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『ジェーン』

 
       

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作品データ
原題 JANE GOT A GUN 
制作年・国 2016年 アメリカ 
上映時間 1時間38分
監督 ギャヴィン・オコナー
出演 ナタリー・ポートマン、ジョエル・エドガートン、ユアン・マクレガー、ノア・エメリッヒ、ロドリゴ・サントロ、ボイド・ホルブルック他
公開日、上映劇場 2016年10月22日(土)~新宿ピカデリー、池袋シネマ・ロサ、109シネマズ二子玉川、ユナイテッド・シネマ豊洲、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹ほか全国公開

 

守りたいものを守るため、
逃げずに闘うことを決意した女の“あっぱれ!”

 

邦題や原題から、映画ファンがすぐに連想するのは、西部劇の名作『シェーン』とか、『アニーよ銃をとれ』だろう。西部劇ならではの埃っぽい映像色にお決まりの勧善懲悪スタイルを重ねながら、凛とした鮮やかなヒロイン像で引っ張っていく痛快作だ。


JANE-500-1.jpg1871年のニューメキシコ準州が舞台。夫のハム(ノア・エメリッヒ)と幼い娘と共に暮らしていたジェーン(ナタリー・ポートマン)だったが、ある日、ハムが銃弾による重傷を抱えて帰ってくる。夫は「ビショップ一家が襲ってくるから逃げろ」と言うのだが、ジェーンは決死の覚悟で家にあった銃を手に取る。ビショップ(ユアン・マクレガー)は、あたりに知れわたったならず者集団のリーダーで、狙ったものをしつこく追いかけてくる男だ。とりあえず娘を人に預け、ジェーンは、元恋人のダン(ジョエル・エドガートン)に助けを求めにいくのだが…。


JANE-500-2.jpg映画は時おり過去へと戻っていき、ハムやビショップとの関係性や、将来まで約束したジェーンとダンがなぜ別れることになったのかを明らかにしていく。アルコール依存症になり、最初はイジイジとうらみがましいことをジェーンにぶつけてくるダンは情けなく見え、いろいろ奔走したのにアカンかったやん、だから私は別の人と所帯を持ったんやんかと、まあ大阪弁ならそういうふうになるジェーンの“きっぱり”とは対照的である。“女は現実的である”といわれる要素をジェーンもしっかり持っていて、現実的観念の乏しい私には羨ましい限りだ。


JANE-500-3.jpgあの名作『レオン』の少女役でスクリーンに鮮烈な印象を記したナタリー・ポートマンがすでに母親になり、こういう母として、また妻として闘う役柄を演じたというのは、宣伝文句にあるように、特別な意味があることなのだろうか。そういう目線はどこか男性的目線のようにも感じるのだが…。性別に関わらず、守りたいという身近な人を抱えている人は、“火事場の馬鹿力”も出せるのではないかと私は思う。守りたいものや失って困るものを持たないから強い、なんて嘘である。


JANE-500-4.jpg女と西部劇の組み合わせはなかなかに面白い。ジェーンの夫ハルは重傷で動けないし、助っ人に加わりつつもダンはなかなか恨み節を忘れずにいて、ジェーンの引っ張りパワーでやっとこさ実力を発揮していくって感じだ。俳優陣で驚いたのは、ビショップを演じたユアン・マクレガー。彼はカメレオン俳優としての可能性を拡げたと思う。最後には、予想外で、ちょいと甘めのハッピーなサプライズが用意されている。

(宮田 彩未)

公式サイト⇒ http://jane-movie.jp/

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