原題 | CRAZY About TIFFANY’S |
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制作年・国 | 2016年 アメリカ |
上映時間 | 1時間27分 |
監督 | マシュー・ミーレー『 ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート』 |
出演 | バズ・ラーマン(『華麗なるギャッツビー』監督)、レイチェル・ゾー(セレブ御用達の人気スタイリスト)、ジェシカ・ビール( 『ニューイヤーズ・イブ』女優)、ロブ・マーシャル(『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』監督)、フランチェスカ・アムフィテアトロフ(ティファニー初の女性デザインディレクター)他 登場順 |
公開日、上映劇場 | 2016年11月5日(土)~新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー |
~あなたの知らないティファニーの秘密教えます!~
早朝のニューヨーク5番街、タクシーから降りてきたイブニングドレス姿の美女が、ティファニー本店の前でパンとコーヒーを食べ始める。朝帰りの美女はショーウィンドーを覗き込みながら朝食を摂るのを日課にしている。オードリー・ヘプバーン主演の名作『ティファニーで朝食を』(‘61)は、“ティファニー”ブランドを世界中に広げ、日本では有名デパート各店に店舗を構えるほどの人気ぶりだ。また、リース・ウィザースプーン主演の『メラニーは行く!』(‘02)では、ティファニー本店の中でサプライズのプロポーズシーンが撮られ、増々女性の憧れの的となっている。
創業180年を迎えるティファニーの人気の秘密を、社内のデザイナーを始めモデルや俳優、映画監督、ファッションやマスコミなど各界の人々のティファニーへのイメージや想いを、歴史を織り交ぜながら綴ったドキュメンタリー映画。誰もが知りたいティファニーの魅力がいっぱい詰まった、日本の女性には一番興味のあるドキュメンタリー映画かも?
西部開拓が本格的に始まった頃の1837年に創業、ヨーロッパでは第二次世界大戦が始まった頃の1940年に五番街に本店を構え、ヨーロッパのジュエリーデザインとは一線を画したシンプルで斬新なデザインで人気を博してきた。イメージカラーの“ティファニー・ブルー”は、コマドリの卵の色を基に作られた創業当時からのオリジナルで、さらに19世紀半ばには“ブルー・ブック”という通販カタログも発行された。かつて婚約指輪の定番だった立爪ダイアモンド指輪も1886年に創業者のチャールズ・ルイス・ティファニーが考案したものである。「いくらお金を積まれても売らないものがあります。しかし商品をお求め頂いた方には無料で差し上げます。それはティファニーの名前の入ったボックスです。」とまあ、ブランド力に絶対の自信と誇りを持っていたティファニーの歴史や芸術性は、アメリカ社会のステイタスを押し上げ、芸術性をも高めたシンボル的存在でもあった。
『華麗なるギャッツビー』を撮ったバズ・ラーマン監督のティファニーへの造詣の深さや、アカデミー賞などの授賞式で着用されるジュエリーの宣伝効果や女優たちの反応など、ティファニーに惹き付けられる秘密が次々と明かされる。小市民でも手の届く商品も扱っているため、“ティファニー・ブルー”の箱や紙袋をよく見掛けるようになった。その度に、誰かのハッピーが詰まっているようで、自分とは関係ないのについときめいてしまう。
かつて、島根県松江市に【ルイス・C・ティファニー庭園美術館】という素晴らしい美術館があった。えっ、こんな田舎に?と思えるような市街地から離れた寂しい場所に。アール・ヌーヴォ様式のステンドグラスやガラス工芸品やジュエリーなど、そこだけは別世界のように光り輝いていた。2001年に開館したばかりだったが、2007年には惜しく閉館してしまった。ティファニー創業者の息子でアール・ヌーヴォの著名な作家でもあったルイス・コンフォート・ティファニーのコレクションが展示されていた。この映画を観たら、改めてティファニーの歴史と芸術性を学びたくなった。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://www.finefilms.co.jp/tiffany
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