原題 | Miss You Already |
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制作年・国 | 2015年 イギリス |
上映時間 | 1時間53分 |
監督 | 監督:キャサリン・ハードウィック(「トワイライト~初恋~」) 製作:クリストファー・サイモン「おみおくりの作法」 |
出演 | トニ・コレット(「ミュリエルの結婚」「リトル・ミス・サンシャイン」)、ドリュー・バリモア(「チャーリーズ・エンジェル」)、ドミニク・クーパー(「デビルス・ダブル-ある影武者の物語-」「リンカーン/秘密の書」)、パディ・コンシダイン(「ブリッツ」)、ジャクリーン・ビセット(「映画に愛をこめて アメリカの夜」「ベストフレンズ」)、タイソン・リッター他 |
公開日、上映劇場 | 2016年11月18日(金)~TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 新宿、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、シネ・リーブル池袋、シネマメディアージュ、TOHOシネマズ 西新井、TOHOシネマズ 錦糸町、109シネマズ 二子玉川、イオンシネマ板橋、TOHOシネマズ 梅田、TOHOシネマズ なんば、TOHOシネマズ 二条、シネ・リーブル神戸、109シネマズ HAT神戸、ほか全国ロードショー |
~女トモダチは、時には男のコイビトよりも刺激的!?~
「友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする」とは、ドイツの詩人で劇作家だったシラーの言葉であるが、よき友を持っている人なら同感できるわかりやすい内容だ。またこういうのもある。「友情は人生の酒である」。これは、イングランドの詩人エドワード・ヤングによるものだが、こちらはいろいろに解釈できる。友情は人生を酔わせ楽しみを与えるものとも理解できるし、真の友情はお酒のように熟成してゆくものともいえるのではないか。そして、この映画で描かれている女同士の友情に、これら二つの名言がぴたりと当てはまるのだ。
彼女たちの物語は小学生時代に始まる。アメリカからイギリスのロンドンに引っ越してきたジェス(ドリュー・バリモア)は、ミリー(トニ・コレット)という名の少女とすぐに仲良しになり、以来、ふたりは喜びも悲しみも共有する大親友の関係を維持しながら大人になった。性格的にアグレッシブなミリーはスタイリッシュなファッションと仕事が大好き、ふたりの子どもの母親でもある。一方、堅実派のジェスは思いやりの深いパートナーと幸せな船上生活、悩みは不妊治療をしているが子どもができないことだ。そんなふたりに大きな転機が訪れる。ミリーが乳がんだと診断され、化学療法を受けなければならなくなり、片やジェスはついに念願かなって妊娠したのだ。喜びの渦中にあるジェスは、絶望感と苦しみに見舞われたミリーに、妊娠のニュースを告げられないのだが…。
普通なら重苦しいトーンになる物語だが、いいなと感じる場面がある。誕生日パーティーの席を突然抜け出したミリーは、追いかけてきたジェスと共に、タクシーで約400キロも離れたヨークシャーへ。それは少女時代に憧れた小説『嵐が丘』の舞台となったところだ。久しぶりに親友同士の長旅、それは彼女たちに解放感をもたらすとともに、改めてお互いの存在がどれほど大切かを教えるのだ。そして、こういう“別れ方”もいいなというエンディング。後ろ向きでなく、長い年月をかけて育んできたものを愛おしく抱きしめながらの前向き。そうありたいとしみじみ思うのである。
日本版のテーマソングは平原綾香の『STAR』なんだけど、書き下ろしかと思うほど、映画にぴったり。ぴったり過ぎて感傷を煽るような気がし、私的にはちょいと引いてしまった。テーマソングの歌詞の内容は、物語と適度な距離があったほうがいいのではないだろうか。ともあれ、トニ・コレットとドリュー・バリモアは、1+1=2以上の相乗効果を確実に画面に与えている。そして、なんとまあジャクリーン・ビセットの姿に会えるなんて!その若々しさに驚いたのだった。
(宮田 彩未)
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