだ―!~
ただでさえツンデレの猫に傲慢社長が乗り移っちゃうなんて、愛くるしいどころか憎たらしいオッサン猫の登場である。しかも、あのアカデミー賞に二度も輝いたケヴィン・スペイシーが仕事一筋のワンマン社長を演じ、猫に変えられたボヤキっぷりがケッサクだニャン。猫と会話ができるペットショップの店主にクリストファー・ウォーケン。これまた怪し過ぎる存在感で傲慢な主人公を懲らしめる。美しく優しい妻役にはジェニファー・ガーナー。虚栄心や強欲を抱えた人間が登場するわりには、妻や息子や娘の優しさに救われる、ハートフルなオッサン猫の奮闘記ニャのだ。
北米一の高さを誇る自社ビルの落成式に、超アクティブ社長のトム(ケヴィン・スペイシー)は、スカイダイビングで屋上に降り立つ派手なパフォーマンスを見せる。先妻との息子デヴィッド(ロビー・アメル)は、家庭を顧みずビジネスだけに邁進してきた父親だが、「傍に居たい」と父親の会社に入社する。だが、そんな息子を頼りなく感じ下積みの仕事をさせるトム。また、娘のレベッカ(マリーナ・ワイズマン)に誕生日プレゼントとして猫をねだられ、適当に探し出したペットショップへ向かうと、怪しげな店主パーキンス(クリストファー・ウォーケン)に“Mr.もこもこパンツ”という名の猫を買わされる。
そんな時、ワンマン社長と会社経営を巡って対立したイアン(マーク・コンスエロス)に、落雷事故に乗じて社長を見殺しにされる。ところが、気が付くと、病院のベッドで横たわる自分の姿を発見。ニャンと、魂が猫と入れ替わってしまったのだ。「自分はトムだ~!」と叫ぼうにも通じない。父親が自分のために買った猫と知って可愛がるレベッカや妻のララ(ジェニファー・ガーナー)。どうアピールしようにも、なんせ猫。肉球では不便でニャンともしがたい。こん睡状態の夫を心配する妻や娘の真心、さらに会社を乗っ取ろうとするイアンの企みに気付いたデヴィッドの活躍もあり、このオッサン猫の逆襲は思わぬ方向へと突き進んでいく。
よくあるドタバタコメディ、と侮るなかれ。あのケヴィン・スペイシーがモコモコ毛並の猫になってボヤキまくるなんて、子供がそのまんまオッサンになったテディベアの“テッド”とは違い、慣れない猫の習性や体に歯がゆさや滲ませる本作には別次元の笑いがある。別に猫好きでなくても楽しめる、抱腹絶倒のヒューマンコメディ、ニャのだ。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://mic.asmik-ace.co.jp
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